2023年10月24日(火)「ワースト」 (original) (raw)
恐らく今が人生で一番最悪な時期なのではないかと思う。
音楽を聴いても映画を観ても、イマイチ入り込めない日々が続く。
そして最も辛いのは、眠れないことだ。
ウィスキーでもあれば、寝る前に一杯あおれば自然と眠れたりもするのだろうが、経済的にそれは叶わないし、何より飲んだら飲みっぱなしになりそうで怖い。
恐らく取り立て系の強迫観念からの障害なのだろうが、その不安はここ3年程払拭できておらず、何をしても、どこにいても怖いのである。物陰から見られているような恐怖感などもあって、おちおち表をのんびり歩くことも叶わない。
季節は大好きな初秋である。
ライ・クーダーでも聴きながら、川沿いをゆっくり散歩したいものだ。
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SOHOに登録してから、依頼が増えている。
しかし、どれもクズみたいな単価で、殆ヤル気が起きない。
キャリア20年のライターが、文字単価1円や2円で喜んで請ける筈がないだろう。
まあ、実力不足は否めないが、そこいらの素人主婦ライターと同じ土壌で勝負させられるのは堪らない。
勤め先も副業禁止令を出し始めたのでバレたら一発レッドカードは必至なのだけど、生きていくためにはそんな小銭すら貴重な財産になるので辞めるに辞められない。
また電話が鳴った。
もちろんディスプレイは見られない。
恐怖以外の何物でもないからだ。
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斉藤和義氏のニューアルバムを聴いた。
マンネリな感じは否めないが、やはりメロディーメーカーとして素晴らしいと思った。
「からかい上手の高木さん」を全て視聴した。
爽やかな感動はあったが、所詮自分とは違う生き物なのだと痛感。
いつどうやって俺はスレてしまったのか。
老いと後悔に苛まれ、結果として観なければよかった。
そういえばローリング・ストーンズの新譜も聴いた。
良くも悪くも終始ストーンズ節が炸裂。
前アルバムと聴き分けるのが難しいという感想。
不変のままキングの位置を守っているのは凄いことだと思うが、やはり「メインストリートのならず者」で終わっている。もちろん主観だが。
バクチクのボーカルが急逝したとの報道が入る。
まだ早いよね。リアルタイムで流行っていたバンドだったからかなり驚いた。
でも、ちゃんと聴いたことはない。とにかくご冥福を祈るばかりだ。
そう言えばガンで活動を休止したチバさんはどうしているのだろうか・・・。正直、チバさんの安否は気になる。
今週のジャームッシュは「コーヒー&シガレッツ」。
観る度に新たな発見をする映画で、流し見るのが難しい。
今回は序盤のストーリーでトム・ウェイツとイギー・ポップが喫茶店で語り合うシーンで新たな発見をした。
イギーが帰る理由をトムに言う場面で、「奥さんをモーテルに一人残してきてしまったから」と告げるのだけど、そこでトムが「それなら奥さんも呼んでここで一緒にコーヒーとタバコをどうだ?」と誘う。その際イギーは「彼女はタバコをやらないんだ”raw power”で」と返す。
お分かりだろうか。
raw powerとは、イギーが在籍している伝説的パンク・バンド「iggy and the stooges」の名盤のタイトルなのである。あの世界一美しいパンク・ナンバー「サーチアンドデストロイ」を収録した一枚と言えばわかるだろうか。
しかし不思議なのはその時の字幕に他ならない。
「raw power」の意味は『生の力』『権力』などである。それにも関わらず字幕では「意思の力」となっている。意思と書けばそれはつまり自力ということになるのだけど、それだと何だかチグハグにならないか・・・?
まあいいか。
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陽が落ち、17時のチャイムが街中に響き渡る。
私はこの夕焼けチャイムというやつがかなり好きだ。
後ろめたさを感じながらも家に帰らなきゃ行けないと思う少年時代の夕暮れ時を思い出すからに他ならない。
あらぬ成功は夢か幻か。
ノーフューチャーなアラフィフは、今日も何かに怯え、何かに後悔している。
ある朝起きて口座の残高を見たら、えげつない金額が踊っていたなんてファンタジーを夢想しているオッサンに、幸せな未来など来ないかもしれない。まあ、夕焼けチャイムに背中を押されていたあの頃からすれば、今は立派なオッサンなのだけどね。
そろそろ病院へ行った方が良いのかな。
若い頃のキャサリン・ゼタ=ジョーンズみたいな女性が添い寝してくれたら、一瞬で眠りに落ちる自信はあるんだけどね。あ、興奮して逆に眠れないか。
へば。