苺宇宙交信日記 (original) (raw)

記憶の片隅にある岸辺の夜火事 轟轟と燃えゆくその様子を只じっと見つめていた

恐くて 美しい湖も 私をまた見つめていた

醜さと美しさがいずれ等しくあるということを

私達がまだ幼くて美しいせいで知ることをやめた。

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本能として借り物の肉体を求めていることが正しいとしたら、それは魂の保存活動というところか。

私達は死体。一人残らず一人の死体を担いでいるだけ。

肉体からの離脱を、世界が醜すぎたからだとかそんなのは野暮だなと思う

眩さと美しさから目を逸らせない若さと強さが、きっと全てを脆くした

私がこの世で、最も美しく哀しくそして綺麗だと思う人は祖母で、生き様を証明する真の美しさと深みで祖母に敵う人は何処にも居ない。

何よりもつよくて綺麗な人。

祖母に出逢えた時点で、私の幸せは色褪せないことが決まっていたなんて、私は本当に幸せだ。

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夏ももう終わりますね。

夏に連れ去られた色々

それでも輝きは消えない

私がおかえりって何度でも言うから

もう少し、此処に居てほしいだけだよ

季節を弔った

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真夜中の公園で知らないおばあさんと話した

不良の旦那さんの愚痴をたくさん聞いたけど

なんで好きになったの?って聞いたら

「目が輝いてたんだもん」って言ってた

おばあさんは、早朝4時から毎朝紙ヒコーキを飛ばすおじさんと海を見にいくんだって

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自己の狡さを時々恨む

それは瘡蓋の様に、ときどき悪戯に剥がしたりして余計に痒くていたくなる

生きるをこなす思いをしていたときのこと、すこしだけ思い出す

だから、おわらせるのはこわかった?

永遠に暗い海の中で息が出来ないなんてことは無いもの

甘くないレモンスカッシュを雨音を聴きながら飲んだ

氷が溶けて さらに薄くなっていた

やがて私は忘れる

たとえば音楽とか、肌を突き刺すような暑さとか、アイスの味とかがトリガーになってね、

記憶が蘇ることってすごく尊いものですよね

真夏の豪雨は待ってくれない

はしゃぎすぎて涙がとまらない様に

私は私を見失わないことを何よりも大切に

いつだって、私の生き様で私の美しさを証明する

いつだって、あなたは高尚な魂だって私が肯定する

導かれたもの全てを運命にする為に生きてるなあと

最近はよく感じられる日々です

苺の宇宙の引力… とても幸せなこと!

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この間、お気に入りの喫茶店で飲んだ生の苺ジュース美味しかったなぁ。

皆さん、すぐにでも溶けてしまいそうな程に熱を帯びたまいにちですが、

熱中症に気をつけながら、自分を見失わず、この夏も生き抜きましょうね。

ペパーミントの葉をそえて

ときどき忘れそうになるでしょう

すごくやさしいことを

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冷房の効き過ぎた部屋を出た時、暑さを心地よく感じる

夏が来るたびわたしは また わたしを見つける

七夕が大好きです

きみの住むアパートが、ほんのり光る

短冊は詩なんだなあ

そう思いました

頬にまとわりつく生ぬるい夜風と汗ばむきみの背中

氷をカラコロと転がすと

もうすぐ真夜中だ

真夜中は、ときおり悪気もなく現実を薄めて溶かす

真昼の夢はえらく現実味を帯び、虚しさが突き刺す

君のアイスが溶けきる前にきっと迎えに行く

だからもう少しだけ そのままでいてね

雨が続いたかと思えば、急いで顔をのぞかせた様な真夏の片鱗

すり減ってゆく精神を癒すには、

生活のなかの上質な上澄みと、庭で摘んだちいさなミントを一緒に詰めた小瓶が必要です。

生活のなかの上質な上澄みって

ぽつぽつ雨音を聴きながらお気に入りの本を読む昼下がりとか、

よく晴れた日曜の朝に洗濯物を干すとかね、そういうこと

よく晴れた日に真っ直ぐでやわらかな光にくすぐられた洗濯物たちは

なんて心地よく、あったかいのだろう

なんだか心が気持ちいい

そして、メロンを食べよう

甘ったるい果汁がじゅわりと滴る柔らかな果肉は、かけ足で私を幸福にさせる

メロンと結婚しようかしら

メロンソーダはあんまり飲んだことない。

炭酸が弾ける痛みって炭酸水をかぶったみたいだ

このくらいの痛みならば、生きていけますね、私たち

もしも もう、こんなにもぼろぼろで、何者も慰めてくれなくたって

内に秘めたひそやかな輝きは決して消えることは無く

きっと何時か、いつか、そこにいることが真っ当で圧倒的な真実となる日が、必ず来るのです。

今日の満月はストロベリームーンですね。

苺、月…私の大好きなもの

誰にも侵されることのない気高く高尚な魂で在りたいと、最近よく思う

愛を惜しみなくあげられる人間に成りたい

少しの躊躇いもなく、ただ、真っ直ぐな愛を届けられる人間に成りたい

愛なんかいらない青が似合うから /田中信克

素敵な表現ですけれどね。

言葉に依存し過信してはいけないなんてことは無いと思う。

言葉ではあらわされることのない切実さが、言葉によって救われることは成立する。

私のこの苺宇宙交信日記には「あなた」という言葉をよく使っていますが、この「あなた」は、密かに思う特定の誰かに向けた「あなた」ではなく、いま、この文章を呼んでくれている画面の向こうの「あなた」へ向けた「あなた」です。

あなたに届いて欲しい。

わたしのあたまの中に存在している苺の宇宙をあなたに共有し、届き、何かを感じてくれたら

それ以上の幸福はありません

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朝、フレンチトーストの匂いで目が覚めることは幸福か

夜、バニラ香るベッドシーツで眠りにつくことは幸福か

あなたの世界の真実はあなただけが知っているのだなあと思うまいにち

どなたも見たことのない世界を、あなたは知っているのです

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恋人、っていう言葉の響き、すごく綺麗ですよね

恋人の定義を調べると

「恋の思いをよせる相手」「相思相愛の関係であること」

「一生大切にしたい、一生ともに歩んでいきたいとお互いに思っている相手」

とありました。

そしてさらに、

「彼氏・彼女は、現在交際している相手のこと。将来を考える相手の意味は含まれない」

と続いていました。

こんな意味合いが含まれていたなんて

言葉ってうつくしいな。

シロップをかけ、バターと、おまけにアイスをのせたフレンチトーストを食べたい

バニラの香りに包まれながら