【中国語学習#004】まるで生物の進化論みたいな日本語と中国語の漢字の変化 (original) (raw)

日本語の旧字体とは、日本における当用漢字制定(1946年)以前に使用された漢字の字体です。

中国で昔から使われていた繁体字と基本一致します。

旧字体は以下のとおり、今でも固有名詞を中心に使われています。(( )は新字体

・苗字など:邊(辺)、國(国)、廣(広)、櫻(桜)、會(合)、齋(斎)、瀧 (滝)、澤(沢)、濱(浜)、龍(竜)、縣(県)、數(数)

・団体名など:應(応)、藝(芸)、證(証)、鐵(鉄)、讀(読)、賣(売)、罐(缶)、樓(楼)

・数字など 壹(壱) 貮(弐)、萬(万)、圓(円)、兩(両)

一方、中国でも1950年代に、従来の繁体字を簡略化した字体体系(簡体字)が制定されました。

なお、中国語の繁体字は、今でも台湾や香港などで使われています。

さて、日本語と中国語でそれぞれ字体体系を変更した際に、上図のとおり、同じ漢字からそれぞれ別の漢字が誕生しました。

このような例は、以下の漢字もあります。

(以下、「旧字体:中国語簡体字(発音)/日本語新字体(発音)」の順で)

變:变(bian4)/ 変(ヘン、かわる)

對:对(dui4)/対(タイ、ツイ)

豐:丰(feng1)/ 豊(ホウ、ゆたか)

腦:脑(nao3)/脳(ノウ)

氣:气(qi4)/気(キ)

一方で、日本語と中国語が同じ字体に変更した漢字もあります。(どちらかがパクったのかなw)

戀:恋(lian4)/恋(レン、こい)

歐:欧(ou1)/欧(オウ)

聲:声(sheng1)/声(セイ、こえ)

灣:湾(wan1)/湾(ワン)

醫:医(yi1)/医(イ)

さらに、日本語のみ新しい字体に変更した漢字もあります。

步:步(bu4)/歩(ホ、ブ、あるく)

假:假(jia1)/仮(カ、ケ、かり)

缺:缺(que1)/欠(ケツ、かく)

黑:黑(hei1)/黒(コク、くろ)

拜:拜(bai4)/拝(ハイ、おがむ)

こうして見ると、戦前(第二次世界大戦前)は、日本語と中国語がもっと近かったことが分かります。

中国語(簡体字)の学習を初めて中級くらいになると、繁体字をどうするかという判断に迫られます。

私は中検2級に合格するまでは混乱を避けるために繁体字の学習は控えようと考えていたのですが、今回、旧字体を調べたことにより、繁体字も並行して覚えようという気持ちになりました。

余談ですが、日本人はせっかく漢字の知識があるのだから、外国語=英語と決めつけずに、外国語=英語+中国語を基本とすべきかと思います。

例えるなら、英語70点を目指すよりも、英語と中国語それぞれ50点を目指したほうが習得できる確率が高いと思います。

そしてその後、必要に応じてそれぞれの言語の点数を伸ばせばいいし、また、他の言語を習得する可能性もみえてきます。

英語で挫折して、外国語はもうこりごりはもったいないです、、

具体的な学習方法などについては、本ブログで紹介していきたいと思います。