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コスタイベは、10月1日からの新型コロナワクチンの定期接種に加えられた次世代型mRNAワクチンと言われるもので、レプリコンワクチンとも呼ばれています。

文献によると、ベネズエラウマ脳症ウイルスを組み替えたもののようで、組換+鎖RNAウイルスを用いたワクチンと呼ぶのが適切かと思われます。

mRNAと同様に読まれてたんぱく質を合成する直接の鋳型になりますが、mRNAではありません。「次世代型mRNAワクチン」と呼ぶのは誤りです。また、レプリコンというもの本来の概念からすると広すぎます。RNAウイルスというと危険と思われるのを避けるために、あまり世間に知られていない用語を用いたように思われます。

このような実体を隠すようなネーミングをしているのは、本当は危険なのかなという疑いが生じることも避けられません。「シェディング」の懸念があり、問題があるとのうわさがSNSなどで広がっているそうです。

このシェディングというのも誤った用語の使い方です。RNAウイルスワクチンの二次感染とでもいうべきものでしょうか。

うわさの根拠もはっきりしないようですが、国民にベネズエラウマ脳症ウイルスの増殖機構を用いたものであることを正しく伝えようとしなかったつけがまわってきたようなものでしょうか。

接種量が少ない点が利点のようにされていますが、ベネズエラウマ脳症ウイルスの非構造タンパク質の副作用への影響がないか懸念されるところです。

1.はじめに
ただ乗り(フリーライド)行為が問題となっている事件があります。有料の乗り物をただで乗ることは違法なことで、特許権著作権などの独占権を侵害する行為は違法になります。
一方、ただの乗り物、例えば催し物の無料送迎バスに催し物の参加者がただ乗りすることは何の問題もありませんが、催し物会場の近くの住人が、催し物に参加しないにもかかわらずただ乗りすることは問題になる場合もあるでしょう。参加者以外は乗車しないよう注意されていたのに乗車したなら違法になるでしょう。
特許権著作権のような法律で独占権が定められているものとは異なり、データーベースのように、法律で独占権が定められていないものを利用することは、保護期間が満了した特許権著作権ジェネリック医薬品青空文庫で自由に利用されているのと同様に、自由に利用出来ると考えられますが、これが問題となった事件があります。文献1文献2に解説されていますので、事件の概要はこれらの文献を見てください。

いくつかの事件を検討してみます。

2.木目化粧紙事件

被控訴人が、控訴人の製品と同一の模様を付した製品を販売した事件です。どのような木目模様も選択可能なのに、わざわざ控訴人の製品と同一の模様としたことは、製品の出所を混同させる意図があったとした思えません。裁判所も被控訴人の行為は控訴人の営業を侵害するものとしています。

不正競争防止法の改正前の事件ですが、営業の自由を侵害するものだから、憲法22条により違法としているのでしょう。

3.翼システム事件(スーパーフロントマン中間判決)

被告が、原告のシステムのデータベースを複製して用いたシステムを製造販売した事件です。

判決は、「民法709条にいう不法行為の成立要件としての権利侵害は,必ずしも厳密な法律上の具体的権利の侵害であることを要せず,法的保護に値する利益の侵害をもって足りるというべきである。そして,人が費用や労力をかけて情報を収集,整理することで,データベースを作成し,そのデータベースを製造販売することで営業活動を行っている場合において,そのデータベースのデータを複製して作成したデータベースを,その者の販売地域と競合する地域において販売する行為は,公正かつ自由な競争原理によって成り立つ取引社会において,著しく不公正な手段を用いて他人の法的保護に値する営業活動上の利益を侵害するものとして,不法行為を構成する場合があるというべきである。」
として、被告の不法行為を認めています。

個々の点について検討してみます。

(1)データベースの作成に費用や労力がかかっている点

著作物に当たらないデーターベースを保護する法律は、検討されてはいるがいまだに立法に至ってはいなません。費用や労力がいかにかかろうとも、利用することが違法とされることはないものです。

(2)被告が複製した点

通常だと、複製を防止するために、複製や加工、他人への譲渡を禁止する契約をして販売し、複製が違法行為になるように定めておくものと思われます。本件は複製自体の違法性が争われていないので、原告は複製を制限することはしていなかったようですが、奇異に思えます。

(3)被告が競合する地域において販売した点

営業の自由は、憲法からも認められているものであり、何の違法性もないと思われます。被告はデーターベースの作成の費用や労力を省け、より安価でのシステムの販売ができることになりますが、不当廉売をしているわけでもなく、他人の営業の自由を侵害する営業妨害といえるものではないでしょう。

判決からは「著しく不公正な手段」とは、どの法からみて不公正なのか、手段とはどの点を言っているのか理解できません。まるで、裁判所がデーターベースに何らかの保護を与えているようにも見えます。

このことは法律により保護の定めのないデータベースについて、裁判体が立法府を差し置いて保護を認めたことになり、憲法で定める三権分立の原則にも抵触する司法の暴走といっていいでしょう。

4.ヨミウリオンライン事件

控訴人との契約によりヤフーがウェブサイトに掲載したニュース記事の見出しをコピーして被控訴人の運営するウェブサイトに掲載した事件です。

判決は、「本件YOL見出しは,控訴人の多大の労力,費用をかけた報道機関としての一連の活動が結実したものといえること,著作権法による保護の下にあるとまでは認められないものの,相応の苦労・工夫により作成されたものであって,簡潔な表現により,それ自体から報道される事件等のニュースの概要について一応の理解ができるようになっていること,YOL見出しのみでも有料での取引対象とされるなど独立した価値を有するものとして扱われている実情があることなどに照らせば,YOL見出しは,法的保護に値する利益となり得るものというべきである。一方,前認定の事実によれば,被控訴人は,控訴人に無断で,営利の目的をもって,かつ,反復継続して,しかも,YOL見出しが作成されて間もないいわば情報の鮮度が高い時期に,YOL見出し及びYOL記事に依拠して,特段の労力を要することもなくこれらをデッドコピーないし実質
的にデッドコピーしてLTリンク見出しを作成し,これらを自らのホームページ上のLT表示部分のみならず,2万サイト程度にも及ぶ設置登録ユーザのホームページ上のLT表示部分に表示させるなど,実質的にLTリンク見出しを配信しているものであって,このようなライントピックスサービスが控訴人のYOL見出しに関する業務と競合する面があることも否定できないものである。
そうすると,被控訴人のライントピックスサービスとしての一連の行為は,社会
的に許容される限度を越えたものであって,控訴人の法的保護に値する利益を違法
に侵害したものとして不法行為を構成するものというべきである。」として、被控訴人の行為を不法行為としています。

この判決も、一連の行為のどの点が、いかなる法に違反する違法行為なのか、まったく理解できません。まるで、裁判所がニュース見出しに何らかの保護を与えているように見え、翼システム事件と同様に、司法の暴走といえます。

5.北朝鮮映画事件

北朝鮮の映画の一部を1審被告が放送した事件です。

最高裁判決は、「著作権法6条各号所定の著作物に該当しない著作物の利用行為は,同法が規律の対象とする著作物の利用による利益とは異なる法的に保護された利益を侵害するなどの特段の事情がない限り,不法行為を構成するものではないと解するのが相当である。」として、一審被告の行為が不法行為にならないとし、

仮に1審原告の主張が営業が妨害され、その営業上の利益が侵害されたと解し得るとしても、映画のごく一部を放送したものにすぎないから、営業を妨害するものであるとは到底いえないとしています。

映画の全体が放送された場合について何ら判断はなされていませんが、違法な手段で映画を入手したとか、映画を入手するときの契約に反して放送したとかの違法行為がなければ、映画の放送自体も、不法行為とはならないと思われます。違法行為の有無が裁判所で明らかでなかったので、部分の放送の点だけ判決で述べたと思います。

この判決以降、司法の暴走と思える判決は影を潜めていたようですが、文献2上野達弘さんの講演録のように、この判決の射程を限定する考えもあるようです。長いこと学者をやってると、三権分立の原則も忘れているようです。

6.フェアリー社事件

文献2に紹介されている地裁判決の控訴審判決が出たようです。

www.yomiuri.co.jp

ニュースでは、バンド音楽を聞き取って制作した楽譜を模倣したことが、「「制作者の労力にフリーライド(ただ乗り)する行為だ」としてサイト運営会社に賠償を命じる判決を出した」そうで、「楽譜の制作には「高度で特殊な技能の習得が必要だ」とし、多大な時間や労力、費用がかかっている点を重視。無断で模倣する行為が許されれば、楽譜を制作する動機が大きく損なわれ、「音楽文化の発展を阻害しかねない」と踏み込んだ」そうです。

ニュースを見る限り、楽譜の模倣を違法行為としたようで、翼システム事件やヨミウリオンライン事件と同様に、司法の暴走といえる判決のようです。

また、音楽文化の発展も考慮したとなると、立法府の領域のみならず、行政府である文化庁の領域まで踏み込んだ司法の暴走行為に見えます。

この事件は上告されたようで、最高裁の判決が待たれます。

www.yomiuri.co.jp

というニュースがありました。過去の判例などを調べてみました。

スコアを無断複写する行為の不法行為該当性を否定した事例に、この事件の地裁判決などの解説があります。創作性のない表現をデッドコピーした場合における不法行為成立の可否には、ヨミウリオンライン事件などの解説があります。

他人が用いているものを、デッドコピーや模倣をして用いる行為、すなわちフリーライドについて、フリーでないもの、すなわち著作権などで保護されているものを利用する場合は許諾を得てないと当然に違法になりますが、保護期間が過ぎるとフリーになり、青空文庫のように自由に利用できるようになります。

一方、フリーなものをフリーライドする場合、木目化粧紙事件のように商品の出所に混同を引き起こすなど、利用においてあきらかに問題がある場合は、自由競争の範囲を逸
脱し、他人の営業を妨害するものだから、当然に不法行為とされているようです。

日本において、他人の物を利用するときは、承諾を得たり、お礼をしたりすることが礼儀となっているからでしょうか、法律で独占権が定められていないフリーのものだからといって、労力や費用をかけて制作したものを、断りもなく利用することを違法とする判決がありました。ヨミウリオンライン事件の高裁判決と、翼システム事件、[スーパーフロントマン]中間判決です。

ミウリオンライン事件高裁判決では、ヨミウリオンライン(YOL)のリンク付き見出しのデッドコピーの配信に対して、YOL見出し業務と競合する面があり、社会的に許容される限度を超えているとして不法行為と判断していますが、これだけではいかなる法律や憲法に抵触しているのか明らかでありません。

YOL全体の業務からすれば、リンク付き見出しの配信により、YOLの閲覧者が増えるのであるから、メリットがある話であり、YOLの業務が妨害されるわけでもなく、社会的に許容される限度を超えているとする理由が全く理解できない判断です。

リンクお断りというサイトも多くあり、YOLがリンクを有料としていた時代背景の判断でしょうが、そのことを前提しても納得できない判決です。YOLやYaHooがリンクお断りとなっているのにリンクをしたことの違法性を問うならまだ理解できるのですが。

翼システム事件([スーパーフロントマン]中間判決)では、費用や労力をかけて作成したデータベースの複製利用について、競合する地域で販売する行為は、著しく不公正な手段としていますが、著しく不公正な理由が理解できるように説明されていませんし、法に違反することも明らかではありません。

データーベースにプロテクトをかけるとか、販売の時に複製を制限する契約を付すなどの、データベースを保護する手段を採用していなかったようなのに、保護しようともしていないデータベースを利用することが不公正とされるのは、まったく理解できません。

これらの2つの判決は、労力や費用をかけて制作したものをデッドコピーなどして利用し、競合することを不法行為としています。著作物のように、著作権法により独占権が認められているものではなく、独占権などの特別な権利が立法され定められていないものにもかかわらず、その利用行為を不法とするのは、司法が立法府のなす領域に土足で踏み込んだ司法の暴走といえるものです。

例えば、ジェネリック医薬品も、多大の労力や費用をかけて開発されたものを、オリジナルの医薬品と競合して販売されるものですが、違法にはなっていません。

北朝鮮映画事件での最高裁判決は、営業妨害などの不法行為がない限り、フリーなものをフリーライドすることは自由であることを示していると思われます。フリーでないものを法で定めるのは立法府であり、データーベースや版面権を保護すべきとの指摘がなされているとしても、司法が立ち入る範囲でないことを示した当然の判断と思われます。北朝鮮映画事件最高裁判決の射程を限定する考え方もあるようですが、司法の範囲を逸脱し、法に定めのない事項を違法としてはならないことは、射程どうこう以前の問題です。

なお、営業妨害は、法律に定めのない場合も、営業の自由を損なうものだから人権侵害という理由で憲法違反になると思われます。

フェアリー社の高裁判決は、ニュースをみるとこの文献のp.415にある田村善行教授の考え方に沿うもののようで、北朝鮮映画事件の最高裁判決で示した考えに逆らって、司法のなせる範囲を逸脱し、立法府がなすべき領域に踏み込んだもので、三権分立を定めた憲法にも抵触するようにも見えますがいかがなものでしょうか。

フェアリー社事件の高裁判決は、単にフリーライドを違法としているのではなく、GLNET+のビジネスが、楽譜の模倣以外の点で、フェアリー社に対する営業妨害になる不法なものとも判示している妥当な判決かもしれません。早く判決を見てみたいものです。

出版者の権利についての諸問題が、上野さんの出版社と隣接権制度にまとめられていて興味深いです。

また、古典のテキストデータ化についてまとめられているものがありました。採譜にも繋がる問題とも思いますが、権利化されないことが古典のテキストデータを阻んでいるというよりもニーズが低いことが一番の原因とも思えます。採譜はコピーバンドが以前から行っていたことですが、採譜されたバンドスコアは、著作権の問題で無断で配布できないことから、コピーバンドで秘蔵されることが多かったと思えます。

フェアリー社は、JASRACから非独占的な利用許諾を得ていたと思われますが、JASRACは、バンド音楽のそれぞれのパート全部の、二次的著作物を含む著作権の信託を受けていたのでしょうか。JASRACのサイトを検索すると、例えば、ZARD揺れる想いでは、作曲者の織田哲郎がでてくるだけで、編曲者の明石昌夫はでてきません。

バンド音楽のパート部分を編曲者が作成することもあるだろうし、個々のパートの演奏者が、創意工夫により演奏者自身の思想や感情を込めてパート部分を表現して完成することもあるだろうから、そのようなときに、それぞれのパートも著作権の保護の対象となると思われます。フェアリー社は、スコアのそれぞれのパート部分について、編曲者やオリジナルのバンド音楽の演奏者から、利用許諾を得ていたのでしょうか。

なお、小倉秀夫さんは、主旋律に伴奏のパートを付すアレンジは著作権上の編曲には当たらないという考えのようですが、音楽関係の判決例をみると、そうでもないようです。

これには、JASRACでの取り扱いについて、「実務上は、編集者の権利は買い取り(レコード会社がギャラを支払って権利を買い取ってるケースが多い)になっている」とあります。ZARD揺れる想いでは、ビー企画室が編集著作権をもっていて、これをJASRACに信託しているようです。そうすると、JASRACが楽譜の出版まで管理している曲に関しては、フェアリー社もGLNET+も、パート部分も含めての著作権利用許諾を得ていたようです。

ただ、JASRACが楽譜の出版を管理していない曲が含まれていたか、含まれている場合に著作権者に許諾を得ていたかまでは不明です。

JASRAC著作権を信託するときに、管理委託範囲を選べるようで、また、管理委託範囲は年に1度変更できるようです。

フェアリー社は、著作権者に、楽譜の出版に関しては、JASRACへ信託しないようにしてもらって、著作権者から楽譜の出版の独占的な利用許諾を得ていれば、このような争いを未然に防げたものです。

また、このような手間をかけないでも、フェアリー社がバンドスコアを販売するときの条件として、複製や二次利用を禁じるような契約を付しておくような方法もあったのかもしれませんが、独自に耳コピした楽譜の公開を防げないし、フェアリー社はそのようなこともしていなかったようです。

耳コピの成果物を保護する手段があるにもかかわらず、それをしていないフェアリー社が勝訴したのは非常に不思議に思います。

GLNET+のビジネスに問題があると感じる人も多くいると思います。著作権の切れた書籍のデータを無償提供する青空文庫のようなサイトや、楽譜では海外のサイトIMSLPがあります。GLNET+は、これに対して著作権がある楽曲の楽譜を無償で提供しています。GLNET+は、JASRAC著作権の対価を支払って、閲覧による広告料収入を得ることでペイしているようです。GLNET+が、価値のある楽譜を無料で公開している点が一番の問題点かと思います。商品なら不当廉売になり、独占禁止法違反になるでしょうが、情報はいったん公開されると、誰もが自由に利用可能になる点が基本的に相違しているのでしょうか。知的財産であれば、保護するための特許法著作権法などが定められていますが、労力や費用をかけさえすれば得られる情報は価値があっても保護する法はないようです。耳コピも、音楽の知識と音感があれば、知的な創作力がなくてもできることだから、これを直接保護する法はありません。

フェアリー社が有償で楽譜を販売しているのに対抗して、本来有償とすべき楽譜をネットで無償で公開するのは、例えば、ボランティアが取れ過ぎて廃棄される野菜を八百屋の目の前で無償配布しているようなもので、自由競争の範囲を逸脱する不法行為と見ることができるかもしれません。しかし判決では、「無断で模倣する行為が許されれば、楽譜を制作する動機が大きく損なわれ、「音楽文化の発展を阻害しかねない」とし、制作者の労力にフリーライド(ただ乗り)する行為だ」としたようですが、音楽の常識に疎い裁判体の判断と思います。また、音楽文化の発展は、文科省がもっぱら検討することであり、司法が音楽文化の発展のために法律の判断を左右して良いわけがありません。

コピーバンドは、フェアリー社の楽譜がなくとも、自前で耳コピしてパート譜を作成し、演奏をしていたものです。フェアリー社の楽譜ができても、完成度が高くないようで、さらに耳コピしてより完成させて用いたりもしていたようです。フェアリー社の楽譜によって音楽文化の発展があったのでしょうか、はなはだ疑問です。

www.yomiuri.co.jp

というニュースがありました。バンド音楽を耳コピして作成したバンドスコアを販売していたフェアリー社が、バンドスコアをサイトに公開していた運営会社を訴えた事件で、フェアリー社が勝訴したとのことです。

フェアリー社は、著作権によって勝訴したのではないようで、独占的な利用許諾契約を結んでいなかったようです。バンド音楽の非独占的な利用許諾しかないのに、訴えが認められるというのはいかがなものでしょうか。確定するまで判決が公開されないのか、最高裁のホームページでは、まだ判決が公開されていませんが、労力にただ乗りすることが不法行為になるという理由付けが見てみたいものです。

ニュースによると、判決は「無断で模倣する行為が許されれば、楽譜を制作する動機が大きく損なわれ、「音楽文化の発展を阻害しかねない」と踏み込んだ」そうですが、フェアリー社が、バンドスコアについて独占的な利用許諾契約を結んでいれば、模倣を防げたのだから、手抜きをして非独占的な利用許諾契約しか結んでいないフェアリー社を勝たせなければならない理由付けには全くなっていません。

完全な耳コピは、相当に困難なことと思われ、フェアリー社のバンドスコアには、オリジナルのバンド音楽とは異なっている部分があると思われます。

オリジナルのバンド音楽をもとに、それとは異なる音楽を制作したということは、著作物が同一ではなくなるということだから、著作者と耳コピしたパート部分の編曲者から著作者人格権の許諾を得る必要があると思います。フェアリー社は許諾を得ていたのでしょうか。JASRACから著作権の許諾を得ているだけでは著作者人格権の許諾を得たことにはなりません。

オリジナルのバンド音楽と異なる部分について、著作物性が認められれば編曲についての著作権が発生します。オリジナルのバンド音楽と異なる部分まで模倣され、サイトに公開されていれば、編曲による著作権違反に問えるでしょうが、誤って耳コピした部分に創作性はないので、著作物性が認められないでしょう。

事件は上告されたようで、最高裁の判断が見ものです。

ボランティア活動を行い、実費や交通費、さらにはそれ以上の礼金を得る活動を「有償ボランティア」と呼ぶことがある。労働に見合った対価より礼金が少なくなるので、労働者が適用される労働基準法最低賃金法の適用を受けない。

これを悪用して、有償ボランティアを隠れ蓑として安い賃金で労働者をはたらかせることが行われている。ブラック企業でのことかと思えば、地方自治体でも行われている(堺市の例)。以下、これを「有償ボランティアもどき」と呼ぶ。

総務省会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)のQAの問1-10 の回答に、「あくまで協力依頼を受けて行うようなボランティア活動に従事する者を地方公務員として任用する必要はないが、会計年度任用職員等として行うべき事務に該当する場合には、その実態に応じて任用することが適当である。」とあるように、有償ボランティアとして業務を委嘱するのは、あくまでもボランティア活動であることが前提である。堺市のように職員として採用せず、有償ボランティアもどきとすることは、労働基準法などとともに地方公務員法にも違反することになるだろう。

世田谷区議会の令和元年9月決算特別委員会会議録第二号に、中村政策経営部長の答弁として、「「往古来今」の話でいえば、この刊行に当たっては、専門部会を設けて、各委員には、その分野の執筆を依頼して、記念誌に掲載することを前提に、委員の委嘱をして、執筆料を含む報償費を払っているところです。なので、その委員の執筆していただいたものは記念誌には載せることはできると考えています。」とある。給与ではなく報償費とあるので、専門委員を特別職非常勤職員ではなく、私人として委嘱されていたようだ。谷口さんは源泉額(3%)が引かれていたそうだが、所得税基本通達28―7に従って報償費が給与として扱われたようだ。

世田谷区は有償ボランティアもどきとして専門委員を委嘱していたようだ。

谷口さんは、ボランティアとして委員になることを説明され、勤務場所や勤務時間を定められるなど指揮監督されることもなく、自由に調査や執筆をしたというのだろうか。

委員として委嘱されたら、普通なら職務専念義務や守秘義務が課されていると思うが、そのような義務はないことを説明したのだろうか。説明しないで委嘱することは欺瞞である。

委員として集めた古文書などの資料は、有償ボランティアもどきなら委員個人が所有者になるし、撮影した写真や執筆した原稿の著作権も、委員個人にある。

「世田谷往古来今」の発行の段階では、各委員から著作権の譲渡または使用許諾の契約をしていないので、著作権法違反だったようだ。有償ボランティアもどきとしての報償金を支払っていただけで、著作権使用許諾に見合った対価を含むとは到底言えないので、著作権の使用許諾の暗黙の了解があったとは言えないだろう。

谷口さん以外の委員との著作権譲渡契約は過去の著作物の著作権も含んでいるのだろうか。承諾書には過去のものも含まれていないようにも見える。少なくとも区は谷口さんから著作権の譲渡も使用許諾も得ていない。今からでも谷口さんに対価を支払って、著作権の使用許諾をしてもらう必要がある。

谷口さん以外の委員との著作権譲渡契約には、見合った対価の支払いは含まれていたのだろうか。含まれていないとすると独占禁止法の優越的地位の濫用になるだろうし、公序良俗にも反する。

東京都労働委員会は、谷口さんの勤務実態により労働者性を検討していくことになるだろう。

本来、特別職非常勤職員として委嘱されるべきもので、当然に労働者として扱われるべきとされるかもしれない。

労働者性があるとなれば職務著作の問題が生じてくる。

谷口さんは、特別職非常勤職員として世田谷区に雇用されていたのではなく、有償ボランティアとして業務を委嘱されていたようです。特別職非常勤職員ではないかと思ってまとめていたので、そのうちにまとめ直そうと思っています。

学識経験者の専門家を有償ボランティアとして委嘱するなんて失礼極まりないと思いますが、問題点の検討がもう少し必要になりました。

■2017年6月1日付で、谷口さんに区史編さん委員委嘱状。

2022年4月になって4つの世田谷区〇〇史編さん委員会設置要綱が定められている。2017年の編さん委員会も要項で設置されていたのだろう。区史の編さんには調査業務を伴い、付属機関として条例で編さん委員会を設置しないと違法になるようだ。2020年4月に施行された地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律(平成2 9 年法律第 2 9 号)に伴い、多くの自治体で要綱設置委員会の整理がなされたようだが、編さん委員会を条例で設置しなおすことなく、違法なまま放置したようだ参考1参考2参考3。委員会が違法との理由で、委員会における区史編さんを停止させる仮処分の申請をすれば、認められるかもしれない。

世田谷区中世史編さん委員会設置要綱では、区長が委嘱する12人以内の委員及び専門委員で組織するとある。委員とは常勤の職員(学芸員など)から選ばれ、専門委員は地方自治法174条に定められる専門委員と思われる。ネットをみても、何人かの委員の肩書が「世田谷区〇〇史編さん委員会専門委員」となっている。谷口さんも専門委員として非常勤だったようだ。世田谷区の規則で専門委員の任期は1年以内となっているが、谷口さんの任期、区史編さんが終了する日が属する年度末までというのは矛盾する。要綱の内容も条令違反のようだ。平成26年総務省通知で、専門委員のような特別職非常勤職員の任期は原則1年以内と考えられるとされているのにも反する。

一方、専門委員というのは名ばかりで、私人として参考資料にある有償ボランティア扱いで委嘱されていた可能性もある。資料にあるように、「有償ボランティア」 は任意の協力を求めるものに過ぎず、 当該私人は地方公共団体に対していかなる契約上の責任や義務を負 うことはないようで、著作者人格権の不行使を求めたということは、有償ボランティアではなく特別職非常勤職員なのかもしれない。

有償ボランティアに自治体史編さんを依頼している自治体は、他にもあるようだ。本来地方公務員法第3条第3項第3号の特別職非常勤職員に行わせるか、外部に委託して契約条件を明確にして行わせるべき業務を、任意の協力を求めるに過ぎない有償ボランティアに行わせることは地方公務員法に違反するのではと思える。

谷口さんは源泉額(3%)が引かれていたそうだが、所得税基本通達28―7に従って報償費が給与として扱われたようだ。

非常勤としてでも区史編さんのために雇用されていたとすると、そのときの著作物は職務著作になり、世田谷区が著作者とみなされ、谷口さんには、著作権著作者人格権もなくなるが、世田谷区も谷口さんも職務著作の知識がなかったようで、谷口さんは著作権著作者人格権も自分にあるものと認識していたようだ。一方、世田谷区は著作権法の知識がまったく欠けていたのかもしれない。

なお、職務著作となるには要件があり、「法人の著作名義の下に公表するものであること」も要件となるが、諸説あるようだ。「著者 世田谷区」のような例を示しているものもあるが、世田谷区は著作者とみなされているだけで、現実の著者ではないので、違和感を持つ。「著作名義 世田谷区」、「著作権者 世田谷区」、「この区史の著作権は、世田谷区に帰属します」などと裏付けに書いておくのが良いのかもしれない。「編集 世田谷区」としか書かず、著作名義が世田谷区であることが書いてないと職務著作にならないというのが主流のようで、そのときは谷口さんが著作者になるようだ。

また、最高裁判決(RGBアドベンチャー事件)で、「法人等と雇用関係にある者がこれに当たることは明らかであるが、雇用関係の存否が争われた場合には、同項の『法人等の業務に従事する者』に当たるか否かは、法人等と著作物を作成した者との関係を実質的にみたときに、法人等の指揮監督下において労務を提供するという実態にあり、法人等がその者に対して支払う金銭が労務提供の対価であると評価できるかどうかを、業務態様、指揮監督の有無、対価の額及び支払方法等に関する具体的事情を総合的に考慮して、判断すべきものと解するのが相当である。」とあり、これを誤解して指揮監督下にあることが必要としているサイトもあるが、指揮監督下にある必要性は、雇用関係の存否が争われた場合の判断について述べているのであって、谷口さんのように、世田谷区に特別職非常勤職員として雇用されている場合は、「法人等の業務に従事する者」に当たることになる。

■2017年に、冊子「世田谷往古来今」を作成するときに、800か所の無断改ざんがあり、谷口さんは区職員に抗議をしたところ、「馬鹿野郎、ふざけんな」と怒鳴られ、パワハラとして相談しようとしたそうだ。

区史編さん委員には記念誌編さんも委嘱されていたようで、谷口さんも「往古来今」の刊行自体は問題としていない。
朝日新聞デジタルでは、「区は「本人とやり取りした上で修正しており、無断ではない」と取材に説明」とある。「世田谷往古来今」の作成のときに修正があるかもしれないことを暗に伝えたつもりだったのかもしれないが、そのようには谷口さんには伝わっていなかったようだ。

谷口さんは、どのように抗議したのだろうか。800か所の無断改ざんの問題点を区職員に丁寧に説明したのだろうか。区職員が著作者人格権の点で問題があると理解すれば怒鳴ることもないと思えるが。もちろん、区職員が怒鳴るのは言語道断である。

「世田谷往古来今」は、NDLによると「世田谷区政策経営部政策企画課区史編さん 編」となっていて、著作権者が世田谷区であることが明記されていないようだ。そうすると職務著作の要件を満たさず、谷口さんに著作者人格権がある。

800か所の無断改ざんは、その後どうなったのだろうか。不当な変更なら、著作者人格権を根拠に前のものに戻すように主張することができたのに、抗議したとあるだけで、抗議した内容が改訂版に反映されたとはされていない。改悪といえるような不当な変更はなかったのだろう。

■2019年4月、区は「デジタルミュージアム」を開設し、「世田谷往古来今」の資料や文章を掲載したところ、8月23日に出典元を追加、家系図を差し替えた。

10月の区議会で指摘を受け、区はサイト全体を閉鎖。
デジタルミュージアムへの掲載については、谷口さんやほかの委員の了解を得なかったようだ。

掲載された内容が著作物性があり、著作権を侵害するものかの検討は行われた形跡はない。著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」でなくてはならない。家系図に著作物性があるかどうかは議論になるところ。親子関係の事実の発見だけでは著作物性が認められないかもしれない。

■2022年3月、区史編さん委員会の改変が行われ、同時に委員委嘱の任期についても、当初の「区史編纂が終了するまで」から「1年ごと」に変更された。
2022年9月末著作権譲渡に関する契約書案が区史編さん委員会に提案される⇒10月谷口さん組合(出版ネッツ)加入⇒11月より再三にわたり団体交渉の申し入れ(区側はこれを拒否)⇒2023年2月10日付で区は、著作権譲渡契約書(著作者人格権不行使を含む)と承諾書を送り付け、これにサインしなければ次年度の委員委嘱をしないし執筆もさせないと通告⇒組合、協議を申し入れ⇒2月28日著作権についての話し合い(組合、継続協議を要請)⇒3月6日区から協議を打ち切るとのメールが届く⇒組合、協議の続行を申し入れ⇒3月31日谷口さんの委員委嘱打ち切り。

区史編さん委員会の改変の理由として、区は「組織の効率化」を挙げたそうだ。4つに分けたことにより連携がとれ難くなり、かえって非効率になるもので、こじつけにしかすぎないように思える。編さん委員に著作権譲渡契約を結ばせるために委員の任期を短縮するのが主な目的だったと思える。

任期の変更し、著作権に見合った対価を支払わず、無償譲渡を求めるような不利な条件を課すことは独占禁止法の優越的地位の濫⽤になるだろう。

また、職務著作であるとすると、著作権を持たない谷口さんから著作権譲渡を求めるという無意味な理由で委員委嘱打ち切るということにもなり、これも優越的地位の濫⽤になるかもしれない。

■2023年4月14日、出版ネッツは世田谷区を相手取って、東京都労働委員会に不当労働行為救済の申し立てを行う。
〇谷口さんへの委員委嘱解除をなかったものとして扱い、2023年度以降も委嘱を継続すること
〇委員の委嘱、著作権の取り扱いを議題とする団体交渉に応じること ほか

■2024年4月8日東京都労働委員会の第6回調査で、前回(2月29日)に都労委が示した和解案を、世田谷区が全否定してきたために和解は決裂。
都労委和解案は、①著作権著作者人格権の尊重、②ハラスメント防止対応、③本件申し立てがなされた経緯についての遺憾の意(要旨)の3項目。

和解案から見て、都労委は、労働者ではなく門前払いする事案ではなく、労働者であり、審理しなければならない事案と考えているよう。また、①著作権著作者人格権の尊重ということは、職務著作について知らないか、知っていても両社から主張がないので職務著作にはあたらないことにしておこうと考えているよう。

■2024年5月30日、東京都労働委員会で第7回調査。

争点整理、①区史編さん委員会委員は「労働組合法上の労働者」に当たるか、②谷口さんを委員に委嘱しなかったことは不利益取り扱いに当たるか、③組合の団交申し入れに応じなかった区の対応は、正当な理由のない団交拒否にあたるか、の3点。

■今後の東京都労働委員会

7月末までに区は準備書面を提出することになっているそうだ。

争点①について、谷口さんを管理などしていで、実質上、労働者として扱っていなかった旨の主張はあるかもしれないが、実際に特別職非常勤として雇用していれば、東京都労働委員会は労働者と認めるのではないか。特別職には、労働関係法の適用を制限する地方公務員法58条が適用されないため、特別職のうち「労働者」に該当する職員には、原則どおり、労働組合法、労働関係調整法最低賃金法、労働基準法が全面的に適用される。

もし、有償ボランティアとして委嘱されていて、労働者として認められなければ、門前払いとなるだろう。

労働者であれば、職務著作の要件を満たせば、職務で作成した著作物の著作者は区になり、谷口さんには著作権著作者人格権もないことになる。谷口さんにはない著作者人格権の不行使の契約を求めることは意味のないことになるが、区も谷口さんも、谷口さんに著作権著作者人格権もあるとしていた。

世田谷区のホームページの区長へのメールから、谷口さんが労働者なら職務著作になることを知らせておいたので、区も職務著作になるかもしれないと認識していると思われる。区がどのような主張をするか興味深いところである。

東京都労働委員会は、職務著作になり、谷口さんに著作権著作者人格権もないが、それでも委嘱を求めるかを確認し、谷口さんの希望に沿うように進めていくのではないかと思う。

谷口さんに編さん委員を委嘱した時、世田谷区は職務著作により世田谷区が著作者とみなされることに全く気付いていなかったと思われる。谷口さんの職務としての著作物の著作者として世田谷区がみなされることを、世田谷区は黙示的に放棄して委嘱していたと解釈し、谷口さんが著作者人格権を持ったままの委嘱をするように東京都労働委員会が判断することも考えられるがハードルは高そうだ。

■感想

問題の発端の800か所の無断改ざんの点で、区職員が修正するに当たり、原稿を書いた人に修正案を示して意見を聞くことは普通なら当然に行うことで、区の職員が独断で修正をしたことは、著作権法どうこう以前の問題で、仕事の進め方が下手だったのだと思う。

そして、問題が生じれば、よく話し合い、お互いに問題点を理解して解決する方向を見出していくという、当たり前のことが両者ともに出来ていないことが、この問題をさらにこじれさせたようだ。

谷口さんも世田谷区も、著作権法についての理解度がきわめて低レベルだったことも問題を複雑化し混乱させた原因である。7月24日に著作権の勉強会があったようだが、谷口さんが著作者人格権で守らなければならないとしている対象と著作権法で保護されるべきものとのズレについて、少しは理解が進んだのだろうか。

著作者人格権の行使を認めていると、区史の執筆者が誤った独自の説に固執して修正に応じなくて困ったことになることが考えられる。逆に、著作者人格権の非行使を認めると、執筆者の正しい内容を、誤った独自の説を持った区職員が誤った方向に書きなおして発表するという事態が考えられる。

いずれも問題だが、世田谷区が世田谷区民の税金を使って区史を作るのだから、前者を排除しておこうとすることは、特段に不当なこととは思わない。ただし、800か所もの修正が問題がある改ざんを含むものなら、別だが。

また、区職員である学芸員が執筆した部分は、職務著作になり、学芸員著作権著作者人格権も有さないことになる。これが不当なこととはされていないことから、外部の人が執筆した時も同じ条件とすることも、不当なこととは言えない。実際、多くの契約で著作権の無償譲渡と著作者人格権の不行使を求めることが行われている。

谷口さんは世田谷区が著作者人格権の不行使を求めることが問題としている。不行使特約が無効との説もあるが、裁判例では不行使特約自体を無効とする解釈はされてはいないので、下級審では不行使を求めること自体は問題とはされないだろう。地方自治体史に限って別の判断がなされるわけもなく、著作者人格権の不行使の問題は最高裁まで争う覚悟が必要だろう。

いずれにせよ、著作者人格権を行使しなくても、区職員と執筆者がきちんと話し合って区史を作成していけば、普通はよい区史が出来ていくもので、多くの委員が著作者人格権の不行使に同意しているのも、著作者人格権の不行使が大した問題ではないことを理解されているからではないだろうか。

■最後に

世田谷区が理由もなく任期を短縮し、無償で著作権の譲渡を求めたことは不当なことで、谷口さんは委嘱されなかったことにより得られなかった報酬と慰謝料を民事訴訟で請求できるのではないかと思う。

ただし、谷口さんが特別職非常勤として雇用されていたとすると、職務著作となって、谷口さんに必ず著作権があるわけではない。そのことに気づかなかったことは谷口さんの過失になり、谷口さんの著作権があるとしての言動が、谷口さんの委嘱されなかった原因の一部にはなるだろうから、全面的に訴訟に勝てるわけではないだろう。

時間切れも含め、谷口さんが願う方向での解決は困難と思える。世田谷区史の出版後に、谷口さんが「世田谷史・中世編-間違いだらけの世田谷区史-」などというタイトルの書籍の出版などされたら喜ぶ世田谷区民も多いのではと思える。