ICT教育推進研究所の研究室 (original) (raw)

こんにちは。ぐうぽんです。

国語でICT活用と題して、タブレットの活用方法について色々検討を重ねてきました。
そして前回、懸案だった「書く」活動のタブレット活用について、一つの見解が見えたところまでお伝えしました。

ict-edulab.hatenablog.com

今回は検証作業とその結果、まとめになります。

検証してみました

検証内容をおさらいします。使用環境はChromebookGoogle for Educationです。

1.撮影したワークシート画像をクラスルームで提出できるか
2.提出された画像にコメント等の書き込みができるか
3.返却された画像にコメント等が反映されているか

検証その1 撮影した画像をクラスルームに貼り付け、提出できるか

先生役で課題を作成・配布し、生徒役で受け取ります。

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課題を受け取ったら、撮影したワークシート画像を添付します。
添付ファイルの中からドライブもしくはファイルを選びます。

画像3

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添付できました。

画像4

画像を付けた状態で提出ボタンを押すと・・

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できました!

検証その2 提出された画像にコメント等の書き込みができるか

今度は紙媒体のワークシート上に赤ペンでコメントを書くような事が、クラスルームでもできるか検証しました。

画像

生徒役から送られた画像を開くと、コメントボタンがありますので

ポチッ。

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範囲選択してキーボードからコメント書き込みができました。

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返却ボタンを押して返却もできました。

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おお、ここまでかなり順調!いいぞいいぞ。

検証その3 返却された画像にコメント等が反映されているか

ここで問題発生!

返却された画像を生徒役で受け取り開いてみると、書いたはずのコメントが入っていないのです。

画像10

画像に入れたコメントが見えない問題

色々操作するものの解決できなかったのでネットで調べたらYou Tubeで解決策を発見しました。

youtu.be

どうやら新しいウィンドウで開かないとコメントが見られない仕様と分かりました。

画像11

画像12

出ました!!!解決!!!!

最後の振り返りはワークシートのままでも良いですし、別途スプレッドシートに入力しても良いと思います。

今後どう運用するかをもう少し考えたいと思います。
スプレッドシートにすると、意見を全員に共有できるので個人的にはやってみたいですね)

ICT活用はアイデアと失敗でできている

結果をまとめます。

1.撮影したワークシート画像をクラスルームで提出できるか→OK
2.提出された画像にコメント等の書き込みができるか→OK
3.返却された画像にコメント等が反映されているか→OK

国語でもタブレットでの運用はできそうと分かりました。
そうなると、授業の流れも評価もタブレット一つで全部できそうなので、作業効率も上がるし、手荷物も減るし(笑)かなり楽になりそうです。

もちろんワークシートによる活動だけでなく、カードやプレゼンテーションなどの制作物(パフォーマンス)等もスライドやドキュメントで作ってクラスルームへ提出すれば、先生は確認作業を画面一つで行えますし、子どもたちは画面を通して進捗を確認できるので、まるで会社で行われている「プロジェクト」のような活動を体験できるのです。

つまり全ては「アイデア次第」であり、教科による「使えない」という認識は申し訳ありませんが思い込みだと思います。

まだ1対1だけの確認ですので机上の空論状態ですが、2学期での実施に向けて準備を着々と進めていくつもりです。

【関連記事】

「国語でICT」を実現するために色々考察しています。

国語でICT活用①アナログ運用は課題満載 - ICT教育推進研究所の研究室

国語でICT活用②「話す・聞く」活動をタブレットで - ICT教育推進研究所の研究室

国語でICT活用③「書く」活動をタブレットで実現させよう(前編) - ICT教育推進研究所の研究室

こんにちは。ぐうぽんです。

2学期が始まったところもありますが、夏休みもそろそろ終わり。

これは過去事例ですが、2学期トップに行うところが多い光村図書4年国語「パンフレットを読もう」を3つの学校で実践してみての感想を書きます。

基本PowerPointを使っての指導なのですが、珍しく拡大印刷物も使ってみました。

1校目

1校目なので指導書に則って進めました。

加えて手元にパンフレットがあったほうがいいと思い、自分がかつてNew Education Expoでもらった各社のパンフレットをグループごとに配って教科書と合わせて見てもらいました。

1時間目で見出しや絵、文章など、パンフレットの基本形を理解し、2時間目で深く読み取らせました。

最後のパンフレットの工夫については、板書のように「いろいろな年齢の人が読むことを考えている」「工場のしくみを知ってもらうため」等の意見が出ました。

2校目

2校目でも1校目と同様のスタイルで進めました。

最後の工夫では「相手の立場を考えて作っている」「多くの人に来てもらうために作られている」という意見でまとまりました。

3校目

3校目になると、私自身もパターンができてきたのでスムーズに進みました。展開は過去2校と同様で行いました。

余裕も出てきたのか、色分けができたり見出しや絵のみならず、しくみや特徴がわかる部分も拡大印刷に書き込めたりしました。

パンフレットの工夫では「すぐ見てもわかりやすい構造」「子ども向けにしているから短い文にしている」点に着目しました。

ただ、このクラスはふりがなをつけている点に誰も気づけていなかったのでこちらで説明しました。


3校で共通認識できたのは、絵だけでは伝わりにくいし、文章だけでも読みづらい点でした。

また最初教科書の設問では理解が難しく、戸惑っていましたので、「パンフレットで一番大きな字はどれかな?」「どうしてこんな大きな字にしているの?」など、こちらで考えを引き出すような発問を行いました。

この授業をきっかけにパンフレットを作ってみたい声もあがったので、総合などで学びを活かせたらいいなと感じました。

こんにちは。ぐうぽんです。

2024年度、1学期最後の授業は、ちょっとしたチャレンジをしてみました。

題材は光村図書4年国語「つなぎ言葉」です。

一筋縄でいかない児童たち

始まりは担任の先生からでした。

「ぐうぽん先生、次の授業なんだけど国語でいいですか?」
「はい。何をやりますか?」
「実はつなぎ言葉だけが終わってなくて・・」
「・・・(あれか)。 了承しました」

そう言われ、色々考えていた数日後

「ぐうぽん先生、すまないけど授業を移動してもらえます?」
「はい、いいですよ」
「今度の移動教室に行くことになって、曜日を変えたいんですよ」
「・・・(そう来たか!)。・・大丈夫ですよ」

基本、この学年の授業は一人では行えず、担任の先生や支援員さんなど複数で賄っている状態です。

プリントや問題等に長くは取り組めず、飽きると騒いだり立ち歩いたりする児童が多いのが特徴です。

この授業も担任の先生がいてくれる、と思っていただけに、(一人でやるのか・・)という不安と、どうやってこの子たちが集中して取り組んでくれるだろうか・・という不安が襲います。

いよいよ授業が差し迫ってきたときに、あのアプリと出会いました。

授業の展開で悩み悩んで・・

Kahoot!(カフート)というアプリを使った授業を見る機会がありました。

クイズ形式で面白かったので、国語でもできないか?と思い、早速授業をした先生に相談すると、検索すれば色々出てくるとの情報をいただいたので検索してみたら、つなぎ言葉のクイズがいくつか出てきました。

(よし、まずはこれを使おう)

しかし、これだけではなんだかつまらない。もう一つなにかできないだろうか・・

あの子達はiPadで問題を解くだけだと手応えも一瞬で飽きちゃうだろうから、飽きさせない、少し歯ごたえのあるもの・・・

!!!

そこでひらめいたのが「問題を作らせる」でした。

浮かんだ授業計画を軽くメモし、流れを作ってみました。

クイズ入力画面はGoogleフォームで

問題づくりをするとは言え、どうすれば、と困っていたら、ネットでGoogleフォームを利用して、Kahoot!に問題を組み入れることができる手段を知りました。

1.Googleフォームで入力画面を構築
2.回答をスプレッドシートに紐づける
3.問題作成後、紐づけたスプレッドシートを開く
4.Kahoot!のテンプレートから、タイトル部分をスプレッドシートに貼り付ける
5.Excel形式でダウンロードする
6.ダウンロードしたファイルをKahoot!にインポート
7.完了が出たら保存し、クイズを実行

要は、Googleフォームに問題を登録、送信するとスプレッドシートに結果がまとまり、その結果をKahoot!側に入れることで問題を作ることができる仕組みのようです。

児童たちはフォーマットに従って入力するだけ。こちらは出てきた結果をKahoot!に入れて、クイズを実行するだけ。

と、説明だけなら簡単なのですが、構築で気をつけなければならない点がいくつかありましたので紹介します。

①数字は半角で

1つ目は数字です。答えを選ぶ数字を全角で登録したら、Kahoot!側でエラーになってしまいました。設定する数字は半角にしておきましょう。

スプレッドシートからKahoot!連携は素早く

2つ目は連携です。ここは細心の注意を払いました。

児童から送信される問題をまとめるスプレッドシートに、Kahoot!のテンプレートのタイトルを貼り付けてExcel形式に落としてKahoot!に組み込む作業はスピードが重要です。

なので、あらかじめKahoot!からテンプレートをダウンロードしておくと、スプレッドシートを開いたらすぐタイトルを貼り替えられるので、時間短縮できると思います。

ここでのタイムロスは児童を待たせることになるので最小限にとどめておきたいところですね。

他にも、アカウントの権限制限でPCでKahoot!が操作できるまでに数日要したり、手順の理解に苦しんだりしましたが、こうして一応準備は整い、勝負の2時間を待ちました。

授業実践については後編で。

今日は5年書写(学校図書)「消しゴムはんこを作ろう」の授業をご紹介します。

めあて

消しゴムはんこを作ろう

概要

毛筆書写作品に押印する「消しゴムはんこ」を作ります。

適宜実施単元のため実施時期は決まっていませんが、毛筆書写が始まる前が適しています。

必要なもの

・消しゴム(代用品:油粘土または発泡トレー) ・彫刻刀またはカッターナイフ(代用品:鉛筆削りで削った割り箸または竹ぐし) ・下書き用トレーシングペーパー

授業の流れ

導入(10分)
消しゴムはんこを作る目的と学習活動を伝える。

展開(30分)

消しゴム、1個分に切り分けたトレーシングペーパーを配布。

トレーシングペーパー上に彫りたい文字を鉛筆で濃く記入し、消しゴムに押し付ける。
ここで必ず鏡文字になっているか確認し、問題なければ彫りに進ませる。

消しゴムに文字を写します

押し付けて写った文字を鉛筆やなまえペンで濃くし、細く削った割り箸で彫る。

写し取った文字を彫ります

出来上がったはんこに朱肉を付けて試し押しをし、問題なければ提出。

まとめ(5分)
片付け

実践後記

制作時間20分ほどで完成していました。
最初は「どうやるの?」「できるの?」と不安そうな様子でしたが、実際始めると質問も減り黙々と取り組めていました。
朱肉を付けて紙に判を押すと、達成感を感じて嬉しそうにしていました。今度は家でも作りたいと言ってくれた児童もいました。

ICTを使うなら
手順説明で、書画カメラを使うと手元を大きく写せるので作業手順をより分かりやすく伝えられます。

時間が余ったら漢字のプリント等を用意し、取り組ませると良いです。

こんにちは。ぐうぽんです。

先日の6年国語では「言葉の変化」について指導しました。

時代によって変わった言葉、世代によって言い方が違う言葉にスポットを当て、使う上では時代、世代間の齟齬を理解するなどの注意が必要というものです。

小学校に限らずですが、授業というのは講義型が多いです。

まあ知識を教授しないとそれをヒントに思考、判断することもできないので仕方ないですが、そんな授業ばかりでは飽きてしまいます。

学びの主役は児童ですので、自分たちで知識を探させて学んだ方が楽しいと思うんです。

そこで今回は、ネットを使って変化した言葉たちを探してきてね、と称していろいろ見つけてもらうように仕掛けました。

サイトの下調べ

児童にネットを使って調べさせる場合、サイトの下調べは大変重要です。

大人と違い児童はネットの扱いが未熟です。

何もせず「探してこい」と投げてしまうと、児童が変なページに行ってしまったり、サイトに辿り着けなかったりと結果が伴わない危険性があります。

そうならないために、前もって使えそうなサイトは調べておきましょう。

総合のように本格的な調べ学習なら児童に検索ワードも考えさせますが、今回は情報収集がメインなので、ここでは使えると判断した検索ワードを提示し、そこから調べてもらうようにしました。

授業をやってみて

掴みとして、「エモい」「ヤバい」といった言葉を例に出して普段使っている言葉に注目させ、ネットで調べその結果を発表してもらいました。

板書はせず、ワークシートを書画カメラで投影しました。

時代での変化は「古典 現代 言葉」をキーワードに以下のサイトを利用しました。

https://manapedia.jp/text/350

言葉の意味が少し変わったものもあれば、正反対になったものもあり、その変化に驚いていました。

続いて世代による変化も「世代 言葉 変化」で探してもらいました。

まずはこのサイトでクイズ大会しました。

検索はここを使いました。

私の親世代が普通に使っていた「コール天」「魔法瓶」も今や死語。
(一部児童には「かっこいい」と刺さったようですが)
本当に言葉は巡り巡っているんだな、と感じました。

学びは調べて終わりではない

今日の授業は、正直言えば調べて終わりに近い形ですが、本来の目的は調べることではありません。

調べる中で、かつて使われていた言葉や、今も使われ続けている言葉の裏側には時代や世代といった人や時間の流れがあったという知識の面、そして言葉は今も変化していることへの気づきを持たせることでした。

どんな教科でも言えますが、調べて出てきた言葉を書くだけなら簡単です。

でも本当の学びとは、調べて知識を得たら、自らの知識と比較したり照合したりして考えを深め、新たな概念を生み出すことだと思うのです。

授業は知識教授型から、課題解決型へ

私は大学で卒論執筆の際、世界の教育スタイルを調べました。

そこで世界の授業の多くは生徒に課題を与えてその答えをAIやパソコン等を用いて見つけ出す授業だと知り、愕然とした記憶があります。

今の日本も少しずつですがそういったスタイルを取り入れつつありますが、指導の効率化を考えると、一斉教授を主とした方が統率が取れますし、教師の予想内に収まるので指導トラブルは起きにくい。だからそう簡単には変われないように感じます。

しかし社会に出ると、そんな手のひらの上で踊るような範囲内で物事が解決できる訳がありません。

目の前に起きた課題について、ネットで調べたり知見を活かしたりして解決を目指すものです。

だから学校教育も、そうした社会のベースに則った「課題解決型」授業をもっともっと取り入れ、やり方に慣れていく必要があると思うのです。

まとめ

教師の役割も、この十数年で「教える」から「支援する」に変わりつつあります。
それは見方によっては「教えないなんておかしい」「教育の怠慢」「投げやり」と捉えられるかもしれません。

しかしいつまでも手取り足取り教える、答えは教師が持っているという教育は良くないと感じます。

常に答えを教師に求めるような児童生徒の育成は好ましくありません。
それでは指示待ち人間になってしまいます。

自ら考え、判断し、下した決定を教師が判断したりアドバイスしたりするほうがよっぽど自立につながりますし、自己肯定感が育ちます。

私は課題解決型の延長こそ研究だと思っています。

こうした自らテーマを決め、資料を集め答えを出す活動が、総合だけでなく教科単元でも増えるようこれからも色々検討、実践してみたいと思います。

こんにちは。ぐうぽんです。

勤務校の一つに、私の前職時代を知る校長先生がいらっしゃいます。
雑談の中で、今後のICT活用について少し見解を話す機会がありました。

これまでは独自型で楽な活用

別記事でも書きましたが、学校の場合、導入されるソフト等は発達段階の考慮や管理のしやすさ等で独自ソフトが多かったです。

一般的なOfficeソフト等と違うため、多少の操作性の難度はあるものの、学習効率と天秤にかけると目を瞑ればいいか、と使用されてきました。

しかしこの現状を一変する出来事がありました・・

GIGAスクールによる活用に変化

2020年、新型コロナウイルスの流行により、学校教育は「学習機会の損失」という大きな岐路に立たされました。

これまでの教育方法を改め、新たな学習スタイルの構築を余儀なくされました。

当初予定よりも前倒しし、急遽各小中学校の児童生徒一人一人にパソコンやタブレット等の端末が付与されました。

いわゆるGIGAスクール構想」です。

全国で導入されたパソコン(タブレット)の多くはGoogleChromebookです。

端末が安価であること、Windowsに似ている操作性、しかし性能はWindowsの6割程度・・

そんな端末に、当初(今もですが)悪戦苦闘する先生は多かったです。

しかし特筆すべき利点は、多くの自治体に導入されたことです。

異動を伴う職業である先生は、これまで独自ソフトを理解しても、異動先には存在しない、いや、逆に別の独自ソフトがあってまた新たに学ばなきゃならない・・。
こんな経験を繰り返されていました。

多くの自治体がChromebookを導入したことで、異動しても同じソフトを使うことができる点は、大きな変革をもたらしたと私は思います。

これにより、OSだけだった汎用性が、ソフトにも広がり

「独自ソフトから、汎用性のあるソフトの活用へ」

と、徐々に潮流が変わってきていると思います。

学校も将来を見据えたICT活用を

私は校長先生に
「やっぱりローマ字できないとまずいと思います。スライド等の操作も全くしないのは中学校に行ったとき問題になるかと・・」

そう提案しました。そして結論は

「子どもたちはこの先、Chromebookもそうだけど基本的なOfficeとか使えるようにしないとダメだよね。中学や高校からじゃ遅いと思うよ」

見解が一致しました。

かつて小中学校両方のICT活用を見てきましたが、小中学校の架け橋は非常に難しいものでした。

中学校では「ローマ字は打てて当然。PowerPoint等も慣れている」とみなして授業をされていました。

しかし蓋を開けるとローマ字はおろか、PowerPointは卒業した小学校によってできる子とできない子の格差が大きい、なんてことは結構多い話です。

それに、今は多くの小学校で6年生の進学先が私立や中高一貫校など、地元を離れる傾向にあります。

ですので、ある程度キーボード入力やOfficeソフト等に慣れておかないと、中学校でスキル格差が出てしまうのです。

したがって、

学校は、ICT活用においても将来を見据えておかないといけないのです。

進学先が何を使用しているのか、それは把握が難しいです。

ですが、先の引用データで全国の一人一台端末は**ChromebookWindowsiPadの3つに大別**されていることが明確になっています。
そして、これらに共通するソフトの代表は、いわゆるOffice系です。

なので、進学先がどんな端末やOSを使うことになったとしても、ローマ字とOfficeソフトに早い段階から慣れ親しんでおけば、進学後苦しむことはないと思います。

Windowsと親和性の低いiPadでも、Googleアカウントを取得すればGoogleドキュメント等の利用は可能ですので、Office系に触れられます。

上級学校への進学を見据えて、できる限りのITスキルを習得させることは、子どもたちが社会へ巣立つときの強みであり、武器にもなります。

そのためには、先生もICTに慣れ親しむ、子どもと一緒に取り組んでみる、トライ・アンド・エラーを繰り返しながら活用を見出すことが大事だと思います。

もうすぐ新年度です。
子どもたちの未来を考えながら、ICT活用の道を一緒に探してみませんか?

こんにちは。ぐうぽんです。

よく「教科でのICT活用促進」が謳われていますが、見ていると、たまーにですが「あ、この授業ICTを無理やりねじ込んでいるな・・」と思ってしまうことがあります。

こうした、活用を目的にすることを「手段の目的化」と言います。

支援員時代からずっと、この「手段の目的化をやめよう」と訴えてきていますが、まだまだ後を絶たないようです。

手段の目的化の弊害

教科指導でICT活用を目的にすると、どんなことが起こるのでしょう。

学習目標がずれます。 授業の質が下がります。 子どもの理解が深まりません。

他にも準備の負荷や、やってみたのに結果が出なかった=ICTに対する苦手意識増幅などのデメリットがあります。

だから

無理に「使わなくちゃ」なんて考えないほうが、逆にいいこともあるのです。

手段の目的化を防ぐ、3つのチェック

それでは手段の目的化を防ぐにはどうすればいいのでしょう。
私の経験上から、3つのチェック方法をお伝えします。

1つ目は「指導書から活用を見いだせるか」です。

・指導する単元、授業にICTを取り入れたら理解は深まるか? ・具体的な活用場面がイメージできるか?

ここで「手段の目的化」が起こりやすいと感じます。
なによりも学習内容の理解を深めることが第一ですので、子どもたちの意欲を高めることや、アナログだと時間を要するけどICTなら時間短縮できそう・・といった具体的な活用イメージが浮かぶと、良い授業が生まれやすいです。

2つ目は「準備等の負荷」です。

ICTの活用にはトラブルがつきものですし、準備も慣れていないといつも以上に時間を要します。

・余計な手段になっていないだろうか? ・万一を考えた「バックアップ」は用意できるか? (場合によってはICT支援員等専門家の力を借りられるか?)

予想以上のことも起こり得るので、授業においては常に細心の準備を払うことが大事です。

ネットが当日使えなくなった!なんていうのも普通にありますので、紙媒体も用意しておくなど、最善を尽くした準備をしておきましょう。

3つ目は「活用スキル」です。

子どもたちの活用スキルはどうですか。
指示した操作を、子どもたちができますか?

もしできないようなら、前もって練習の時間を取ることを勧めます。

同じく先生のICT指導のスキルはどうですか。
操作を自信持って行えますか?

操作の不安は、早めに解決しましょう。
操作に長けた専門家や先生にT2をお願いするなど、力を借りるのも一つです。
困ったらぜひ色々伺ってみてください。不安解決の糸口が見つかるかもしれませんよ。

まとめると

学習課題の中にICTを入れられるかどうか。 入れたことで授業の質は上がるか。 学習意欲は高まるか。 トラブル等への対応は可能か・・ (これはプログラミングで言う「条件分岐」ですね)

流れがスムーズにできるなら取り入れる。
無理強いしてそう、と思ったらやめる。
そうしないと「ICT使ってみたけど準備とか大変だったし、管理も面倒だったから、やっぱり使わないことにしよう」となってしまいかねません。

実践前には常にこうしたチェックをしておきましょう。