映画 The Outrun を見た。ノラ・フィングシャイト『アウトラン』 (original) (raw)

アルコール依存症患者がオークニー諸島の海風に洗われていく日々を描く。

最近いろいろな方面からスコットランドに興味を持ち始めているので、とてもおもしろかった。
逆に言えば、生物学修士の設定や暴風の音やウズラクイナの声が背景になかったら、私にとっては、Okay, another stoned story...で終わったかもしれない。

子どものころ、私はアトピー症状に悩まされていたのだが、小二の夏休み、ばあちゃんちで毎日海水浴をしているうちにすっかり治ってしまった。もちろん、食事や水質や学校のない生活やいろいろなことが作用したのだとは思うが、海水が殺菌してくれた、という実感があった。

新潟出身の友人は、町医者に子どもを連れて行くと、「できるだけ海に浸からせなさい」と言われた(!)という。
実際、地元の浜辺に行くと、どんな季節でも具合の悪い子どもたちの頭がプカプカ浮かんでいたそうだ...。

あの辺境の地でもAAの会合が持たれ(小屋の中で!)ニーバーの祈りが唱えられているのは感動的だ。
アルコールの支配を振り切ったローナが、母親に海藻の魅力をイキイキと語るところはよかった。
何かにかかわりたい、コミットしたいという意味での"I want to be a part of it"って能動感強くていいよね。
ついでに自家製パンもうまそうで。思わず帰りにトレジョで似たようなパンを買ってきてしまった。

ところで、母親を演じたサスキア・リーヴス氏をイングランドでお見かけして握手をしてもらったことがあるのだが、日米の私のまわりは誰も氏の名前を知らず、自慢できたためしがない。

自分の身体を大陸にたとえるモノローグを聞いてちょっと嬉しくなった。私のひどい歯軋りも見方を変えれば愛せるなって笑

マチネ、11.49ドルで鑑賞。

Amy Liptrotの同名の回想記がもとになっている。

The Outrun (Canons) (English Edition)

ローナがせっかくの自然の音を遮ってまで聞いている音楽の数々がすこぶるかっこいいよ。

The Outrun

トレーラー。