「第三省察」目次 (original) (raw)

省察』はデカルトの哲学的主著になります.懐疑を主題とする「第一省察」,自己のありさまを主題とする「第二省察」に比べたとき,「第三省察」の一見の難しさはたいへんなものです.じつは「第一省察」「第二省察」についても難しさを語ることはできますけれど,多くのばあい,デカルト学を修めないひとにとって,そもそも「第三省察」は話のポイントと流れを追うだけでひと苦労,そして追えずに挫折してしまう,という感じであろう,と思います.

わたくしが学部生のときに,私家版としてつくった「第三省察」の目次を公開しておきます*1.これは,当時,卒論用の進捗報告会でお披露目したことがあるものです.今からみると,直したいところもあります.しかし,いったんこのくらいのものとして捉えて,読み手が微修正してゆく,というのでよいだろう,と思います.多少表現をなおした以外は,実質当時のままです.

なお,かっこ内は,Adam-Tannery(AT)版デカルト全集第7巻の頁番番号と行番号とを指定しています.つまり,「11, 11–22, 22」は,11頁11行目から22頁22行目までの範囲を指します*2

1 私から他の事物への道程の模索

1.1 なお規則の身分を得ない明証性

1.2 観念のはじめの道とその袋小路

1.3 観念のもうひとつの道の整備

2 私のもつ神の観念から神への道程

2.1 観念の考察から神の第一実在証明へ

2.2 第一実在証明への註釈

3 神の観念をもつ私自身から神への道程

3.1 私自身の作者の探求から神の第二実在証明へ

3.2 残余の考察と本日の省察の締めくくり