20241016 (original) (raw)

逆に良い印象をもった女子学生はS.Bさんで、この子は初学者にもかかわらずアクティビティの際も既習組よりも率先して発言していたし、なにより授業中ずっと目がキラキラ輝いていたので、あ、この子ぜったいのびるわ、三年生でいうR.SさんやC.Rさんと同じだと確信した(と、あえて強い断言調で学生らの印象を書き残しておく、これも毎年書いていることであるが一年後の読み返しの際に答え合わせをするのがクソ楽しいのだ!)。

エボラのニュースを見るとときどき悲惨な想像が頭のなかをめぐってたとえばヨーロッパで爆発的に流行してSの身になにかあってとなったときそういうつらさをおれはシラフで耐えられるのだろうかと思うしこれはいつもそうなのだけれどなぜパンデミックにせよカタストロフィにせよじぶんがその被害者になる恐怖よりも先んじて愛しい友人知人たちが犠牲になるのをただ手をこまねいてながめるだけのじぶんの像が浮かんでしまうのだろう(まるで熱病患者をまえにした大佐だ!)。

夕飯を作っているときにRPGの脚本というかぼんやりした大枠の設定みたいなのが思い浮かんだのだった。ゆえにメモしておくけれどまずこの現実世界を模した世界とゲーム内ゲームの世界のふたつがあって、前者の主人公は不良でもいいし不良じゃないけど格闘技とかやっててケンカはそこそこするみたいやつにする、なぜならそうでもしないとエンカウントバトルでヤンキーや酔っぱらいや野良犬やヤクザとたたかえないから。じっさいにエンカウントバトルにするかどうかはわからない。ひょっとしたらイベントバトルだけですませるかもしれないし、エンカウントバトルを採用するにしても一定の確率で戦闘終了後には留置所に連れていかれてそこからの再スタートになるとかでもいいかもしれない。とにかくこの現実世界を忠実に模す(マザーシリーズどころではない)。そういう制限もあるから内容的にはRPGの体裁をとったアドベンチャーゲームになるのかもしれない。で、それとは別にその主人公がプレイしているゲーム内ゲームがあって、これは旧き良きJRPGすなわちスーファミ時代のFF・DQに全身全霊で敬意をささげたこてこてのオマージュで進めていくことにする。剣と魔法、勇者、魔王、お姫様(ヒロイン)みたいな。こちらにかんしては通常のエンカウントバトルもあるし敵もスライムとかゴブリンとかもうその手のものでグイグイいく。ただ序盤の時点ですでにいくらか中盤以降の展開をにおわせる要素はいれておいてもいいかもしれない。あとになってその正体、その意味するところに気づく「違和感」みたいなものはテキスト・キャラクター・フィールド・システムすべての領域において忍びこませておきたい。で、これはいったい物語の中盤で起きるイベントなのか終盤なのかあるいは序盤なのかわからないけれども、現実版の主人公が死ぬ。現実世界でヤクザに刺されて死ぬでもいいしハーブを吸った車にはねられて死ぬでもいい。あるいは別の案としてむしろこの主人公がハーブを吸った結果、ゲーム内世界に迷いこんでそこのザコモンスター(それこそスライムとかゴブリンとか)に殺されるというのもいいかもしれない。主人公はその時点で現実世界ではほとんど敵なしのステータスとかレベルになってるようにできれば調整しておきたい。その主人公がファンタジーの世界のザコモンスターに一発で殺られる。ここは別にイベントバトルにする必要もない。ふつうにフィールド歩いてエンカウントした敵にふつうに勝てない。それで死ぬ。主人公は死ぬ。ここで視点がゲーム内ゲームのほうの主人公にいくどめかの移動を果たすわけであるけれど、それまで一本道だった物語がとつぜんサガシリーズも顔負けのフリーシナリオと化す(要するに主人公=プレイヤー=神の死のメタファーというわけだ)。これ以降はRPGという「ゲームの規則」に批評的に対峙していく。たとえば小さいものならそれまで「ここは○○の村だよ」といっていた村人Aに「なぜおれはわかりきったことばかり飽きもせずに口にしていたのか」と言わせるなどしてもいい(しかも同じ台詞をくりかえし聞けないようにするためいちど話をした村人はどこかに去っていくみたいなふうにしてもいい)。武器屋が武器を売らない、教会がセーブしてくれない、宿屋に泊まれない、そもそも民家に鍵がかかっている。ただしこういうのはやりようによってはさぶくなってしまうのでほどほどにしたほうがいいだろう。批評意識をいちゃもんや難癖の下品さに堕落させてしまってはだめだ。魔王・勇者・姫(ヒロイン)の物語をたとえばオイディプス的構図にあてはめたうえで脱構築しまくるような展開をその後の物語の大枠として構築できればいいのだけれどこのあたりにかんしてはまだわからない。現実世界の主人公がゲームの世界に迷いこむきっかけがドラッグというのもつまらないといえばつまらない発想であるし別の案のほうがいいかもしれない。ゲームの世界に迷い込ませる必要はないのかもしれないが、そうなると現実世界とゲーム世界がはっきりと分離されたまましかしつながっているという『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』式の構図におさまってしまうことになる(この手の構図はいかにもサブカルという感じがするのでできれば避けたい)。ラスボスをプレイヤー自身にするという案もありかもしれないが(つまりゲームをクリアするためには電源を切るほかない)、これはこれでやっぱりつまらない、そういう飛び道具でないところでなにか突破口があるしじぶんだったら楽勝でそれを見つけ出すことができると思う。今日も自信家だ。