台中滞在日記 (original) (raw)

「台湾 日月潭に消えた故郷 流浪の民サオと日本」

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台湾 日月潭に消えた故郷
流浪の民サオと日本
坂野徳隆 株式会社ウエッジ

台湾の中心部にある湖、 日月潭は、台湾唯一の湖です。
もとは日潭と月潭の二つの湖があったようです。

日月潭は、日本統治時代アジア最大の発電所建設の為の貯水湖となりました。
その為に、この地にもともと住んでいた原住民のサオ族が居住地を奪われてしまいました。
このサオ族の悲惨な歴史を著者は10年間かけて調査しました。
作者とサオ族の長老との会話や
サオ族伝統の行事に実際に参加した描写はとても興味を引きました。

サオ族が犠牲になった台湾電力会社の完成は、結果的には「工業国台湾」を作る
大切な要となりました。
いつの時代も何処でも発展の陰には犠牲がつきものですが、
サオ族の存在は後世に残すべき史実です。
日本人どころか台湾人も案外知らないようで、そういう意味ではこの本はとても貴重です。

日本でも台湾の観光地としてここ数年日月潭をPRしているようです。
蒋介石が避暑として大変気に入っていたこの地に、
大型リゾートホテルが建てられ、そこも大人気です。

我が家から一時間強で行けるので、今まで何度か行きました。
最初の印象としては、箱根の芦ノ湖に似ている と思いました。笑
土日は観光バスで訪れる中国人の観光地とういう感じです。
しかし、ロープーウェイに乗り、日月譚を上空から見る眺めはとてもきれいです。
今回この本に出会ってサオ族の事を知ったことで、
「マイ台湾紹介スポット」に加えました。

by izumi_symphony | 2012-10-11 10:39 | 台湾関係書籍

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