片仮名 (original) (raw)

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かたかな

片仮名カタカナ
類型: 音節文字
言語: 日本語アイヌ語琉球語 台湾語パラオ語 (以前)
時期: 800年 -
親の文字体系: 漢字万葉仮名片仮名
姉妹の文字体系: 平仮名
Unicode範囲: U+30A0–U+30FF - 片仮名U+31F0–U+31FF - 片仮名拡張U+1B000 - 仮名補助U+1B164-U+1B167 - 小書き仮名拡張
ISO 15924 コード: Kana
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かな
仮名
万葉仮名 草仮名平仮名 片仮名 (平仮名の異体字)(片仮名の異体字
五十音撥音 わワ らラ やヤ まマ はハ なナ たタ さサ かカ あア ゐヰ りリ 𛀆𛄠 みミ ひヒ にニ ちチ しシ きキ いイ 𛄟𛄢 るル ゆユ むム ふフ ぬヌ つツ すス くク うウ ゑヱ れレ 𛀁エ めメ へヘ ねネ てテ せセ けケ えエ をヲ ろロ よヨ もモ ほホ のノ とト そソ こコ おオ んン 濁点つき わ゙ヷ ばバ だダ ざザ がガ あ゙ア゙ ゐ゙ヸ びビ ぢヂ じジ ぎギ - ゔヴ ぶブ づヅ ずズ ぐグ - ゑ゙ヹ べベ でデ ぜゼ げゲ - を゙ヺ ぼボ どド ぞゾ ごゴ - 半濁点つき ら゚ラ゚ ぱパ た゚タ゚ さ゚サ゚ か゚カ゚ あ゚ア゚ り゚リ゚ ぴピ ち゚チ゚ し゚シ゚ き゚キ゚ い゚イ゚ る゚ル゚ ぷプ つ゚ツ゚ す゚ス゚ く゚ク゚ う゚ウ゚ れ゚レ゚ ぺペ て゚テ゚ せ゚セ゚ け゚ケ゚ え゚エ゚ ろ゚ロ゚ ぽポ と゚ト゚ そ゚ソ゚ こ゚コ゚ お゚オ゚ 小書き ゎヮ ゃャ - - - - ゕヵ ぁァ 𛅐𛅤 小書きヰ - - - - ぃィ - ゅュ っッ ぅゥ 𛅑𛅥 小書きヱ - - - - - ゖヶ ぇェ 𛅒𛅦 小書きヲ ょョ - - - こコ ぉォ 𛅧(小書きン) ㇷ゚ 多音節 (イフ) (かしこ) (こと/コト) (さま) (シテ) (トキ) (トモ) (なり/ナリ) (まいらせ候) (より/ヨリ) (ごと) (ドモ) 踊り字 ゝヽ 〱゙ ゞヾ 〱゚ ゝ゚ヽ゚ 長音符 この表には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字や、画像化した文字が含まれています。

片仮名(かたかな)は、音節文字の一つ。かなの一種である。

歴史

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平安時代 - 明治時代

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明恵上人歌集 ACE1248

吉備真備(695年 - 775年)が片仮名を作ったという説があるが、これは俗説に過ぎない[注釈 1][1]。漢字の一部を使いその文字の代わりとして用いることは7世紀中頃から見られるが[2]、片仮名の起源は9世紀初めの奈良の古宗派の学僧たちの間で漢文を和読するために、訓点として借字(万葉仮名)の一部の字画を省略し付記したものに始まると考えられている。この借字は当初、経典の行間の余白などにヲコト点とともに使われていた。それが小さく素早く記す必要から字形の省略・簡化が進んだ結果、現在見る片仮名の原型となり、ヲコト点に成り代わって盛んに訓読に利用されるようになった。片仮名はその発生の由来から、僧侶や博士家などによって漢字の音や和訓を注記するために使われることが多く、ごく初期から漢字仮名交り文に用いた例も見られる。後には歌集や物語をはじめ、一般社会の日常の筆記にも使用範囲が広がったが、平仮名で書かれたものが美的な価値をもって鑑賞されるに至ったのと比べると、記号的・符号的性格が強い。当初は字体に個人差・集団差が大きく、10世紀中頃までは異体字が多く見られ、時代を経るのに従って字体の整理が進み、12世紀には現在のそれと近いものになった。

平安時代中期に成立した『うつほ物語』の「国譲上」の巻において「書の手本」の中に片仮名があげられており[3]、これにより平安時代中期には、片仮名がひとつの文字体系であると認識されていたことがわかる[4]。なお江戸時代の学者伴信友は、平安時代後期に成立したと見られる『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」に、虫愛づる姫君が男から送られた恋文に対して「仮名(平仮名)はまだ書き給はざりければ、かたかんな(片仮名)に」返事を書いたという記述があることから、当時の文字の習得が片仮名から始めて平仮名に進んでいったとしている。しかし小松英雄はこの説明について、「虫めづる姫君」に見られる記述は虚構である物語における特殊な例であり、実際には初めから仮名(平仮名)を美しく書けるように習得するのが、当時の女性にとっては一般的であったとして退けている[5]

明治初期のころの字体はJ・C・ヘボン著『和英語林集成』の付表などにもみられる[6]。平仮名に比べ学問的傾向が強いので、戦前の日本ではより正式な文字とみなされ、法令全書その他の公文書で用いられ、教育面でも平仮名に先行して教えられた。また、[v]の発音を表記するため、福澤諭吉によって「////」が考案された。

異体字の抑圧

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明治33年(1900年)、平安時代から続く片仮名のうち、「小学校令施行規則」の「第一号表」に「48種の字体」だけが示され、以後これらが公教育において教授され一般に普及するようになり、現在に至っている。規則制定の理由は一音一字の原則に従ったためである。これにより「」と「」が用いられなくなった。

仮名遣いの改変

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第二次世界大戦後、現代仮名遣いが制定された。これにより、特殊な場合を除いて「」と「」が用いられなくなった。

字体の由来

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中田祝夫は、下の表で見られるような従来の字源についての説明を批判している。それは、従来の説ではまず現在の活字のような楷書体の漢字から片仮名の字源を想定し、各々の片仮名の字源を探ろうとするがそれは誤りであり、片仮名が生まれたころの時代を含めた近代以前には、漢字は実際には行書体や草書体で記される場合がほとんどで、そんな中でいわば平仮名のように、楷書体ではない崩した字体をさらに省略するなどして出来たのが片仮名であったとしている。

カタカナの由来

カタカナの由来

一覧

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→「合略仮名」、「アイヌ語仮名」、および「台湾語仮名」も参照

現在、日本語で主に使われているものは以下の通りである。

ワ行 ラ行 ヤ行 マ行 ハ行 ナ行 タ行 サ行 カ行 ア行
ア段
() イ段
ウ段
() エ段
オ段
撥音
拗音 促音 拗音
半濁音 濁音 長音

1900年ごろ、日本語で主に使われていたものは以下の通りである。

ワ行 ラ行 ヤ行 マ行 ハ行 ナ行 タ行 サ行 カ行 ア行
ア段
イ段
ウ段
エ段
オ段
ナリ トモ トキ シテ コト イフ 撥音
拗音 促音
半濁音 濁音 長音 畳音 畳音

異体字

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片仮名には、平仮名における変体仮名と同じく異体字が存在する。

片仮名 片仮名異体 解説 使用例
𛀀 「衣」の省字
「甫」からの転化か[9][10] 菅家の点図[11][9]
[口/丨] 「保」の省字[9] 卜部家に伝わる経点の図[11][9]
「和」の省字[10] 日本紀の点[11][9]
菅家の点図[11][9]
⿶儿丨 卜部家に伝わる経点の図[11][9]
[ネ-丶] 卜部家に伝わる経点の図[11][9]
「武」の省字[10]
𠄎 「乃」の省字[9] 卜部家に伝わる経点の図[11][9]
「万󠄂」の省字[9] 菅家の点図、卜部家に伝わる点図[11][9]
「㔫」(「左」の俗字)の省字[10] 菅家の点図、卜部家に伝わる点図[11][9]
[9] 「民」の省字[9] 菅家の点図、卜部家に伝わる点図[11][9]
「爲」の省字[9] 菅家の点図[11][9]
菅家の点図[11][9]
𠃋[12]

これらの片仮名の異体字は、Unicodeには現在のところ採用されていない。コンピュータ上では似たような漢字などで代用できる場合もあるが、その方法(1文字での代用)によって全てを表示することはできない。

筆順

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以下の画像に、片仮名の書き順と発音を示す。

"片仮名の書き順" - YouTube

使い道

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片仮名の性質として画数が少なく直線的な形状、表音文字としての働きの2点が挙げられる。また、片仮名は漢字かな混じり文を中心とする言語生活の中での少数派という立場であり、外来語に使われる慣用として定着している。これらの性質によって片仮名は現代日本の言語生活によってさまざまな場面で使用される。

日本語では主に次のような場面で用いられる。

大日本帝国憲法「上諭」1頁目。漢字と片仮名で記載されており、平仮名は用いられていない。

日本統治時代の朝鮮での創氏の法院公告。漢字と平仮名ではなく、漢字と片仮名で記載されている。なお当時の朝鮮の人々は漢字は読めても仮名は読めなかったため、仮名にはハングルを振っている。

日本語以外では、アイヌ語表記にも使われる。

→「アイヌ語仮名」も参照

また、日本統治時代の台湾台湾語および客家語の表記に使われた事もある。

→詳細は「台湾語仮名」および「広東語仮名」を参照

脚注

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注釈

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  1. ^ 古くは南北朝から室町時代にかけての人物明魏(花山院長親)の著『倭片仮字反切義解』の序文に、「…天平勝宝年中に到りて、右丞相吉備真備公、我が邦に通用する所の仮字(仮名)四十五字を取り、偏旁点画を省きて片仮字(片仮名)を作る」とあり、1940年代の一部の書物においても片仮名の起源は諸説あるとし、片仮名は漢字の一部から吉備真備が工夫して創作したのではないかとの記載が見られる。

出典

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  1. ^ 『国語学大系』第四巻(厚生閣、1938年)および『新しき図案文字の描き方 初心者の為に』(国民書院、1940年)「片仮名の起源」(10頁)[1]参照。
  2. ^ 正倉院文書 御野国大宝二年戸籍(702年)、石神遺跡出土木簡(665年)における「牟」字の「ム」表記など。
  3. ^ 『三省堂大辞林』「平仮名」の項
  4. ^ 『三省堂大辞林』「片仮名」の項
  5. ^ 小松英雄 『徒然草抜書』〈『講談社学術文庫』947〉 講談社、1990年 ※第二章「うしのつの文字」
  6. ^ J・C・ヘボン 『和英語林集成』〈『講談社学術文庫』477〉 松村明解説 1989年 巻頭・付表
  7. ^日本語の世界4:片仮名」『大辞林特別ページ』、三省堂。http://daijirin.dual-d.net/extra/katakana.html。 2022年5月17日閲覧
  8. ^ 万葉仮名|国史大辞典・日本国語大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典|ジャパンナレッジ (japanknowledge.com) 2022年5月17日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 國語學大系 P.166-171 福井久蔵 1940年
  10. ^ a b c d 國語學大系 P.100 福井久蔵 1940年
  11. ^ a b c d e f g h i j k l 新井白石同文通考 中之三
  12. ^ 國語史: 文字篇 P.248 山田孝雄 1937年

参考文献

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関連項目

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片仮名

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外部リンク

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