酒とバラの日々 (original) (raw)
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夫婦でアルコール依存症になる1962年制作「酒とバラの日々」を観ました~。ぐびぐび
わたくしは近頃酔っ払ったらLUNA SEAとSystem of A Downの動画を交互に観るという、私と一緒に呑んでる人にとっては最早それは人災やんねというね、そんな日々を過ごしておりますがな。
(でもさ!LUNA SEAの「MOTHER」は傑作だよね!うん!)
とまあ、冒頭にぐびぐびなんてオチャラケタことを書いておりますが、本作は所謂一種の啓蒙的作品なのでカテゴリーも”酒呑み映画”なんてふざけた分類でええんかいなとは思います。
ジャック・レモン主演で「ピンク・パンサー」のブレイク・エドワーズ監督だとコメディ映画かと思いきや、途中からこんなんです(前知識無しで観た)。
いらすとやの絶望のイラスト
<では観てみましょう~>
ジャック・レモン演じる主人公のジョー・クレーはPR会社?広告代理店?(なんでそこうろ覚えなんだよ)で働く広報担当。
とある石油会社のパーティーに送り込む女子集めを行う毎日(”芸能界の闇”みたいな仕事だね)に良心の呵責に苛まされていることは秘密だ。
そんな中、得意先の会社の秘書をパーティー用女子と勘違いして、彼女を怒らせてしまいます。
その彼女こそ、のちに彼の妻になるキアステン。
(wikiではカーステンだが字幕を優先とします)
キアステンのスペルはKirsten。そうそう、キルスティン・ダンストのキルスティンと同じスペルなんですね~。
ジョーとキアステンの出逢いは最悪でしたが、
(あっかんべー!いや、これ観たら誰だってコメディやと思うやろ)
仲直りしようと四苦八苦しているジョーに対して絶許!のキアステン。双方大激怒に発展しますが、二人で夕飯に行くことにします何故?(それが脚本なのだから仕方がない)。
二人は話している内にお互いを「この人良いかもしんまい」と思うように。
このヒロインのキアステンがですね、とても可愛いんですよね。
まるで綺麗な猫ちゃんみたいで。
この女優さん誰だろう~?可愛いなあ~と思ってググったら、
悪魔君の人間界におけるママやん!!!
(演じるは**リー・レミック**)
んなことはさておき、
キアステンは酒は呑まないと言います。味も嫌いなんだとか。
(ジョーはずっと呑んでる)
しかし、「チョコは好き」と言います。
そんなキアステンの為にジョーは、
**ブランデー・アレキサンダー**なる、チョコをベースとしたカクテルを注文します。
ブランデー、クレームドカカオ、フレッシュクリーム
ソッコーでニキビが出来そうなシロモノですが、甘くて美味しそう。
彼女は気に入った様子。
ジョーよ、おまえは…
罪作りなことをするなあ~
酒呑みとして思うことは、酒が苦手・酒を呑まない人はそのままのほうが良いと私は思いますねぇ。アルコールは中毒性が高いですからね。
飲み会等で行われるアルハラなんて論外ですよ、論外。
キアステンはカクテル一杯でフラフラになるのでした…。入口を突破してしまったか…。
<ゴキブリ王国>
ジョーはキアステンの後押しもあり、上司に「女子集めはもう嫌かも…」と告白。
石油会社の担当を外されてしまいます。
あ、このストレスでヤケ酒か!?と思いきや、本人は「上司に言えた!!」と喜んでおります。
そのお祝いに、”ゴキブリ王国”だというキアステンのアパートに大きな買い物袋をブラ下げて行きます。
キアステンの好きなブランデー・アレキサンダーの材料、チョコレート・ケーキ、ビール、シャンパン、スコッチを取り出すジョー。
(ほぼ酒!)
そして最後に殺虫剤!ぶしゅー!
(因みにこの噴射の先にチョコケーキがある。喰ったら死ぬぞお前ら)
ジョーはキアステンの部屋中を殺虫剤噴射!!
「Hole-洞2」!
わたし、最近、ゴキブリづいてる!!
すると隣人(?)から始まり、
アパート中の人が大騒ぎ。
「そっとしとけば何も害はないのよ。寝た子を起こさないで」
「ゴキブリに触らないのはアパートの常識よ!」
「ゴキブリを騒がせるな!」
「ゾロゾロよ!」
どうやらジョーが殺虫剤を撒いたせいでゴキ達がよその部屋に逃げている模様。
二人は大笑い!
(これ観たら誰だってコメディ映画やと思うやろ)
アハハ!ウフフ!アハハ!!ん、ん~
ちゅ
ゴキブリ接吻。こうして二人は結ばれるのでした。
<ザ・義父>
二人は園芸店を営むキアステンの父親(母親は既に亡くなっている)にケッコンしたことを事後報告しに行きます。
父親はジョーの広告屋という仕事を聞いて苦い顔をします。
何か悪いことをした企業にはその企業のイメージを損なわせないようにするのもPRの仕事です、とのジョーの説明が気に喰わない様子。
父「君のことを気に入るのに時間がかかりそうだよ」
キアステンはこの挨拶の場で大変ショックを受け、ジョーに
酒を呑みたい、
と、涙を流して言うのでした。
(この時点でこれはもしかしてシリアスなのでは?と気づくぽんずなのであった)
<科学の進歩をアル中増員につかう夫>
別会社のPR担当となったジョーは、その企業主催のパーティで酔っ払ってそのまま二人の愛の巣に帰宅。
二人の間には赤ちゃんができていました。
おいおいこの赤ちゃん、「トレスポ」の赤ちゃんみたいになるんじゃないだろうなあ~??
(劇中ではあんなことになってしまった赤ちゃんだが、現実では健やかに育ちました!)
ジョーは(酔っ払いのため)せっかく寝かしつけた赤ちゃんを構おうとしたり、大声でご機嫌にキアステンに話しかけます。
「し!静かにして!赤ちゃんが起きちゃう!」とキアステンは彼の行動を制止させようとします。
すると途端にジョーは不機嫌に。
ジョ「朝から晩まで働いて家に帰ったらウルサイって言われるのか!君は変わったよ!おれを受け入れてくれなくなった!」
キアステンは反論しようとしますが、
ジョ「君だって、」
ジョ「呑みながらおれの帰りを待ってりゃいいだろう!」
なるほど!!
なるほどな!なるほどな!なるほどなるほどなるほどな!
そんな目線は無かったなあーーー!!!
なんて斬新なアイディア!!
ってアホかーーーー!!!
キ「そんなことをしたら母乳に影響がっ…!」
ジョ「粉ミルクがあるじゃないか!」
そうこうする内に赤ちゃんが泣いてしまいます。
落ち込むジョー。
彼を慰めるかのように、酒を呑みだす(呑んであげる)キアステン。
(サンメン・イ・ヒンメレンはノルウェー語で「天国でも一緒に」という意。
これから起こる地獄のような日々を暗喩しているようにも捉えられる)
これにて最悪なパターンが完成しました。
<妻放火事件>
ジョーはまた得意先の担当から外されてしまいました。
理由は”呑み過ぎ”。
その代わり、テキサス州ヒューストンにある会社を任されます。
(テキサスの人、怒るで)
ジョーはとても不満です。
帰宅してストレス発散のため、呑みます。この頃にはキアステンも晩酌に付き合うようになっていました。
1本飲み干し(ウィスキーかスコッチ?度数が高いものをよくそんなにがぶがぶ呑めるなあ)、次のを開けようとすると、
封を切っていない1本が消えています。
(キアステンが隠れて呑んだと私は解釈しました)
後日、ジョーはテキサスで挨拶&懇親会。
キアステンは自宅で呑んでいます。白黒で分かりづらかったが、一応は夕方の時間らしい。
テキサスのジョーに電話が入ります。義父からでした。
なんと、キアステンが酔っ払って家に火をつけたとかナントカ。
(彼女は煙草を吸っていたので恐らくそれが原因でしょう)
ジョーはクビになってしまいました。
(こればかりは彼の失敗じゃないのになあ)
火事で焦げた家具を見つめる二人。
(ブロンディのデボラ・ハリーみがあるキアステンなのであった)
<ルンペン>
月日が経ち、ジョーは職探しなのか街中をウロウロしているところ窓ガラスに映る自分の姿を見て唖然とします。
帰宅すると、ビール呑みながら読書するキアステンの姿が。
ジョーは自分の姿がまるでルンペンに見えたと彼女に訴えます。
(ルンペンとはドイツ語で浮浪者の意)
ジョ「君も同じだ!!!」
私からすると、煙草と酒をかっ喰らって美容クリニックにも通わずにこんなに美しさを保っているニンゲンもそうそうおらんと思うのですが(顔も全然むくんでないし)…ジョーから見ると妻はそう見えるらしい。
この一連のシーンのなかでジョーが何度もBums!Bums!って言っていて、字幕が「ろくでなし」となっていました。
そうか、ハーモニー・コリン監督の「ビーチ・バム」は、
「浜辺のろくでなし」なのか。
と、話が脱線してしまいましたが、
ジョーは、彼女に訴え続けます。
4年で5度も仕事をクビになったのは酒のせいだ!おれはアル中なんだよ!と。
(気づけたの本当に偉いと思う)
それに反してキアステンは「少ししか呑んでないじゃない」と否定します。
何言ってるんだ!おれたちはいつも酔ってるだろ!とジョー。
キアステン「わかった。量を減らすわね」
キアステンの台詞がいちいちリアリティがあるんですよね。
(酒呑みが”うぐっ…(;´・ω・)”てなるような。心当たり100パーって感じの台詞)
(キアステンはジョーと出逢う前から著名な作家の作品ばかり集めた”全集”みたいなシリーズ本を大卒の人たちと同等な教養を身に着けるためにと、読破することを自分に課しているのですが、こんな状況になってもそれを続けているのが何か泣けてくる…酔ってるので読んだ4分の3は記憶に残ってないだろうけど)
ジョーの熱心な説得により、まず、
完全に酒を断つ、
キアステンの父親から再出発の資金を借りる、
ジョーは前の会社に雇ってもらうようお願いしに行く、
に、決まりました。
(完全に酒を断つ…それが一番難しいのだが…)
<ザ・義実家>
ジョーは前の会社に雇って貰えなかったのでしょう。
義父の園芸屋さんを手伝っております。
義父も意味不明なPRなんちゃらより、汗水流して働いているジョーの姿を見て好感度が上がっている様子。
キアステンもジョーも酒を断っています。
(偉すぎる!)
し・か・し(上映時間がまだまだ余っているので予想通りなのであるが)、
「たまにはビールでも一緒に呑まないか?ビールぐらい良いんじゃないか?」という義父の誘いを断り(ジョーに対する好感度が爆上がり)、ジョーはキアステンが待っている寝室へ。
すると、
両足にテープで酒瓶を計2本くっつけていました。
最近めっちゃ頑張ったし!自分たちへのご褒美として少しぐらいええやん♪
ということで、宴がハジマタ。
あっという間に2本呑み切った二人は、ジョーが温室に隠しているという3本目を取りに行こう!となります。
そのまま家から出ると義父に見つかるので窓の外の木をつたって1階に降りるという作戦です。
(酔っ払いはろくなことしか思いつきません)
無事に地面に降り立ったジョーはふらふらと温室へ。
しかし、隠したはずの酒が見つからずパニックになります。
なんで無いんだよぉ~!たしか5列目の3テーブル目の、いや4列目の…っと、
懸命に探すあまり、周りを破壊していきます。お花さん…(´;ω;`)
ここでのジャック・レモンが鬼気迫る演技でして、コメディもできるシリアスもできるこの人は天才なんだなぁ~って。
周りをぐちゃぐちゃにした後、やっとこさとある鉢から酒瓶が転がり落ちているのを発見。
急いでぐびぐび。完全に治療が必要。
ていうかキアステンに分けろや(怒)!!!(怒るとこソコ!!?)
キアステンはキアステンで、(酔っているので)父親が寝ているベッドの中を潜り「パパ~酔っちゃった~」と正直に言ってしまいました。
娘が、
あ、言い忘れていました、二人の赤ちゃんは往年のハリウッド・マジックですくすくと健やかに素直で良い子に育っています。
その娘が心配して起きてきます。娘に手を上げようとするキアステン。
現場はC-H-A-O-S!
<アルコホリック・アノニマス!!>
ジョーは精神病院に入れられてしまいました。
禁断症状・幻覚に苦しめられ暴れてしまいます。
ジョーの症状が落ち着いた頃、舌が死んでる激辛の山田さんに似た男性が面会に来ます。
(探偵ナイトスクープの出演が有名かもしんまい)
彼はアルコホリック・アノニマスのメンバーだという(略してAA)。
酒呑みならご存知であろう、世界的な断酒会である。
AA12のステップ | AA日本ゼネラルサービス – AA JapanGeneralService –
(12のステップとか聞いたことだけでもある人も多いのでは?)
ジョーは彼の支えにより、AAの会合に行き断酒にも成功します。
しかし、キアステンはAAやジョーに拒否反応を示します。
「パンフ(レット)なんて人を馬鹿にしているの?」
「私は呑みすぎるだけでアル中なんかじゃないわ」
全国の酒呑みの皆様におかれましては、さぞかし今「ぐぅう…(⌒-⌒; )」となっておられるだろう。
<妻の家出と再飲酒>
キアステンが突然家を出て行ってしまい、二日間帰って来ません。
先程のAAの男性いわく「おそらく呑みに行ったんだろう」と言います。
ジョ「呑みたければ家呑みすればいいじゃないか!」
AA「君は呑まんだろ。彼女は呑み友達を失ったのも同然なんだ」
(説得力あるなあ)
AAの男性はジョーに浮気を覚悟したほうが良いぞ、と忠告をします。
「だけど僕たちは愛し合ってる!」とジョー。
けども、義父の温室で酒を見つけたとき君は彼女に分けずに全部呑んだ、とチクリと言われます。
アルコールの前では”夫婦の愛情”なんて吹っ飛ぶのですね。
キアステンはとあるモーテルにいました。
AAの男性がジョーに「彼女に誘われても呑んだらダメだぞ」と注意します。
(盛大なる前振りだと思った私は非常に性格が悪い)
ジョーが迎えに行くと、ぐでんぐでんに泥酔している彼女の姿がありました。
同時にAAの男性が言った通り、男の影がありました。
キアステンは「友達」だと言い張りますが。
シラフのジョーがやってきた!ここにはミルクなんか無いんだから!呑まない男なんか真っ平!と、言ったかと思えば、寂しいよぉ…と酔っ払いなので支離滅裂です。
(リー・レミックは本作の演技でアカデミー賞にノミネートされました)
一旦はジョーは帰ろうとします。
しかし、一緒に呑もうよと泣くキアステンを見てジョーは…
さあ、ハリウッドはどう出るかな?!
呑んじゃいました。
くっそおおおおおーーーーーーーーーー!!!!!
これだから顔面がカワイイ生き物はよぉおお!!
トイプーとか!
猫とか!
リー・レミックとか!
コッチがほだされるんだよなあーーーーー!!
(と云いつつ順番にちゅっちゅしたい٩꒰ ˘ ³˘꒱۶)
まあ、上映時間が余っているので呑むだろとは思いましたけどね。
そのあと、酒が切れたのを知ったジョーはまたもや酒を探す旅に。
このときのBGMがピアノでダンランダンランダンラン!と激しく鳴っているんですが、
「クリスチーネF」のダーン!ダーン!ダーン!と同じ
絶 望 ピ ア ノ
その人の地獄っぷりを表現できる楽器、それがピアノ…。
ジョーは営業時間がとうに終わっている酒屋を襲撃し、再び精神病院に。
しかし、AAの男性がまたジョーを救けにきてくれました。
<再起>
ジョーは何とか踏ん張ったのであろう、再起復活します。
義父に会いに行き、謝罪と破壊した温室の弁償代を支払います。
キアステンは実家に引き取られたようで、ジョーは彼女の様子を訊きます。
義「すべて君のせいだ。君と出逢わなければ娘はああにはならなかった!君が娘に酒を呑ませた!」とまず、ジャブ一発。
義父によるとキアステンは夜な夜な違う男たちと吞みまわっていて家出も入院も繰り返しているとのこと。
(彼女は独りで呑めないタイプなのでしょうね)
ジョーは娘と住んでいるアパートに彼女を寄越すように義父に頼みます。
後日、キアステンがオロオロとやって来ます。
彼女はジョーとやり直したいと言います。二日間呑んでないとも。
しかし、ジョーのように完全には断酒をする決意はできないようです。
「シラフだとすべてが汚く見えるの」
泣
これ、名台詞だと思うなあ。
ジョーは君と一緒に住みたいけど怖いと言います。
キアステンに「君もはい上がれ。君と俺とでだ。酒を捨てるんだ。もう一日断酒を頑張れ」と言い、彼女を一旦帰します。
とぼとぼと帰るキアステン。
ジョーのアパートの目の前にバーがあるのですが(何故そんな場所に住む)、ソッチには寄らずに帰路につく彼女を窓からジョーは見送ります。
いつかまた一緒に暮らせる日がくるのでしょうか。
涙を流すジョーなのでした。
おわり。
怪抱ぽんず
キアステンの言う台詞がいちいち脂肪の塊の胸に響きました。
原題が「Day of Wine and Roses」というのですが、ワインじゃなくて度数が倍以上あるジンとか呑んでた気が…。
↓予告編です。ジャック・レモン本人が何故か説明してくれてます(笑)