読了 満願 (original) (raw)
著者 米澤 穂信
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
~~~~~以下、感想。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
米澤穂信さんの作品、そしてこの手のミステリー作品は実は初めて。Instagramでフォローしているアカウントにお勧めされるがままに手をつけた。最初なので短篇集というのがちょうど良かったのかもしれないが、結論として凄く良かった。
全六篇あるのだが、1日一篇ペースで読んでいったので一週間も経たないうちに読了。個人的に好きだったのはバングラデシュのガス田が舞台となる「万灯」という篇。昭和の働き方全開のスーパーサラリーマンが主人公となり、仕事の目的達成のために殺人を犯してしまうのだが、怖いのが読んでいるうちに、少し共感してしまうところ。
あと美人の姉妹を描いた「柘榴」という篇。結末に近づくにつれ、”女性”の怖さに背筋がゾクゾクとした。これはもう一度読んでみてとしか言い表せない。
米澤穂信さんの作品。レビューサイトを見ていると他に「儚い羊たちの祝宴」というものがお勧めされていたので、とても興味が出てきた。今ある小説ストックが無くなったら、次の候補として置いておきたい。
ありがとうございました。