多様なメンバーが集まり、イベントの常識を変えていく。Eightのイベントビジネス (original) (raw)

カンファレンス・展示会など、年間30本以上のBtoBイベントを主催するEvent Business部。名刺アプリ「Eight」のビジネスネットワークを軸に、課題解決につながるイベントを立ち上げ、運営していく部門です。「イベントの常識を変えたい」と語るのは、この部門でイベントをプロデュースする日比野と白石。異なるキャリアを持つ2人が、なぜここでイベントに注力するのか、聞きました。

PROFILE

日比野 秀平Shuhei Hibino

Eight事業部 Event Business部 New Eventグループ グループマネジャー

新卒で電気機器を扱うメーカーに入社、電気設計のプロジェクトリーダーを務める。2020年Sansan株式会社に入社。日本最大級のビジネスカンファレンス「Climbers」の立ち上げに参画、システムディレクションを担当。2022年よりNew Eventグループで新規イベントのプロデュースを担当する。

白石 瑠依Rui Shiroishi

Eight事業部 Event Business部 Meetsグループ チームリーダー

大学で地域経済学を学んだ後、地域活性化に携わりたいという思いから日本で唯一「宝探しイベント」を企画運営している会社へ入社。営業に所属し、年間約100件以上のイベントを担当。2020年、Sansan株式会社に転職。現在、ビジネスマッチングイベント「Meets」のチームリーダーを務める。


企画から営業、実行まで担える

出会いの場づくりに魅力を感じた

これまでのキャリアと、Event Business部への入社の決め手、現在担っている業務を教えてください。

日比野:新卒ではハードウエアエンジニアとして、電気機器を扱うメーカーで電気設計のプロジェクト管理を行っていました。元々、将来的に事業全体の責任を持つ立場になりたいと思っていたので、ものづくりの真髄を理解できるとその後のキャリアに役立つだろうと考えたのです。

ある程度の経験を積んだ時、次のステップとしてビジネス全般を高速で学びたいと思い、コンサルティング企業への転職を検討しました。その中でエージェントから紹介されたのが、現在所属しているEvent Business部です。正直イベントに興味はなかったのですが、企画・設計から営業、実行まで、ビジネスをつくる流れを経験できると知り、まさしく私が求めていたものだと感じました。

それに加えて、当時立ち上げ時期だった「Climbers」というイベントについて面接官から聞き、その熱量の高さに素直にわくわくしたのです。名刺をはじめとするたくさんのデータから「イベント」という出会いの機会をつくり、そこからイノベーションを生み出す。このわくわく感に身を任せたいと思い、Eight事業部のEvent Business部へ転職を決めました。

現在は、新規イベントを専門とするNew Eventグループのマネジャーとして、約15名のメンバーのマネジメントと、年間12本ほどのビジネスイベントの企画、実行を担っています。

白石:私は前職で、「宝探し」を使って地域活性化や商品のPRをするイベント会社の営業をしていました。その後、提案の幅を広げたいと思い、イベント会社や広告代理店を中心に転職活動を始めました。いくつか内定をいただいた中で、転職の軸であった「唯一無二性」を満たせると感じたのがEight事業部のEvent Business部でした。

具体的には、多くのビジネスパーソンを集客する大規模なイベントを手がけることができ、さらに新しい企画を立案するチャンスもあることです。ビジネスイベントは経験がない領域だったので不安もありましたが、「何かしらの課題があり、その解決につながる機会を作る」というイベントの目的はどんな業界でも変わらないものだと考え、一歩踏み出すことにしました。

最初は、担当イベントの協賛企業を集める営業職として入社しました。現在はマッチングイベント「Meets」を担当するグループで、営業から企画、マーケティングや運営など、チーム全体を統括するマネジメントを担当しています。

未経験でも活躍できる。

それぞれのルーツが生きる環境

ビジネスイベントに携わったのはSansanに入社してからだったのですね。

日比野:私はイベントの企画や運営に携わること自体が初めてでした。思い返すと、入社直後はキャッチアップに苦労しましたね。まずは、さまざまなビジネスイベントに足を運び、体験し、参加者や主催者から話を聞いて学ぶことを心がけました。

加えて、当社のバリューズの一つでもある「意思と意図をもって判断する」ことも難しかったです。前職ではエンジニアという職業柄、ロジカルに考えることが正とされていました。ただ、イベントではロジックの正しさは前提として、パッションで人を巻き込んでいくことが重要です。例えば、なぜそのイベントをやりたいのか、どんな社会意義があるのか。そういった点を徐々に自分で意思を持って考えられるようになって、仕事がどんどん楽しくなりました。

白石:イベントプロデュースにはロジカルな思考も重要ですが、イベント参加者の心を動かす体験設計や演出を作るためには、時にはエモーショナルに考えることが欠かせないのです。

前職の経験が生きた部分はありますか。

白石:私は、前職で培った「お客さまの課題を聞き、できる提案を出し切る」という営業スタイルを強みとして生かすことができました。

日比野:プロジェクト管理の経験ですね。ものづくりもイベントも、不確定要素の中でリスクと対策を考えて進行するプロセスは共通する部分があるのです。

白石さんと私のように、積んできた経験が異なっていても、それぞれの強みが活きる場面が必ずあります。企画もメンバーみんなで作り上げていくので、異なるルーツを持った人が集まればそれだけイベントの可能性が広がります。強みを活かし合って、組み合わせていくような感覚です。

毎日企画書を書き直す。

妥協せず、質にこだわる

企画から実行まで担ったイベントで、印象に残っているものはありますか。

日比野:最も印象に残っているイベントの一つが「中小企業リーダーズサミット」です。「Eight」ユーザーの属性などを分析し、「中小企業の課題を解決するイベントにニーズがあるのでは」という発想から始まったもので、私にとっては大きなチャレンジでした。企画書を作ること自体が初めてでしたし、難易度の高い新聞社との共催を目指していたからです。

幸い、当社ではさまざまなイベントを主催しているため企画書の参考にできる材料はたくさんありました。最初は見よう見まねで何とか形にし、そこからは1カ月近く、毎日のように部長からフィードバックをもらい、書き直してブラッシュアップを行いました。 結果として、新聞社から声がかかり共催という形で開催に至り、集客できた人数は5,000人超え。初回から大成功を収めることができました。

企画の参考となるデータアセットが社内にあったことや、イベントの実績が豊富だったことが成功要因だったと感じます。ですがそれよりも、部長が信頼して企画から任せてくれたこと、メンバーが伴走してくれたことが大きかったですね。

白石:私にとって印象深いのは、イベント全体をプロデュースするような立場になって間もない頃、3カ月で企画から開催までをやり遂げたイベントです。それまでは営業としてイベントに携わっていましたが、加えて集客、運営、制作、システム構築など、全ての面をディレクションしなければならない点が難しいポイントでした。

最初に企画を固め、各メンバーに役割を振り分けた際に私が意識したのは「メンバー全員が同じ視点を持つこと」でした。開催まで時間がない中では、イベント開催の目的など、メンバー全員にブレない軸を持ってもらうことが重要だと考えたのです。そこで毎日、朝と夜にミーティングを設定し、方向性がずれていないかを常に話し合いながらイベントを組み立てていきました。

限られた時間の中でしたが、一人ひとりが少しでもいいイベントにしようと「これをしたら面白いのでは」とアイデアを出しますし、周りもそれを「時間がないから」と諦めることはありませんでした。

その前向きな姿勢は、システムを作るエンジニアや、クリエイティブを担うデザイナーにも共通していました。結果として生まれたのが「席替えシステム」。同じ課題を持った参加者同士が同じテーブルに着席できるシステムで、大きな反響がありました。

きっと、システム設計やクリエイティブ制作を外注していたらコスト面やスピード面で実現は難しかったのではないでしょうか。こうして一丸となってイベントを作り上げられる点も、当社ならではだと感じます。

出会いを仕組み化。

ビジネスイベントの常識を変えていきたい

今後の展望を教えてください。

日比野:Event Business部は、「イベント×データで唯一無二の出会いの場を創り出し、世界中の人と企業に『ビジネスの起点』を提供し続ける」というパーパスを掲げています。既存のビジネスイベント、特に展示会などではたくさんの人が集まるものの、ほとんどの人が他の参加者との会話や交流をしないまま帰ってしまいます。これは非常にもったいないことです。

イベントは本来、出会いの創出に優れたインターフェースを持っています。そこにさまざまなデータを組み合わせて、より質の高いビジネスの出会いを生み出していきたい。イベントの非日常空間を活用し、普段は起こり得ない行動を促し、出会いを仕組み化していくことが私たちの目指すところです。

白石:一般的なビジネスイベントは、企業が出資する目的として、リードという名刺情報を得ることがメインとなっています。「来場者が何に悩み、何を求めているか」は、現状あまり意識されていないのです。私たちは、そこに意識を置きながら、イベントの面白さやイベントならではの心が動く瞬間を大切にして、ビジネスイベントの常識を変えていきたい。それが、今のEvent Business部ではかなえられると感じます。

最後に、どんな人と一緒に働きたいですか。

日比野:イベントの仕事は、わくわくをつくる仕事です。その意味では、この記事を読んでわくわくする人はとても向いています。また先ほども言ったように、どんなバックグラウンドを持つ人でも活躍できる場面があるので、より自発的にものづくりやイベントづくりに関わりたい、ビジネスづくりに関わりたい、現職で培った専門性の延長でさらに企画から事業に携わりたいと思う人にはいい環境ですね。

白石:向いていると思うのは、スピード感を持って柔軟に仕事ができる人です。意思決定のスピードが速い組織なので、目標達成に向けた道筋や意図を理解して対応できる、柔軟性がある人。加えて、臆せず意見を言える人でしょうか。イベントの当たり前を変えていくために「こちらの方がよりよい体験になるのではないですか?」と、事業を自分事化して発言できる人と一緒に働きたいです。