レバノン南部で市庁舎にイスラエルの空爆、市長ら16人死亡 (original) (raw)

レバノン南部ナバティエで市長ら6人死亡、イスラエルが空爆

10月16日、レバノン治安当局筋は、イスラエルの空爆により南部ナバティエの市長を含む6人が死亡したとロイターに明らかにした。 イスラエルとの国境に近いレバノンのMarjayounで撮影(2024年 ロイター/Karamallah Daher)

[ベイルート 17日 ロイター] - レバノン南部の主要都市ナバティエの市庁舎が16日、イスラエルの空爆を受け、市長を含む16人が死亡、50人以上が負傷した。イスラエルの空爆開始以来、レバノン政府庁舎に対する最大規模の攻撃となった。

レバノンのミカティ暫定首相は、イスラエル軍が「市のサービスと避難民支援を議論する市議会の会合を意図的に狙った」と批判した。

イスラエル軍はナバティエ周辺でイスラム教シーア派組織ヒズボラ関連のインフラ目標数十カ所を空爆し、「地下インフラ」を破壊したと発表。また、海軍がレバノン南部の標的数十カ所を攻撃し、国境付近の町でヒズボラの精鋭「ラドワン部隊」が使用していたトンネル網を破壊したと明らかにした。

イスラエルのガラント国防相は北部国境付近を訪問し、停戦交渉を可能にするためにヒズボラへの攻撃を中止するつもりはないと述べた。

米国務省のミラー報道官はナバティエへの空爆について問われ、特定の攻撃についてはコメントできないとしつつも、「民間の建物が破壊されるのは見たくない」と応じた。 もっと見る

<UNIFIL施設にまた発砲>

国連レバノン暫定軍(UNIFIL)はレバノン南部クファルケラ近くの拠点で16日、イスラエル軍の戦車が監視塔に発砲し、カメラ2台が破壊されたほか、監視塔が損傷したと明らかにした。イスラエル軍はコメントしていない。

米国防総省によると、オースティン国防長官はガラント氏と同日に電話協議し、「UNIFIL部隊とレバノン軍の安全を確保するため全ての必要な措置を講じる重要性」を強調した。

イスラエルは国連に対し、UNIFILの撤退要請を出している。同部隊が武装戦闘員を国境地帯から締め出すという任務を果たせていないと長らく非難してきた。

ただこの日は、より融和的な姿勢を提示。カッツ外相は声明で「イスラエルはUNIFILの活動を非常に重視しており、同組織やその要員に危害を加える意図はない」とした上で、「UNIFILがヒズボラとの戦争後に重要な役割を果たすと考えている」と述べた。

<ベイルート空爆再開>

イスラエルはこの日、ほぼ1週間ぶりにベイルート南郊でも空爆を再開した。ロイター記者は爆発音が2回聞こえ、ベイルート南郊の2つの地区から煙が上がるのを見たとしている。 もっと見る

イスラエル軍はベイルート南郊ダヒエにある親イラン武装組織ヒズボラの地下武器貯蔵庫を攻撃したと発表。ヒズボラのコメントは得られていない。

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