205系3100番代の補助電源装置はどのような物なのか (original) (raw)

205系3100番代は仙石線転属にあたって様々な改造が施されましたが,補助電源装置の換装もその一つで,転属にあたって静止型インバータ(SIV)に換装されました。では,改造にあたって何故SIVに換装されたのでしょうか。

改造種車の都合による設置

205系は元々MGを搭載しており,モハユニットのうちモハ204側にMGを搭載していました。モハ204にはMGを備えるのが基本ですが,1988年以降に増備された編成以降は,モハユニットを3ユニット以上組み込む時はモハ204のうち1両がMGを搭載しないで電源誘導装置を搭載の上で組み込み,以前より導入されていた編成も順次この改造を受ける事になりました。この事が後の大規模転属に大きく影響を及ぼす事になります。さて,時は流れて2002年より205系の大規模転属が始まりますが,この時に改造された車両の中にはモハユニットの車両に含まれる訳ですがこの時に困ったのがMGの無いモハユニット車両の処遇でした。この中には後に仙石線に行く3100番代となる車両も含まれました。仙石線用のモハ204はMGを搭載していない物が転属して来たのです。そこでSIVを設置の上で転用される事になったのです。

205系3100番代のSIVの出自は

こうしてMGが撤去されたモハ204にSIVを搭載の上で導入された205系3100番代ですが,205系3100番代のSIVには実は複数の出自があるのです。一番最初期に導入されたM1,M2編成は新造した160kvAのSC63A型のSIVを搭載しており,次に導入されたM3編成以降のSIVについては先代となる103系からSIVを流用しているのです。205系登場時点の103系はあおば通延伸直前〜直後にかけてSC63型のSIVに交換されており既にMGを搭載した編成は存在していませんでした。2002年に205系3100番代により103系が淘汰される事になったのですが,103系のSIVはまだ換装して間も無く製造年が新しい事に加え転属して来る205系のモハ204がMG非搭載車であった事もあり都合がよく,M3〜M18編成までの16編成には103系から流用したSIVが搭載される事になりました。唯一これらと異なるのが元ナハ48のM19編成です。こちらもSIVは新製品なのですがこちらに関してはモハ204にMGを搭載していた為という理由があり,他の編成と仕様を揃える為にSIVに換装しています。

終わりに

205系3100番代のSIVは新製品の3編成と103系流用の16編成で構成されており現在では103系流用車が3編成減り,13編成となっています。しかし既に103系流用品のSIVは製造から25年が経過している事もあり機器の老朽化が進行しているようにも感じられます。