白河提灯祭り(2024年2日目) (original) (raw)
福島県白河市の白河提灯まつりを 4、50年ぶりに見ました。
2日目の夜、市内を練り歩く提灯行列と神輿を紹介します。
私なりの見物ポイントと昔話を挟んでおきます。
目次
白河提灯まつりは、鹿嶋神社の例大祭です。
昼間は鹿嶋神社の神輿を各町内順番に担いで歩きます。
町から町へ神輿を引き継ぎ、夜の提灯行列の出発地点に届けます。
担ぎ手は袴姿で神事の雰囲気を感じられます。
本記事では夜に行われる提灯行列を紹介します。
3日間行われますが、2日目の様子を写真で紹介します。
私が子供の頃は毎年行われていたのですが、今は2年に1回です。
新型コロナの影響で2024年は6年ぶりの開催でした。
◆いわれ
祭りを主催している鹿嶋神社の説明を引用します。
白河地方の総鎮守として、古くから人々の尊崇を集めてきた鹿嶋神社の例祭として、四世紀に渡り隆盛を極め、白河の人々の精神文化の歴史、いわば心のよりどころとして、伝えられてきました。現在行われている神輿の町内渡御・提灯行列・屋台・山車の引き廻し等の祭りの形態は、徳川家綱時代、藩主本多能登守忠義が神輿を寄進したことにより成立し、祭礼の型も幕府の許可を得て、別名【儀式まつり】といわれる程武家社会の格式を導入した独特の祭りで、伝統の文化として白河の地に受け継がれています。現在は、参加町も23町と当初に倍する数となり老若男女、市民をあげての祭りに発展しました。鹿嶋神社
◇各町神輿の提灯行列
上の説明では23町とありましたが、横町と田町は合同で一つの神輿を担ぎ、人手不足のために天神町が参加していないので、行列としては21町になります。
【各町の行列】
- 先達提灯:先頭で竹竿の長い提灯。丸い提灯を使います。
- 高張提灯:先達に続く提灯の集団。提灯は先達のものより大きく縦長で、竹竿は短いです。
- 神輿:各町ごとに神輿があります。鹿嶋神社の神輿は大町(2日目)が担ぎます。
- 元方提灯:しんがりの提灯。元方提灯の前に世話役の方々が行列に加わります。
◆先達
鹿嶋神社のサイトでは「せんだつ」と仮名が振られていますが、私たちは「せんだち」と言っています。
町によって竹竿の長さが異なります。
立てたままだと電線にかかって進めないので、短いものでも5m 以上はあります。
長いと 10mにもなり、かなり見上げます。
見どころの一つに先達提灯を上げたり下げたりするところがあります。
常に立てていると電線に引っかかり前に進めなくなるので、先達提灯は立てて進む時とねかせて進む時があります。
拍子木の合図でねかせた状態から起こします。
提灯のある先端から竹竿を持ち上げながら持ち手の方へ走り込んでいきます。
見物人もここが見せ場だと知っているので一緒に歓声を上げて盛り上がります。
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▽ねかせている時は燃えないように提灯を回しながら進みます。
右のような回転するタイプもあります。
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▽こちらは竿を下げて電線をよけている時の持ち手です。
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先達提灯の竹竿はかなり重く、その上、重心を取りながら進まなくてはなりません。
一人で長い時間持てないので交代しながら進みます。
横に並んでいる人が順番で交代します。
先達は練習しないとうまく進めないので練習しています。
うまく進めるようになった上で、全員が揃って進みます。
練習の成果を見てあげてください。
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今年久しぶりに見て先達が提灯を立てて進むのが短いと感じました。
先達は電線が道路を横切っていないところでないと立てて進めません。
立てて進むところを見られるかどうかは見る場所に依ります。
同じ場所で一旦提灯を立て、直ぐにまたねかせてしまう。
それが多い印象を持ちました。
昔もやっていたかなぁ。
◆高張
主に中学生が担当します。
高張もきれいに二列に並んでいるとなかなか壮観です。
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写真にしてみると高張の持ち方が気になります。
下の段の町の持ち方が私たちが習った持ち方です。
提灯が下がらないように持たされた記憶があります。
◆神輿
今回写真を撮って、愛宕町は神輿を出していないことに初めて気が付きました。
町として先達だからなのかなと一人納得していました。
写真ではなかなか伝わらないのですが、神輿の醍醐味は揉みです。
よく「揉む」と言われますが、神輿が行ったり来たり回ったりして同じ場所に留まります。
交差点など膨らめる場所があるところでよく行われます。
2日目なら駅前交差点、3日目なら四辻交差点がよく知られています。
見ている人の方へ勢いよく近づいてくるのでぶつかるのではないかとひやひやしながら見物します。
担ぎ手も自分ひとりの力で方向を決められないので、神輿の動きについていったり、これ以上進めない場所では押し返したりします。
担ぎ棒の端には神輿を担がないで神輿の方向や見物人にぶつからないように押し戻したりする人が付いています。
そんなところも楽しんでほしいと思います。
神輿は町によって性格が変わります。
ほとんど揉まないで進む神輿、揉みすぎてなかなか前に進まない神輿。
人手の数にも依るのでしょうが、本来、暴れたいのかななんて思います。
昔からあの町の神輿は暴れると言われる町がいくつかあります。
多分、今でもあまり変わっていない気がします。
各町の神輿を行列順に紹介します。
大工町
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新蔵町
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本町
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南町
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年貢町
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馬町
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中町
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大町
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横田町は田町と横町の2つの町で一つの列を作ります。
ここからは私が伝え聞いている話です。
元々鹿嶋神社の神輿は大町が担いでいたそうです。
鹿嶋神社の神輿は阿武隈川に入って渡ります。
昔、川の水量が多かった時に神輿を流してしまったことがあるそうです。
その時に田町と横町が流れた神輿を救ってくれたそうです。
それから、鹿嶋神社の神輿は1、3日目を横田町が、2日目を大町が担ぐようになったそうです。
2日目の横田町は担ぎ棒だけを担いでします。1
鹿嶋神社の神輿は神聖なのでそっと揉みます。
横田町(田町)
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横田町(横町)
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金屋町
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昭和町
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向寺
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鍛冶町
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道場町
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丸の内
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登町
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会津町
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旭町
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中田
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桜町
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◆鹿嶋神社
鹿嶋神社のお祭りなので、神輿だけでなく天狗も参加します。
いわれは知りません。
子供を連れて行って触ってもらっている方がいたので、そういう御利益があるのかもしれません。
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▽鹿嶋神社の神輿はかなり重いので担ぎ手を多くするために長い担ぎ棒を付けます。
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▽神社の関係者も参列します。
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◆きれいどころ
私が子供の頃は行列に女性は参加していなかったように記憶しています。
今は人手不足もあり、参加したいと思う女性も増え、このような形で参加しているのだと思います。
写真は2つだけですが、もっとたくさんの町で同じように参加されていました。
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◆小峰城
提灯行列を見ながら、列の切れ目にふと北の方を見ると、小峰城 2 がライトアップされていました。
小峰城の手前には白河駅の駅舎もライトアップされていました。
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◆子供の太鼓
昼間に出す屋台を沿道において太鼓で応援です。
私も小学生の頃に叩きました。
今でもリズムを覚えています。
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◆さいごに
4、50年ぶりに白河提灯まつりを見ました。
白河を離れてからはお盆に帰省した後また翌月に出掛けるのが大変で足が遠のいていました。
提灯まつりは昔、9/13-15 で行われていました。
敬老の日が月曜日になってからはその前の金土日に行われています。
私が子供の頃は毎年行われていましたが、今は2年に1回です。
夜がメインですが、昼間も屋台(山車)を出して子供たちが引いて回ったり、子供から大人まで参加します。
屋台では小学生が太鼓をたたきます。私も叩きました。
結構な期間練習します。中学生が教えてくれます。
中学生になると高張を持ちます。私も持ちました。
すこしだけ大人になった気分になります。
白河を離れてしまい、先達も持っていないし、神輿も担いでいません。
すこしだけ心残りかもしれません。
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◆参考
投稿:2024-09-18