氷河期セミリタイア日記 (original) (raw)
厚生労働省によると、2024年度の国民健康保険料の上限額は106万円で、2022年から3年連続で引き上げられたそうです。
自治体から保険料決定通知書を受け取った時、あまりの金額の高さに絶句します。
自営業者やフリーランスなどの個人事業主、零細企業には退職金がない。
ですから、税金の控除を受けて節税をしながら退職金を積み立て、将来のリタイア後に備えましょうという制度が2つあります。
ひとつは小規模企業共済です。ここに加入して掛金を支払えば、その支払った掛金全額が所得控除の対象となり、引退(退職、廃業)した際に払い戻されます。月々の掛金は1000円から7万円まで500円単位で自由に設定が可能で、満額なら年収から84万円が控除になります。
扶養控除などと同様に所得から支払った掛金を控除できるので、所得税、住民税を安くする節税効果があるということです。
またもし資金繰りが厳しい時は、それまで自分が支払った掛金から算定した限度額まで貸付を受けることもできる。ただし20年以上加入しなければ損してしまうこともあるので、目先の節税にとらわれず、十分に検討してから加入したいものです。
自分が支払った掛金を自分で運用し、資産を形成する私的年金制度です。こちらも月々5000円から始められ、掛金を1000円単位で自由に設定でき、掛金とその運用益との合計額を60歳以降に受け取ることができます。
もちろん税優遇もあります。先の小規模企業共済と併用も可能ですから、2つ合わせるとかなりの節税効果があるのではないでしょうか。
内藤氏は国保料が上がることを恐れず、“稼ぐ手はゆるめない”ことを推奨します。
上記2つの節税対策では国保料は下がりませんが、これで所得税と住民税の負担が軽くなります。
昔と違って70歳で人生を終わりにできない、90歳まで生きるのは当たり前という時代です。60歳で定年退職したとしたらあと30年以上生きなければならないのです。自分の稼ぐ力をフルにして引っ張ること、身の丈にあった生活で楽しむ能力が大切だと思います。
会社員を含め、年代別のアドバイスですが、すでに60歳を超えている人、もう会社の定年退職間近な人の多くは“勝ち逃げ”組です。
どういうことかというと、高度成長の残滓(ざんし)をひきずる頃に現役で、バブル崩壊後もそれほど給料が下がらず、預金金利が高かった時代。
“つみたてくん”などで頭金をつくって、住居を購入できたでしょう。退職金だってしっかりもらえる。 でも50代より下は同じようにはいきません。
特に50代は上の世代をみていて『自分たちも』と思うかもしれませんが、そういった希望は捨て、少なくとも年金が受給開始になる65歳までしっかり働いて貯めてください。
会社員の場合、60歳以降は希望すれば同じ職場で働けるが、給与は下がっていくことを心したいものです。
60歳から65歳まで基本的には年金がなく、収入は半分になると思ってください。悠々自適に生活していると退職金もどんどん減ってしまいますから、60歳以降は半分の生活費で暮らせるようなスタイルになるといいです。
現在30代40代の世代は“不景気の時代”を生きてきたため、それが強みです。
年齢とともに収入が上がることを期待しない世代でしょう。ある意味、堅実です。ただし結婚や出産などで働き方をペースダウンしたり、仕事を手放してしまった人も多いのではないでしょうか。今からでも遅くありません。
働ける人は働く、そして自分の子ども世代には仕事は手放すな、と伝えてほしいものです。
就職氷河期を経験した世代は、共働きも転職も当たり前。時代とともに否応なく変化してきた。言い換えると、どんな環境でも働き続けるスキルがあるということかもしれません。
しっかり働いて稼いで、国保料を含めた税を納付し、利用できるものは使っていく。弱い人たちには寛容に接し、次の世代に皆保険制度をつないでいきます。
そんな生き方を楽しみながらできたら、かっこいいという気がします。