【読書】2022年今年の本『同志少女よ、敵を撃て』『プロジェクト・ヘイル・メアリー』『フォン・ノイマンの哲学』 (original) (raw)
あまりかぜです。
今年も、どうやら無事に生きてます。ありがとうございます。
さて、印象に残った本を3冊紹介。いずれも今更かよ、と思われそうですね。
まずは日本の小説。
◆『同志少女よ、敵を撃て』逢阪冬馬
自分の中では、芥川賞や直木賞よりも遥かに信頼を置いている本屋大賞を獲った一冊。
ロシアのウクライナ侵攻もあって注目されましたが、そんなのは関係なく、とてつもなく面白い。ソ連の女性スナイパーは実在してましたし、リアリティもたっぷりです。
何より主人公はもちろん、様々な背景を持つ同僚たちの魅力的なキャラクター造形が素晴らしい。彼女たちが最後まで主人公に影響を与えていきます。
日本の小説家(しかもデビュー作)が、外国を舞台にここまで書けるというのは驚きです。
次は海外小説。
◆『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー
前作『火星の人』はマット・デイモン主演で映画化(邦題『オデッセイ』)されました。
一介の科学者(なんなら教師)があれよあれよと人類の命運を担う存在になって、出会ったもの。そして最後の選択とは。
すこし未来の話ながら、主人公は全くもって現代人のおっさんそのままです。同じおっさんとしては、格別感情移入もしやすかった。
海外のファンが映像化している主人公の相方を見ながら読み進めると更に楽しめます。
これも映画化されるんじゃないでしょうか。
最後はノンフィクション。
アインシュタインに並ぶ天才と称されるフォン・ノイマン。ですがむしろレオナルド・ダ・ヴィンチと比較してもいいと思います。それくらい現代のあらゆる分野に影響を及ぼし、人々の生活を変えたのが彼の数々の理論です。
一方で科学至上主義というか強烈なタカ派として、政府に助言する立場にいた事実。50代でガンで亡くなりますが、彼が生きていたらアメリカはソ連に先制攻撃していたかもしれないのです。別の意味で世界を変えていたかもしれません。
悪魔と呼ばれるゆえんです。
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