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私は2024年8月6日付で日本共産党を不当に除籍・解雇されました。
この件について、簡単な経過を知りたい方は、以下の記事をお読みください。
この事件は一言で言えば、ありもしない「規約違反」に問われ、不正な手続きとパワハラで追放された事件です。規約に違反し許されない行為を重ねたのは、私ではなく党幹部の方です。
党幹部の規約違反や不正をただし、日本共産党が今の政治情勢にふさわしい役割を発揮できるように、引き続き私はがんばります。
(この記事は、ブログのトップに一定期間置いておきます。)
(以下は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方は24年8月20日付の記事を先にお読みください。)
私がありもしない規約違反容疑にかけられ、そのための公式調査は23年6月から翌24年8月まで1年3ヶ月、23年3月に嫌疑をかけられて予備の査問が行われた時期を含めると1年半もの長い間、私は共産党幹部から取り調べを受けることになりました。
“取調べでは殴ったり怒鳴っていないからセーフ”というのが党幹部の主張ですが、果たしてそうでしょうか。
その期間は、その時々の尋問の苛烈さや各種のハラスメントはもちろんですが、直接の取り調べ時間以外にもずっと、「決定」を楯に自己批判を強要され、解雇や追放を脅され続けた状態になっているわけですから、不安が尋常ではなく、大変な精神的苦痛を受けました。「拷問」という言葉さえ浮かび、文書で中止を何度も党幹部に申し入れましたが、無視されました。
山林に自由存す われ此句を吟じて血のわくを覚ゆ
一体なぜ党幹部は私をこんなに長い間「調査」したのでしょうか。
私はそのことについて2023年12月7日の公式調査の場で、尋問を担当した共産党福岡県副委員長のB氏・C氏に率直に尋ねました*1。嫌疑をかけられて9ヶ月、公式調査が開始されてすでに5ヶ月たっていた時点です(文中に出てくるA氏はもう1人の県副委員長で、私の調査の責任者です)。
私は「権利制限」という名目で、仕事をすべて取り上げられ、職場の同僚などとの接触を禁止されていました。
神谷 6ヶ月権利制限かけて調査しているけど最初の論点からほとんど変わっていない。6ヶ月っていうのは24時間×30日×6ヶ月で4000時間を超えるんですけど、(調査で)話したのは1、2時間ですよ。なんでこんな時間をかけて権利を制限され続けているのか、本当に理解に苦しみますよね。党活動はほとんどすべて禁止されて、挙げ句の果てに(党市議団事務所の)引越しの手伝いまで禁止されるって、(私の)給料もらうために事務所に出入りすることもまかりならん、禁止されるっていうのは、「必要な範囲で」(規約48条の規定)権利を制限するというのを超えてますよね。すぐやめてほしいんですよ。それだけ時間かけて一体何を調べているんですか。なんでこんなに時間がかかるんですか。単に私をいじめたり、人間関係を絶って「こいつに同情させないようにしよう」っていうふうな、大企業でよくやっているいじめと同じではないですか。だってこんなに長い時間かけるっていう必要性を私、感じなかったですもん。Aさんに聞いたって、説明もしてくれないですよ。どう思います、それ。私、精神病んでるし。
C氏 だから(尋問再開を)1ヶ月おいたりさ。最初に(尋問は)3人でやったけどさ、減らして2人したり。*2そういう配慮は我々したわけですよ。確かに対話の時間が少なかったのは、僕らも増やしたかったけど、我々自身の活動の忙しさもまあ色々あったってことなんですよね。
C副委員長はあたかも私の病気に気遣っているかのような言い訳を少しします。しかしすぐにそれを投げ捨てて「活動が忙しかったから」と弁解しています。
「神谷の病状に配慮」?
実は、「神谷の病気に配慮して調査が長引いた」という言い訳は、この12月から急に始まり、12月23日の県党会議の結語で本格的に採用され、その後県内の党員用にくり返し喧伝される、輝かしき「公式の言い訳」に昇格します。
しかし、私が精神疾患を告げた23年5月から同年12月まで私はそうした言い訳を聞いたことはありませんでした。実際に23年9月ごろに「なぜこんなに調査に時間がかかるのか」と調査責任者のA副委員長の電話で尋ねたのですが「あんたには言われん!」と怒鳴られました。それ以降もA副委員長に問い合わせのメールを送りましたが、なしのつぶてでした。「病状に配慮している」人への態度では、およそありません。
そして、「神谷の病状に配慮して」という「公式の言い訳」が登場した23年12月以降にも、私は、党幹部から一度として私の病状について尋ねられたことはありません。
気遣う言葉がない、とかそういうレベルの話ではありません。
もし本当に私の病状(精神疾患)に配慮して尋問のペースを落としているなら、私に対して病状を尋ね、どれくらいの間隔が適切なのかを私との間で相談し、調整するはずです。純粋に実務的な必要が生ぜざるを得ないのです。しかし、党幹部は私の病状を照会する電話もメールも一度としてしてきたことはないのです。
私がどれくらいの頻度で医者に行ってるのか?
私はどんな名前の薬を飲んでいるのか?
私の病気への対応は、何に注意する必要があるのか?
現時点で、党幹部は何一つ答えられないのではないでしょうか。
それもそのはずです。
私の病状になど本当はなんの関心もなく、単に調査を長引かせていることの「言い訳」に過ぎない可能性が濃厚だからです。実際、その後の公式調査の日程も私の病状聴取など一切なしに党幹部の都合で提起されました。
だからこそ、幹部内で意思統一される前だったであろうC氏は、この問答において「神谷の病気に配慮した」という「言い訳」が貫けず、「いろいろ忙しかったので」というホンネを吐露してしまっているのです。
こころまゝなる人間は、いつでも海が好きなもの!
B副委員長「松竹問題との関わりがあるから」
この「いろいろ忙しかった」という中身は、私が第2回公式調査の問答においてB氏とC氏をただしていく中で、やがてB氏がうっかり白状してしまうことになります。
先ほどのやり取りの続きです。
C氏 〔…続き…〕確かに対話の時間が少なかったのは、僕らも増やしたかったけど、我々自身の活動の忙しさもまあ色々あったってことなんですよね。
神谷 だって5ヶ月やってきたけど、なーんもなかったですもん、最初に(調査を)やってから。1回目(の調査が)あったけど、「反省してるか」っていうだけ。忙しかったらお前の権利なんかどうでもいいんだっていう感じで…(C氏「そんなことはない!」)じゃあなんで5ヶ月も放置されるんですか。仕事を取り上げられるっていう屈辱感と、誰とも会うなという命令。じゃあなんで(市議団事務所の)引越し(の手伝い)まで禁止されるんですか。引越しの手伝いを禁止する「合理的な理由」ってあります? で、給料取りに行くときにそれ(職場の同僚との接触)を封じるっていう。市議団の引越しを手伝うってやっていたらわざわざ(A氏から)電話がかかってきて、「お前は手伝うな」と。「給料もこれからは(職場に)取りに行かんでよし」と。「取りに行きますよ」と言ったら「まかりならん」と。「現金書留で送る」と。家に(給料が)送られてくるんですよ。
B氏 それはA副委員長が?
神谷 Aさんも言いましたし、(財政担当の常任委員の)Dさんも言いましたよ。おそらく書記長が(そうやれとAさんやDさんに)言ってるんでしょうよ。不適当だと思いません、これ? こんな長いこと、こんなふうになってるって。「必要な範囲で権利を制限する」というのが規約(48条)の定めですよ。「必要な範囲」超えてるでしょ、合理的な。
C氏 (数秒沈黙)まあ、わかりました。神谷さんのおっしゃっていることは。
神谷 (適切か不適切か)認識も言えないんですか。
B氏 ここはまあ細かいことは。役員としての権利制限ということで。どこまでっていうのは…。
神谷 (権利制限の一つである)「会議参加を禁じる」ということだって、(会議には参加させた上で)「この件は議題にしないでね」っていうやり方もあると思うのに、なんで全部の会議を制限したりするのか、活動も一切まかりならんっていうふうにするのはなんでなのか、説明がつかないじゃないですか。だから権利制限は一刻も早く解いてくださいっていうことですよ。悠長に…。
B氏 松竹氏との関わりがあるから、慎重に検討して相当議論を重ねてきたのは間違いないんですよ。ポンポンポーンと決めるわけにいかんし、我々自身が整理しないといけないし。制限についてもいろんな心配をして。
神谷 じゃあ今の段階でもそういう認識はお持ちでないんですね。不適当だと(いう認識は)。合理的に「必要な範囲」を超えてるでしょう。期間も。範囲も。そして私が精神疾患に追い込まれているということについての影響も。そして中身も仕事をぜーんぶ取り上げて、人間関係も絶たれて。ライン(グループ)も切られましたよ。
C氏 常任委員としての…。
神谷 いやいや常任委員会のライン(グループ)だけじゃなく、市議団のライン(グループ)も切られたんです。「県委員会からの指示で切るように言われました」って。いじめと同じですよ、これ本当に。「仲間外れ」だってされたんです。そんなことお聞きになって「知らんなあ」っていうふうに、「適当(適切)かもしれんなあ」って思うんですか。
B氏 松竹問題とかが関わっているのでその影響が…。
神谷 明らかに合理的な範囲を逸脱してるでしょ。影響があればどんな仕打ちをしてもいいってことになるじゃないですか。
B氏 いや「どんな仕打ちでもしていい」っていうか、一つ一つ判断している。
神谷 一つ一つ示したじゃないですか。それについていいとか悪いとかなんも言わないと。そういう立場なんでしょうか。
B氏 そう。
神谷 そうだと。6ヶ月経って結論が出てこなかった問題ですよ。下調べまで含めたら1年近くこんなことやっているわけですよね。そこまでやって結論が出てこない問題としては規約違反ということが確認できなかったということをきちんと言ってほしいと思うんですよ。
C氏 んなことないよ。
神谷 6ヶ月経って客観的に見たら人間関係の切り離しを行なって、影響力がないようにして、仕事の尊厳や誇りを奪って、ずーっと精神的ないじめを続けて、音をあげるまでやって、「まだだ。まだこたえてないな」っていうことで「引き続き調査する」っていうことで言ってるわけじゃないですか。
B氏 そんなことは言ってない。
神谷 だって6ヶ月かけて(証拠が)出てこない。
B氏 すでにこっちが認定している問題はあるんだけども、さらにそれ以外の問題でどう検討してくかっていうことで、検討に時間がかかった。時間の問題じゃないですよ。
神谷 「時間の問題じゃないよ」と言ってこんなに長い時間やり続けていることは私の精神的にももちませんよ。こんなやり方してもらったら。どう考えているんですか。
B氏が 「松竹氏との関わりがあるから、慎重に検討して相当議論を重ねてきたのは間違いない」と、「間違いなく」言っています。「松竹問題と関わっている」「それ以外の問題(ブログ問題以外)で検討に時間がかかった」ともくり返し述べています。私の病状配慮という言い訳はほとんど出てこないことがわかると思います。
「神谷は松竹氏と分派を組んでいる」「神谷は松竹氏と同じ綱領否定派だ」——そういうでっち上げストーリーのパズルにハマるピースを1年半かけて必死で探したが、結局何も見つからなかった、ということでしょうか。
それとも、私が不安のあまり心身を破壊されることを狙っての、長期にわたる「嫌がらせ」なのでしょうか。
いずれにせよこの経過(というか議事録)を見れば、「病状に配慮したから長引いた」という党幹部の言い訳は通用しないことは明らかだろうと思います。特に「時間の問題じゃないですよ」と最後にB氏が述べているのに、時間をどうかけるか・かけないかは何も関係がないと述べている通り、私の「病状への配慮」などそこにはない、と見る方が自然です。
実際、最後の除籍の「協議」(2024年8月16日)やそれを準備する段階での下記の決定を見れば歴然ですが、党幹部は、私が精神疾患のために書面による協議を求めたことを、一顧だにせず無視し、対面を強要しました。
あなたの除籍にあたっての協議については、書面ではなく面談でおこないます。その日程について、8月16日(金)午前11時からとします。会場は県委員会新館2階です。出席をもとめます。
なお出席しない場合は、協議を拒否したものとみなします。
2024年8月8日
私の病状などに何も配慮していないことは、この有無を言わさない、冷酷な文面からも明らかだと思います。
(以下は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方は24年8月20日付の記事を先にお読みください。)
私の除籍が正当か不当かは、私がもし裁判をすればおそらく最大争点の一つになるでしょう。そして、私は、私の行動が規約違反だったかどうかという問題とは全く 別に、私に対して、処分ではなく、除籍を適用したことは全く当を得ていないと考えています。
この記事のまとめ
この記事を最初に簡単にまとめておきます。
一言で言えば、除籍は「党員の資格を明白に失った」場合に適用されるので、私は「規約を認める」ことを明言しているため「明白」には失っておらず、除籍は適用できないということです。
万が一私が規約違反をしていても、私と党幹部の間には違反をめぐり争いがあるので、それは除籍ではなく除名などの「処分」で対応すべきものです。党員を気軽に追放する「カジュアル除名」として除籍を濫用すべきではありません。
「山本周五郎の謂う『汚い本棚』」(筒井康隆『大いなる助走』より)
この記事のもう少しだけていねいなまとめ
もう少しだけていねいに言います。
党幹部は私を不当解雇しましたが、その理由は私が除籍され党員ではなくなったので、党員であることを前提とする党職員の要件もあわせて失った、というものです。
しかし、除籍は「党員の資格を明白に失った党員」を党員リストから外すという措置であり、①実は18歳未満だった、②実は日本国籍がなかった、③実は綱領と規約を認めていなかった、のどれかにあたる人がそうなります。
「明白に」失うというのは、①年齢や②国籍のように、外から見て誰もがわかるものです。③綱領と規約についても、外から見て誰もがわかる場合に適用されるものです。「認めません」と明言する、もしくは「認めますか」と聞いても「認める」と答えなくなる場合に適用されるべきものです。
「認める」と言っているけども、実際には規約を否定している可能性がある場合、つまり組織側と被疑者の間に争いがある場合は、「明白」とは言えません。
その場合は、除籍ではなく、規約の「処分」に関する手続きにのっとって、慎重に調査審議して判断されることになります。つまり違反を認定した上で、除名によって外に追い出したり、他の処分を適用したりします。
私は繰り返し「規約は守る」と明言しているので、「明白」には、つまり外から見て誰もがわかる形では資格を失っておらず、除籍を適用することはできません。
私の場合は、仮に私が規約違反であったとしても、除籍ではなく、処分の手続き(規約第48〜55条)にそって除名なり警告なりが行われる必要があります。
つまり、私への除籍適用は無効だということです。
そして、こういうことは全国の共産党組織で起きており、党幹部は規約を逸脱して、自分の気に入らない人の組織的排除のために、「カジュアル除名」として除籍を濫用すべきではありません。
以上が、私の言いたいことの要旨です。
以下は解説なので、時間のない方・興味のない方は読まなくても結構です。
除籍とはどういう措置か
そもそも除籍とはどういう措置でしょうか。
特に、共産党のことについて詳しくない人は、除名との違いがよくわからないと思います。どちらも党からは結果的に追い出されるからです。
簡単に言えば、除籍は、「党員であることの資格を失ったから党員の名簿リストから消す」という、事務的な措置なのです。
たとえば地域の俳句クラブの会則で、クラブに入る資格を「福岡市に住んでいる人」という条件をつけていた場合、Aさんが福岡市から引っ越ししたら、自動的にその俳句クラブの名簿から消されるようなものです。自動退会に近いニュアンスですね。別にAさんがルール違反をしたとか、そういうことは一切関係ありません。
これに対し除名などの「処分」は組織としての罰(制裁)です。
規約を破るという悪い行為をしたかどうかを認定した上で、その悪さに応じて処分の重さを決めるのです。裁判で罪と罰を決めるのに似ていますね。
先ほどの俳句クラブの例で言えば、例えば「盗作したら除名」という会則があれば、罰として除名(追放)されることになります。その際「俺は盗作などしてない」と本人が言えば、それも審査することになります。まさに裁判ですね。「引っ越しで名簿リストから消える」とは、だいぶ意味合いが違うことがわかると思います。
「除籍は事務的な措置」、「除名は罰」なのです。
除籍と離党は近い措置、除名などの処分は全く別に定めている
日本共産党の規約をごらんください。
除籍は党規約の第2章の終わりにあって、離党も同じ2章の中にあり、除籍のすぐとなりにあります。離党に関する条項は2章の10条、除籍は2章の11条です。
これに対して、除名などの処分は規約の第11章の「規律」というところに定められています。
除籍と、除名などの処分は、規約上全く別のものとして扱われているのです。
除籍と除名は遠いけど、除籍と離党は近いのです。近いので同じ章でまとめられているのです。
なぜ近いのでしょうか。
離党は自分の意思で党から離れることです。それに加えて、自分の責任ではない場合も「離党」扱いにすることが定められています。党活動に1年以上加わらなかったとか、党費を1年以上納めなかったとか、そういう場合だよと10条に書いてあります。
先ほどの俳句サークルの例で言えば、サークルには入ったけど、1年以上サークルに来ないし、会費も納めない、という人ですね。いわゆる「幽霊部員」です。
共産党の現場では「未結集党員」などと言ったりします。
実は共産党の規約では、この「未結集党員」を名簿リストから消すことは長く「除籍」として扱われてきました。1994年の第20回大会で規約を改正し、長期にわたって活動していない党員は、本人と協議(つまりこの「協議」は意思確認ていどのものです)した上で、離党扱いにすることにしたのです。
離党なので本人からの申し出が必要だろうと思われますが、「その人の責任ではない」という意味で離党扱い、いわば「準離党」としているのです。第20回大会では、この規約改正の趣旨を「これらの同志は党員資格の欠格者などでなく、働きかけて結集すべき人びとなのだという認識がより明確になります」*1と報告しているように、組織の側がその人の面倒を見ずに放っておいたことが活動しなくなった原因なんだからその人のせいではない、という意味のことを述べ、だから離党として扱います、としたのです。
逆に言えば、この規約改正で、「党員資格欠格者」が除籍されることに限定されました。実は日本国籍がなかった、とか、実は18歳未満だった、というような場合ですね。
いずれにせよ、離党と除籍の境目がもともとあいまいなものであり、両者は親戚のように距離が近い措置であることはわかってもらえると思います。
俳句サークルの例で言えば、自分から「やめます」(退会)というのと、福岡市から引っ越ししたので名簿から消された(除籍)というのとが、なんの色合いも含んでいない、同じような事務的な措置だということです。 1年以上サークルに来ない人を「退会」「除籍」どっちにするかは微妙だけど、同じようなグループなのです。盗作をして罰として除名されるのとは全然ニュアンスが違うのがわかってもらえるでしょうか。
除籍とは「第四条に定める党員の資格を明白に失った」場合になされる
ここで党規約の除籍条項をちゃんと見ておきましょう。
党規約第11条には
党組織は、第四条に定める党員の資格を明白に失った党員、あるいはいちじるしく反社会的な行為によって、党への信頼をそこなった党員は、慎重に調査、審査のうえ、除籍することができる。
とあります。
除籍には2タイプあるのです。
- 第四条に定める党員の資格を明白に失った党員
- いちじるしく反社会的な行為によって、党への信頼をそこなった党員
です。
私の場合や砂川絢音さんの場合は1.を適用されています。(2.については今回は関係がないので、議論しません。)
「第四条に定める党員の資格」とは何でしょうか。規約第4条にはこうあります。
十八歳以上の日本国民で、党の綱領と規約を認める人は党員となることができる。
①実は18歳未満だった、②実は日本国籍がなかった、③実は綱領と規約を認めていなかった、のどれかにあたる人になってしまうということです。
これは例えば、私が日本国籍を実は持っていないことがわかり、そのために除籍=名簿リストからの削除が行われるということです。
「明白に失う」とは?——外形性=外から見て誰もがわかるものが必要
では「明白に失った」とはどういうことでしょうか。
結論から言えば、外形性、つまり外から見て誰もがわかるものがあれば、それは明白と言えます。
例えば「十八歳以上の日本国民で」という部分は、年齢と国籍です。年齢や国籍は戸籍など客観的に証明できる材料がありますから、争いの余地がありません。外形性=外から見て誰もがわかるものがあるわけです。いくら組織の側が「あなたは母親はドイツ人、父親は中国人ですよね。ですからあなたが日本国民とは言えないことは明白だから除籍します」と言い張っても「いえ、私、パスポートを持っていますので」と言えばおしまいです。
これくらいに明白だからこそ、事務的に名簿から消せるのです。
そして、除籍にも一応「慎重に調査、審査のうえ、除籍することができる」「除籍にあたっては、本人と協議する」とあるわけですが、その「慎重」さとは、ちゃんと年齢や国籍について組織の側が証拠を持っておくという程度のものです。証拠もなし「なにぃ、お前が20歳? どう見ても15〜16歳だろ!? だいたい高校行ってるじゃないか!!」と言って党籍を剥奪してはいけないということです。その人が事情があって20歳で高校に通っていたら、とんでもないことになるからです。「協議」はそれを確認するというレベルのものにすぎません。「あなたは高校2年生ですよね? いったん入党してもらったんですが、18歳未満の人は共産党には入れないんですが…」と協議の場で切り出して、「私、実は長く入院してまして、遅れて高校に入ったんです。それで今高校2年生ですけど20歳です。ここに住民票もあります」という申し出があれば、協議によって除籍しなくて済むわけです。
後で見ますけど、除籍にともなう調査や協議は、規約の「処分」のところ(第11章)で定めているさまざまなハードルの高さ(調査審議の要件、意見表明機会の機会保障、処分決定の割合など)とはまるで違います。
では、党員資格である「党の綱領と規約を認める人」はどうでしょうか。
これも同じです。
「党の綱領と規約を認める」ことが、外形性、つまり外から見て誰もがわかるものがあれば、それは明白と言えます。
それは「はい、私は党の綱領と規約を認めます」という言明や書面です。
共産党の入党申込書には「私は党の綱領と規約を認めます」と書いてあって、それにサインをして入党します。
それがある人は外形性があるので、誰でも明白にわかります。
逆に言えば、公然と否定するような場合は、外から見て誰もがわかる形で「党の綱領と規約を認めていない」と言えます。「規約とかそんなもん、どうでもいいよ! 俺は認めねえ! 憲法の方が大事だ!」などと言ったりする場合ですね。
あるいは「規約を認めますか?」と聞かれて答えない・黙っている場合もそうだと言えます。「認める」とは言えないということが外形的にわかるからです。
これくらいクリアだから、その人が資格を「明白に失っている」と自信を持って適用できるわけです。
党幹部がいくら「あなたが規約を認めていないことは明白だ」と言ったところで、仮に大声で5万回言っても、相手に「いえ、私は党規約は認めます」と言われれば、ちっとも「明白」ではないです。
第20回党大会で、規約の一部改定についての中央委員会報告(小林報告)が行われており、そこでは「除籍と除名の違いがわかりにくいので、除名に一本化したらどうか」という疑問に答えて、次のように述べています。
ある党規律違反行為にいかなる処分が妥当かは、規律違反行為の内容や程度、党にあたえた損害、本人の立場などよってきまり、訓戒から除名まであります。除籍の場合は、規律違反行為の有無あるいはその程度とは別に、一部改定案や「提案説明」でのべているように、その言動から明白な党員資格欠格者となっている者についての措置であります。(「前衛」臨時増刊号、20大会特集、p.159)
ここでは「規律違反行為の有無…とは別に」除籍される、とあります。
除籍は規律違反者に行われると思っている人にはびっくりする言葉だと思います。
「有無」。「ある」ことと「ない」ことです。
えっ、ということは規律違反がなくても除籍することがあるの!?
そうです。
規律違反(規約違反)をしていないけども、例えば「私はもう規約を認めません。民主集中制とかおかしいですもん」と、公然と宣言するようになれば、つまり「その言動から明白な党員資格欠格者となっている」場合には、除籍されるのです。(これは前に言ったように、党内では「民主集中制を定めた今の規約はおかしい」と述べるけども、「改正されるまでは今の規約を守って活動します」と述べているなら問題はないことはいうまでもありません。)
その次にある「(規律違反行為の)その程度とは別に」という文言も、同じです。
例えば、小池晃さんは、パワハラで警告の処分を受けました。処分の中では一番軽いものです。もし、その時、小池さんの言動がどうもおかしいなと思って、他の幹部が「小池さん、あなたは規約を守る気があるのですか」と聞いたときに「いや、もう私は党規約は守るつもりはありません。いちいち守っていたら活動なんかできませんよ」と言ったらどうなるでしょうか。
その場合は、やったことは規約違反でその重さは警告相当の処分だけど、その問題とは全く別に、つまり「その程度とは別に」、規約を守る気はないと言明したわけですから「その言動から明白な党員資格欠格者となっている」ことになります。つまり除籍されることになります。規約違反としては一番軽い処分の当たるものですが、結果としては党から追放されてしまうことになります。
紛争になっている場合は外形的な明白性がない
こうしてみれば外形的な明白性、つまり外から見て誰もがわかるものがあることが除籍の不可欠の条件であることがわかります。
問題は、組織側は「お前は規約違反だ」と言っていて、被疑者が「いや私は規約違反などしていない」として、紛争になっている場合です。その場合はどうでしょうか。
この場合は、外形的な明白性がありません。
「いやいや! あいつ、『こういうグループ作ろうや』って、大会の会場でビラ撒いたんやで。誰が見ても分派やし、規約違反やん。規約なんか守る気ないのはめちゃくちゃはっきりしてるで」という人もいるかもしれません。
それでも本人なりに理屈があって「私は規約を守っている。規約を否定する気などない」と言っている場合があります。
その場合は、やはり紛争になっているわけですから、外形的な明白性はありません。国籍がない、年齢が範囲外と同じような、事務的な措置である除籍を適用してはいけないのです。
したがって、規約違反かどうかを認定して、処分の重さを決めるという、規約第11章(48〜55条)の処分プロセスに入らないといけません。
処分プロセスには厳格なハードルがある
規約第11章(48〜55条)に定めてある処分プロセスは、除籍とは違う厳しいハードルがあります。それはそうです。裁判と同じですから。
- 調査が重い。:最大6ヶ月の権利制限をかけてじっくり調べることができます。
- 決定の方式が具体的。:除籍はどこで除籍を決めるかは具体的に書いてありませんが、処分の場合は所属する単位であることを明確にし、その総会であることを求めています。
- 役員はもっとハードルが高い。:一般党員は過半数で決まりますが、機関の役員の場合はさらに構成員(出席者ではなく)の3分の2以上の賛成という、一般党員よりもかなり高いハードルを設けています。
- 本人の弁明が保障されています。:処分審査の場では、被疑者に対して「十分意見表明の機会をあたえる」ことになっています。除籍は「協議」としか書かれておらず、「十分意見表明の機会」は定められていません。
- 除名はもっとハードルが高い。:除名の場合は、さらに慎重になるように定め、除名が決まってからも、その上の機関が承認する場合でも「関係資料を公平に調査し、本人の訴えをききとらなくてはならない」とワクをハメています。
- きちんと文書で残します。:処分決定後も組織側に本人への内容・理由を書いた通知義務などが課せられています。
- やり直しができます。:不服がある場合に再審査をすることができます。
これらはいずれも除籍にはありません。「調査」「協議」などパッと見で似たものがある場合でも、全く質が違うことは、比較されればすぐわかると思います。
つまり、組織と被疑者の間に紛争があるような場合は、こうしたいわばめちゃくちゃに高いハードルを超えないと認定も処分もできなくなります。裁判と同じようなわけですよね。
「資格がありませんね。じゃあ名簿リストから消しますよ〜」という、事務的な手続きである除籍とは全く違うものであり、処分がわざわざ「規律」という別の章でくくられている意味も、こうしてみて初めてお分かりいただけると思います。
逆に言えば、規約違反がそんなにはっきりしているなら、両者に紛争があっても、処分プロセスをちゃんと通れば、みんなは「こいつはひどい違反をしている。除名しよう」ということがすんなり決まるはずです。
紛争があるのに組織幹部が勝手に「こいつの違反は明白だから」と言って、一方的に除籍プロセスで党から追い出したりしたら、むしろ組織幹部が党内裁判である処分プロセスにかけるのが怖くて(自分が負ける可能性があるので)、やってしまったという疑いが持たれてしまうことになるのです。
私を追放するなら処分プロセスでやるべきだった
私の場合はどうでしょうか。
私は書面(メール)でも、そして言葉でも、明確に「自分は規約を認めるし、規約を守る意思があるし、規約を守っている」と言っています。
党員欠格者であるという外形的な明白性が全くないことがわかるでしょう。
除籍プロセスに乗せては絶対にいけないのです。
それでも、私が規約違反だというのなら処分プロセスで解決(決着)させるべきだったのです(もちろん、私は規約違反などしていませんが)。そして党幹部によれば私は「重大な規律違反」をしたそうですから、処分プロセスに乗せて、除名を提案すればよかったのではないでしょうか。そして、当時私は県役員でしたから、構成員の3分の2以上の賛成で、除名を決めたらよかったのです。
党幹部が私の規約違反が「明白」だというなら、みんなすんなり賛成してくれたことでしょう。
しかし、私の規約違反容疑の調査が終了して、その調査結果と処分提案が県委員会総会で公表され、それに対して私が「十分意見表明の機会」を保障されることはついに一度もありませんでした。
私は2023年9月9日にその審査のための総会が開かれると聞いたので、音声や映像も含め、数十ページに及ぶ資料を人数分(65部)用意し(数万円かかりました)、経過や規約の解説などを含めた数時間に及ぶ意見表明原稿を用意していました。総会の出席者はいつもまともにそろわないので、構成員の3分の2以上がいくつの数になるかなどを厳密に計算したりしました。党幹部が不正をして強行採決した際の動議などもいくつか用意しました。また私の弁明を否定する会場からの発言に備えて、それへの反論原稿も、あらゆる角度から用意しました。でもそれは全部パーになったのです。9月6日に中止が周知されてから、認定と処分のための総会は永遠に開かれることがなかったからです。党幹部はその勝負から逃げ、規約に背いた安易な道(除籍濫用)に走りました。
私は除籍プロセスではなく処分プロセスで始められた
私は除籍プロセスではなく、処分プロセスで始められたことは明らかです。
まず、私への調査を決めた2023年6月21日の党県常任委員会決定は次のように書いています。
党規約に違反する規律違反について、深く自己批判すること、県委員会総会の議論を公表したブログを削除すること、これに応じた場合は、自己批判を踏まえて処分の指導要請を中央に提起する。できない場合党規約48条に基づいて権利制限をした上で、調査することになる。その場合、常任委員会で権利制限を決定し、規約に基づく調査を進める。 〔…中略…〕 これは異論を持つメンバーを指導部から外すものではない。規律違反について、調査・審議の対象となった党員の権利を党規約48条に基づいて制限するものである。
決定文書中に二度も「党規約第48条に基づいて」とことわりを入れています。つまり党規約第11章の処分プロセスで私の調査を始めることを明言しているのです。
さらに、私を排除して開かれた2023年8月下旬の地区委員長会議・福岡市議団会議などの一連の会議での県委員長の言明です。
それでこっから先は今中央委員会にやってて、経過を説明した上で党規約に基づく 処分の指導要請を中央に上げています。これはまだ返事が返ってきていない。返ってきてから県委員会総会になる。県常任が(中央に)上げている指導要請というのは彼の常任・県委員からの罷免ということ。それで処分(案)を上げています。
除籍プロセスではなく、処分プロセスで調査をし、処分案まで書いて中央にあげていることがはっきりとわかると思います。
だからこそ、私は、調査が終了して私の「容疑」というものの全容が明らかにされること、それに対して自分が「十分意見表明の機会」を保障されるのをじっと待っていました。*2
しかし調査はいつまでたっても終わらないし、それがゆえに「意見表明の機会」も全く訪れません。一体どうなるのだろうと不安に思っていたところに、いきなり2024年8月6日に「あなたの除籍を決定した」という青天の霹靂の通知でした。
- 調査が終了して、調査結果の全容を私に伝えたこともない。
- それに対する意見表明の機会もない。(調査結果がないからできません)
- 処分プロセスではなく除籍プロセスに、なんの通知もなく変わっている。
- しかも「規約は守る」と私はくどいほど表明していた。なのに除籍。
というあまりにも驚くべき結末でした。
行政手続法にはその人に不利益な行政処分をする際には「告知・弁解・防御の機会を与える」という原則があります。これは不利益を相手に与える場合に、一般的に必要になる原則だと思います。しかし、私の今回の除籍は、どれも全く欠いてることがわかるでしょう。規約を離れて、一般的な感覚や条理(裁判などにおいて標準となる社会生活の道理)にたってみても、それを全く無視したやり方ではないでしょうか。
そして決定したからあなたと「協議」します、と言って日程を通知してきたのです。
決定した後に協議する…?
これも一般的な感覚や条理からすると不思議きわまるものです。
除籍に際しての協議が国籍や年齢の確認のような事務的なものであっても、それはやはり決定の前に確認すべきことであって、わざわざ決定した後にやるのはおかしなことです。
ましてや、単に綱領や規約を認める・認めないの事務的な確認にとどまらず、党幹部側が「そいつが綱領と規約を『認める』と言っても信用できない」というほど不明瞭で複雑なものであるなら、絶対に決定の後に協議などしてはいけません。党幹部の私への対応はまるで条理に沿っていないのです。
浜野忠夫副委員長はなんと言っているか
浜野忠夫氏の『国民に開かれた党へ——日本共産党新規約のはなし』(2001年)は、浜野氏の個人著作ですが、浜野氏は日本共産党副委員長の著作であり、現在も共産党の講師資格試験において試験会場に持ち込み可能な文献の一つです。いわば2024年においても共産党のオフィシャルな参照文献なのです。
この中で浜野副委員長はなんと言っているでしょうか。
重大な規律違反で、党と国民の利益を裏切り、党に打撃をあたえた党員に、「処分」をおこなわないで第十一条による党員資格喪失者として、除籍で処理するのは正しくありません。(p.73)
私の行為は、党の県常任委員会(2023年6月21日決定)でなんと言われたでしょうか。
重大な規律違反を行なった以上、自己批判できなければ、党員の資格を問われることになる
ご覧の通り、「重大な規律違反」だとしています。*3浜野氏に従えば、私には、除籍による処理ではなく処分を行わなければならないはずです。
私への対応(処分をやめて除籍で済ましたこと)は、党のオフィシャルな規約解釈本からさえ逸脱したものなのです。
私の除籍をめぐっておきたことをまとめると
つまり私の除籍をめぐっておきたことをまとめると、こうなります。
- 党幹部は、初めは処分をするための「48条による調査」を始めることを私の目の前で決定し、そのための私の党員の権利の制限までかけ、中央にも「役員罷免という処分でいいですか」という指導要請(おうかがい)をしたけども、
- 途中でそうした処分プロセスを勝手にやめ、いつの間にか除籍プロセスに切り替え、最後の決定の日(24年8月6日)に初めて「除籍を決定した」という一方的な通知を行いました。
- 切り替えは私に告げられなかったため、処分プロセスのための「48条による調査」がずっと続いていると私は思い続け、調査の終了・結果の公表・意見表明機会の到来を私は最後まで待ち続けました。
- 結局私が調査結果を聞き、それにもとづいて私が意見表明をする機会は、除籍決定前には、とうとう一切与えられませんでした
ということになります。
なぜ党幹部はそんなことをしたのでしょうか。
それは党幹部を調査しなければわかりませんが、推察するに、処分プロセスでは構成員の3分の2以上の賛成がないといけないし、私に組織的に公開の場で「十分意見表明の機会をあたえなければならない」ため、つまり長々と私に告発する機会を与えてしまうため、「まずい」と思ったのかもしれません。一言で言うと、負ける可能性があると思ったのかもしれないということです。
それで面倒な処分プロセスをやめて、除籍にしてしまえ、と思ったのではないでしょうか。*4
しかし、見てきたように除籍と除名は、効果は同じ「組織からの追放」であっても、両者はその運用が全く性格が違うものです。
「本人がいくら『規約違反ではない』『規約を守る意思はある』と言っても、規約違反は明白であり、本人は自己批判していないので、除籍してよい」などという運用は、党規約の精神を踏みにじる「カジュアル除名」ともいうべき、「除籍の濫用」に他なりません。
このようなタイプの「カジュアル除名」、すなわち処分プロセスの面倒を避けて党員を手軽に追放するための党幹部による「除籍の濫用」が全国各地で荒れ狂っており、日本共産党は組織として深刻な状況にあると言わねばなりません。
「カジュアル除名」=党員を手軽に追放するための党幹部による「除籍の濫用」を、日本共産党の再生のためにも、何としても止めるべきです。
私は日本共産党幹部によって不当に除籍・解雇されました。その撤回を求めています。
そういう私ですが、いよいよ解散・総選挙が迫る中で、どういうスタンスでそこに臨むのかについて書いておきます。
前にも書いた通り、日本共産党は党員・地方議員・スタッフ・赤旗記者・政策集団・連携する専門家など、それを支えている人たちが厚い資産として存在し、政治を良くするために日夜がんばっておられます。頭が下がることも多いのは事実です。日本共産党が多くの問題を抱えながらも、その方々のおかげで、そ の存在自体は、日本の政治においてかけがえのない役割を果たしていると思っています。
除籍後も、以下の記事では3つの役割を訴えました。
したがって、日本共産党が日本の政治の中で今よりも大きな役割を演じてもらえるようになることは私のかわらない気持ちです。日本共産党そのものに敵対したり、ましてや「消えてなくなれ」などとは思いません。
期待をしつつも、どういう期間でも告発は続ける
しかし、同時に、日本共産党が抱えている問題、とりわけ党幹部によってこうした貴重な組織が私(わたくし)され、壊され、深刻な人権侵害が起きている現状について黙っていることはできません。そのことはどういう期間であろうと、告発は続けていきます。それを「利敵行為」だというのであれば、そうした「利敵行為」の源を生み出し続け、改めようとしない党幹部にこそ、挙げてその責任があると言わねばなりません。
つまり、もし私の指摘を「反共攻撃」だと言う人がいれば、それは党幹部こそが問題を生み出し、放置することによって「反共攻撃」をし続けている、ということではないでしょうか。党自身のためにも、一刻も早くこのような病巣を除去する必要があります。医者が治療のために患者の体にナイフを入れようとすることを「傷害罪だぞ」と言うことはできないはずです。
いいことは評価するが、悪いことはきちんと告発する
フェミニストの信田(のぶた)さよ子さんは、「『よきもの』とされた集団の中では、時としてさまざまな暴力が発生しがちであること、それは暴力とされず『被害』を訴える側に問題があるとされがちである」という一文を書いておられます。
「よきもの」とされた集団、というのは、簡単に言えば進歩的な組織、世間からは人権を守ることを掲げてがんばっている組織です。日本共産党もその一つでしょう。
この信田さんの文章について、元朝日新聞の記者の方(正確には「方々」)が、性的な被害が朝日新聞社内でもみ消されてしまったことに関して次のように書いておられます。(「ウネリウネラ」というサイト。強調は引用者)
私は、被害を受けたことを上司に報告したところ、簡単に言えば揉み消しに近いかたちで処理されていったわけです。…会社のもみ消し行為を目の当たりにしてきたことは、私にとっては大きな二次加害でした。
「良きもの」の周りには、さまざまな「仲間」がいます。…人権感覚の鋭い人が、個人の尊厳を守るための活動をする「良きもの」に同調し支持するのは当たり前ですよね。被害を受けた当事者も、元々はこの「仲間」たちを信頼しています。ですので、自分が置かれた状況を分かってもらえるのではないかと考える。でも、意外にも、声を上げてもこの人たちが反応してくれないことが多いのです。
たぶん多くの「良識ある仲間たち」は、「良きもの」が無くなって欲しくない、汚れてほしくないと思うんでしょうね。「正義の味方」は当然正義でなくちゃいけない、と。そんな意識が、不正の告発を思いとどまらせているんじゃないでしょうか。結果的に中で辛い思いをしている人がいることについては、はっきり言えば認めたくない。見て見ぬふりをしてしまっている、という構図なのかなと思っています。
あれをやられると、被害者の孤立感はとても深まります。自分が黙ればいいのかな、自分がいなくなれば全てが丸く収まるのかな、という気になってしまいます。
あともう一つ言いたいのは、「良きもの」のほうに一種の甘えがあるということです。自分達は良いことをやっているから、多少内部でおかしなことがあっても大目に見てもらえるのではないか。そういうふうに思っている節があります。自分たちが被害者の声に目をつむっていれば、仲間たちもこの問題に関与してこないだろうという甘えがあるのではないか。それが組織としてのガバナンスを緩め、被害への対応を不十分にし、結果的に被害者を苦しめるのだと思います。
今もずっと堂々巡りで考えてる事なんですが、なぜ是々非々で考えられないのか、ということです。自分が支持している組織の中での不正には目をつむってしまう社会とは一体何なのか。そこを改めていかないと。総体としては存在意義がある「良きもの」だとしても、その中に悪いことが発生したら「それは悪い」ときちんと批判しなければならないと思います。その時に一番大切にされるべきなのは、やっぱり被害にあった人の気持ちです。その人の気持ちが大切にされた上で、検証が行われていくべきです。
このような訴えでした。本当にその通りだと深く共感しました。
これは党幹部がやっている不当な抑圧やハラスメントにも、そのまま当てはまるものです。
特に選挙戦に関して、その中で私が共産党への期待を引き続き持っていることと、党幹部が生み出した問題を告発することとの関係について、「なぜ是々非々で考えられないのか」という視点で問題を整理することは、とても大切なことです。
共産党員や共産党ファンの中には、党幹部が深刻なハラスメントをしていたり、抑圧を続けていたりすることを否定したい気持ちがあるかもしれません。しかし、そういう悪いことが起きているのだ、とか、起きているのかもしれないという気持ちを持ちながら、同時に、そのことにフタをせずに、応援することはできるはずです。
前掲の朝日新聞記者だった方のサイト「ウネリウネラ」の引用の該当部分をもう一度。
たぶん多くの「良識ある仲間たち」は、「良きもの」が無くなって欲しくない、汚れてほしくないと思うんでしょうね。「正義の味方」は当然正義でなくちゃいけない、と。そんな意識が、不正の告発を思いとどまらせているんじゃないでしょうか。結果的に中で辛い思いをしている人がいることについては、はっきり言えば認めたくない。見て見ぬふりをしてしまっている、という構図なのかなと思っています。
応援する「進歩的組織」が、どこから突っ込まれても潔白で、正しくて、まっさらということは、まずありえないでしょう。しかもその「汚れ具合」も本当にシャレにならないくらい深刻なこともあるはずです。しかしそれでも「推し」続けるというあり方に、ぜひ挑んでみてほしいのです。
ネットやSNSではこれが本当に難しいことはよくわかります。「相手」はこちら側の瑕疵だけを言い募って、こちらの言い分の中の正当な部分についても、その信頼性や根拠までも全て無効にしようとするからです。私自身でも、もし自分に深刻な瑕疵があったら、それを認めながら、自分の正当性を訴えるのはなかなかキツいでしょう。簡単ではないな、と思いながらの提起です。
もちろん、「相手」の非難に正当性がなければ、きちんと論拠をあげて大いに反論すべきです。私が今後指摘することが間違っていると思えば具体的にその箇所を示して、理由もつけてきちんと批判してください。*1しかしそうした正しい論争ではなく、「利敵行為」だと言って黙らせようとするのは筋が違うと思います。特に実際に被害を受けた個人は、声がいつもかき消されてしまう小さな存在なのですから、たとえ一面的だと言われようとも、それを訴え続ける権利があるでしょう。
逆に言えば、私を黙らせようとする不当な力には断固たたかうつもりでいます。
*1:それに、すべて・いちいち私が反応するかどうかは別の問題ですが。
日本共産党の福岡県議候補(2023年、博多区)で、選挙後もパレスチナ問題や社会保障充実などを街頭で訴えて党員としてがんばって活動していた砂川絢音(すなかわあやね)さんに、共産党幹部は除籍決定を通知しました。
日本共産党から除籍されます。
(1)組織の破壊・乗っ取りは目的にしていません。県委員長の責任を問うています。
(2)会議を中断させた事、混乱させた事、県委員長への個人攻撃的要素が強まった事の3点は反省しています。全く反省していないような印象操作です。
除籍のための協議の日程は一方的です。 https://t.co/E2PRD6oTBB pic.twitter.com/EshUJkCqgU— すなかわあやね⚙️🌾 (@sunakawaayane) 2024年10月1日
すなかわさんの除籍通知には、「神谷貴行氏にかかわって『不当解雇撤回』などと主張する宣伝行動を、同調者を組織して党県委員会事務所前で行いました」とあります。
不当解雇は、労働者としての働く権利を奪う人権侵害です。
私への人権侵害に、本当に勇気をもって声をあげてくれたすなかわさんに、改めてこの場で感謝を申し上げておきたいと思います。
ところが、党幹部は、こともあろうに、人権侵害に声をあげ、他の人にもおかしいと声をあげようと呼びかけたその行為を、厳しく取り締まりました。
党内であろうと党外であろうと、誰かが人権侵害を受けていることを、共産党員は幹部の合図があるまで、黙ってみていなくてはならないのでしょうか?
確かに党規約では「党の内部問題は、党内で解決する」〔規約第5条(八)〕とあります。党幹部が起こしたと思われる問題は、まず党内で提起し、党内で解決する……なるほど一見道理がありそうに見えます。
しかし、では例えば党内で党幹部がレイプした疑惑があった場合、どうでしょうか。「党内問題」として、党内で解決すべきでしょうか? 外に持ち出すことは許されないでしょうか。
セクシャル・ハラスメントなど性暴力はどうでしょうか。
他のハラスメントはどうでしょうか。
労働者の人権侵害はどうでしょうか。
組織上の路線対立や規約上の処分ではなく、まさに人権の侵害が起きている時(あるいは起きていると思った時)、それは「党の内部問題」といえるでしょうか。もし幹部の許しがなければ、あるいは党の決定がなければ、外に一切持ち出せないなら、被害者は長い間黙り続け、泣き寝入りを強いられる恐れがあります。この理屈では殺人事件が起きても、持ち出せなくなってしまうのではないでしょうか。
少なくとも私の人権侵害に声をあげたことを理由にして、すなかわさんを追放することはまったく道理がないと考えます。
日本共産党の政策にも反する党幹部のやり方
日本共産党は、2024年9月20日に発表した政策「賃上げと一体に、労働時間の短縮を 働く人の自由な時間を拡大するために力を合わせましょう」において、
とくに現在、非正規ワーカーが増大し、ギグワーカーなど働き方が多様化するなかで、すべての労働者の権利を擁護し、賃金の引き上げ、労働時間の短縮を同時にすすめることが急務となっています。
仕事の発注者との雇用契約が不明確なことを理由に労働法制の保護の対象外にされ、長時間労働、低賃金、無権利の状態に置かれてきました。フリーランスやギグワーカーの時短と賃上げを実現するには、その労働者性を認め、労働法制、労働時間規制、最低賃金適用の対象とすべきです。
と主張しています。
私の働く権利を不当に奪う解雇をしたこと、そして、不当解雇がどうかの争いがあるものを一切人権問題だとは扱わず、党内問題だとみなし、それを不当だと思って声をあげた人を追放したこと——党幹部のやり方は、「すべての労働者の権利を擁護する」という共産党の政策そのものに反するのではないでしょうか。
共産党職員は「労働者」ではないのか:浜野忠夫氏の著作にみる
ひょっとしたら、党幹部は「共産党職員は労働者ではない」「だから労働者としての権利などない」と言い出すかもしれません。私に対して「解雇通知」を出し「解雇予告手当」を出そうとした以上、よもや私=共産党職員は労働者ではないなどとは言わないとは思いたいのですが、日本共産党副委員長の浜野忠夫氏は2008年の著作で次のように述べているのを見ると、不安になります。
四六時中、党機関の活動を自分の中心任務として担っているのは、常任活動家です。この意味で、「全生活を共産党の任務においている活動家」ということが言えるわけです。…だから会社と雇用契約をむすんでいるサラリーマンとはまったく違うわけです。(浜野忠夫『時代を開く党づくり』p.200)
“専従は24時間専従なのだ、生活の全てを党と革命に捧げたはずだ、時間が来たら家に帰っていち個人に戻ってホッとできるサラリーマンと一緒にするな。雇用契約ではない”というわけです。
刊行当時の2008年でさえ許されない感覚でしたが、2024年の今、こうした見解が存在できる余地があるでしょうか。
党幹部はそのことに正面から答えるべきです。
日本共産党職員(常任活動家・専従者)は「労働者」かどうか。
「労働法制の保護の対象外」にせず、「その労働者性を認め」、「無権利の状態」を引き起こさないようにするために、今こそはっきりさせる時ではないでしょうか?
労働者であるなら、残業させたら残業代が必要だし、そのための36協定も必要だし、宿直をさせたら正当な宿直の手当を支払わねばなりませんし、何よりも労働組合を結成する権利が保障されなくてはなりません。
党職員が労働組合を結成したら、それは分派になり解雇されるのでしょうか?
党福岡県委員会では宿直が週1回程度強制的に割り振られ、その手当は県党の給与規程*1により1日1000円と決まっています。これは以前から強制反対や改善の声が、私を含め党県勤務員から上がり、回数などが改善されたものの、根本的には変わっていませんでした。しかし北九州市では労基署からの是正勧告を受け、区役所嘱託員に対し、宿直中の仮眠時間を休憩時間とみなして過去2年分の未払い賃金計約5300万円支払いました(2019年3月1日の西日本新聞が報道)。党福岡県委員会の事務所でも、宿直者はただ寝るだけではなく、多くの仕事が課せられていました。夜間における党員・支持者からの問い合わせ・党費納入への応対、運送業者への荷物渡しの立会い、1時間に及ぶ苦情電話の対応*2、館内の施錠・火の元の見回り、早朝の新聞振り分けをはじめ、もし夜中に赤旗の輸送トラブルなどが起きれば、配送車から電話があり、マニュアルに基づいて地区委員会担当者への電話などの対応が義務づけられていたので、状況は北九州市と同じだと言えます(しかも宿直明けにそのまま普通に通常の勤務をさせられます)。
党福岡県委員会は党職員を労働者だと認めるなら、1回1000円ではなく、やはり北九州市同様に賃金並みの手当を支払うべきではないでしょうか。*3
労働条件通知書を交付しない違法行為は中央委員会のお墨付きなのか
党職員が労働者であるなら、労働条件通知書も交付されなくてはなりません。
労働条件通知書は労働基準法第15条によって明示が義務付けられ、同法施行規則の第5条によって、就業の場所、賃金、始業・終業の時刻など書面で交付しなければならない事項が定められています。
これら事項については、書面交付は法律上の義務です。
もし、共産党が職員を労働者として扱うなら、労働条件通知書は当然労働者(職員)に交付しなくてはなりません。求められたらなおさらです。
私は、党幹部に仕事を全て取り上げられ、職場出勤を禁じられた時、本当にそれでいいのかどうか、後から「お前は職場に来なかったではないか。職場に来るななどと命じた覚えはない。職場放棄をしたので解雇だ」と罠にかけられるのではないかと非常に不安に感じ、労働基準法に義務付けられた労働条件通知書を渡すよう党のA県副委員長に申し入れました。書面で「勤務場所:自宅」とあるのを確認したかったのです。以下はその時のやりとりです(2023年9月24日)。
私が労働条件通知書を求めたにも関わらず拒否し、追い詰められ答えられなくなったA氏は途中から電話口で怒鳴り始め、こうした違法行為を中央委員会のお墨付きのもとで行なっていると最後には白状しているのがわかると思います。
神谷 メールで私の労働条件通知書を送るように書いたんですが、送られましたか?
A氏 (数秒沈黙)送ってません。ないですもんね、そういうのは。
神谷 なんで送ってないんですかね。
A氏 いや、ないですよ。そういうのは。
神谷 「ないです」って…送ってほしいんですけど。
A氏 いや、ないから送れませんよ。
神谷 作って送ってくれませんか。
A氏 そんなの私ができるわけないやないですか。
神谷 それ(不送付)、あなたの独断でやったらまずいんじゃないですか。
A氏 いや、相談した上ですよ。
神谷 誰とですか。
A氏 いや、向こうのメンバーと。
神谷 (党の県)常任委員会とですか?
A氏 常任委員会…とじゃないですけど。
神谷 しかも中央は知らないでしょ、こんなこと。
A氏 何ですか。
神谷 中央委員会とか知らないでしょ、こんなこと(不送付)、あなたがやってるってこと。
A氏 (あなたに)権利制限かかっているってことは、知ってますよ。
神谷 いや、担当者じゃなく、中央委員会は知らないでしょ、こんなことやってるのは、全く。あなたの独断でしょ。
A氏 (長く沈黙)
神谷 もしもし?
A氏 何が言いたいんですか!
神谷 いや、だってあなたの独断でやってるんでしょう?
A氏 そんなことないって言ってるじゃないですか!
神谷 中央委員会は知ってるんですか。
A氏 知ってますよ!
そしていつもの通りですが、これは私の一方的なメモではありません。客観的な記録があり、もし裁判となって必要であればいつでも提出できます。
しかもご覧の通り、中央の担当者ではなく、中央委員会として意思決定していることを認めています。もしA副委員長の言ったことが本当なら、中央委員会として違法行為の責任が問われる可能性があるのではないでしょうか。これは推察になりますが、例えばこの頑なさから見れば、「証拠となって残ってしまう文書を、どのようなものであっても神谷に交付してはならない」などのような縛りがあったのかもしれません。
さすがに中央委員会が違法を許容していたとは思いたくはありません。A副委員長が追い詰められてその場しのぎのでまかせを言ったのだと思いたいところです。ただ県副委員長というポジションの発言ですから、重いですよね。信憑性があります。中央委員会の関与について、全容をきちんと調査しなければいけないだろうと思います。
それはともかく、法律がどうとか以前に、困っている職員・仲間の願いを一顧だにしないという態度はあまりに非常識と言えないでしょうか。
日本共産党福岡市議団のビラ
このやり取りを見てもらえばそうお感じになる方も多いと思いますが、A氏は労働者の権利というものにほとんど関心を持っていないのではないでしょうか。少しでも関心があれば、「労働条件通知書」と聞いたら「あっ…(察し」となるはずだからです。しかもA氏は福岡市議団の担当副委員長*4だったから、なおさらです(上のビラを見てください)。A氏の対応の杜撰さからも、その無関心ぶりは、それを命じた日本共産党の幹部全体に共通しているような気がします(あくまで推測ですが)。違法行為につながるかもしれない重大な問題だという認識があれば、少なくとも弁護士などにあらかじめ相談し、対応の仕方をよく協議し、もっとスマートな受け答えをすると思うからです。
共産党に労基署の調査・指導? もしそうなら歴史上初
これは推察になってしまいますが、X(ツイッター)の「油鳥」さんというアカウントのツイートをいくつか見ると、
- 油鳥さんは共産党福岡県委員会が実質雇用主になっている民青の専従者で、
- 残業代の支払いを内容証明郵便で党福岡県委員会に請求し、
- それについて、「行政」の調査と指導が共産党県委員会に入り、
- 油鳥さんは、「行政」からその報告を聞いた、
ということがなんとなくわかります。
報告聞いてて1番笑った箇所は、雇用主は間違いなく「日本共産党福岡県委員会」なのに、「彼は民青という団体で働いてた」って言って民青に責任転嫁して難を逃れようとしてたところですね…
もちろん、「実態が伴わない」と言われ、その言い分は却下されてましたが…
— 油鳥 (@2XqBAqoJPW75095) 2024年9月24日
そして、すなかわさんは、油鳥さんへの残業代支払いをするよう応援しています。
勤怠管理されていないことで不利益を被るのは労働者って………。わたしは彼と一緒に活動してきて遅い時間まで働いていることを見てきました。日本共産党福岡県委員会内田委員長@jcp_fukuoka は残業代を支払ってください。 https://t.co/EA7yzUzC7B
— すなかわあやね⚙️🌾 (@sunakawaayane) 2024年9月24日
詳細はわからないのですが、もし労働基準監督署が残業代支払いなどについて、日本共産党福岡県委員会に調査に入り、数々の指導をしていったとしたら、それはおそらく**日本共産党の100年の歴史上初めての重大な事態**ではないでしょうか。
そして、労基署が調査と指導を行なったということは、そこで働いている職員(専従)がまぎれもなく、使用者の指揮命令のもとで仕事をしているということになり、公的機関が共産党職員の 労働者性をはっきりと認めたということになると思われます。これは本当に画期的なことではないでしょうか。
ぜひ、続報に注目したいと思っています。
記者会見や報道があれば必見ですね。
しかし、もしそうだとすれば、表面的な理由はどうあれ、共産党県委員会への残業代請求の活動をすなかわさんが応援し、まさに労基署が党県委員会に調査・指導に入るなど事態が動き出したさなかに、「元県議候補」などの肩書きを持っていたすなかわさんは党を追放されたということになります。
いずれにせよ「勇気をもって声をあげた人」を追い出すなどということに、私は本当に強い怒りを覚えます。何かあればNHK連続テレビ小説「虎に翼」を持ち上げる党幹部のみなさんは、一体あのドラマの何を見ていたのですか。
(以下は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方は24年8月20日付の記事を先にお読みください。)
私は党幹部に「規約違反」をでっち上げられて、何度も査問・調査をされ、苦しみました。
その際に驚いたことは、
- ブログのことではなく、「松竹氏と連絡を取っているか」「松竹氏の主張に賛成かどうか」を執拗に調査されたこと
- 私の調査中であるにもかかわらず党幹部は「松竹氏は党の破壊者・撹乱者であり、福岡県における同調者・擁護者が神谷だ」と繰り返し県内の党員に宣伝したということ
です。
1.は規約違反かどうかの調査ではなく、思想調査です。党規約が禁じている“意見の違いによる排除”〔3条(五)〕そのものです。
2.はパワハラの6類型の一つ「精神的な攻撃」にあたるだけでなく、やはり規約〔3条(四)〕が禁じている多数派工作のための分派活動の可能性があります。
下記に記録を載せます。
「会合A」は2023年7月11日の、県幹部による私への公式な第1回調査審議です。
「会合B」は2023年8月下旬に県委員長らが秘密裏に開いた地区委員長会議・福岡市議団会議などの一連の会議です。
「会合C」は2023年秋に、県内の会合で県委員長が発言したものです。
「会合D」は2023年12月7日の、県幹部による私への公式な第2回調査審議です。
いずれも私の一方的なメモではなく、客観的な記録が存在するものです。もし裁判などで必要とされればいつでも提出する用意があります。
党幹部が私に公式調査で「松竹と連絡を取っているか」
会合Aで、共産党福岡県副委員長のB氏は、私に次のように公式に尋問しました。
B氏 松竹(伸幸)氏と連絡とったりしていますか。
神谷 なんでそんなことを。してませんけど。一市民と連絡を取っているかどうかなんて(規約問題の調査にとって)どうでもいいことじゃないですか。
B氏 いやいや、どうでもよくないですよ。
神谷 なぜですか。(松竹氏は)もう一市民になった人ですよ。集団で(松竹氏を)いじめるんですか。
B氏 いや、いじめるっていうんじゃなくて。(松竹氏は)一市民じゃないです。もう完全に、周到に、仕組まれた流れになってますよ。文藝春秋との関係とか。もうね、(党)中央(委員会)が調べてるんですよ。
神谷 全然出てこないじゃないですか。松竹さん、それを今ブログで問題にしているでしょ。
B氏 そのうち(関係が表に)出てきますよ。部分的に(党中央委員会で)聞いたけどね。
会合Aは私の規約違反容疑に対する公式の調査です。世間話ではありません。
そこで「松竹氏と連絡をとっているか」と尋問しているのです。つまり「分派を作ろうとした」という罪をでっちあげようとしているのです。
「松竹氏との分派」は、予備的に行われた査問でも容疑には入っていなかったし、最後に私に通知された除籍の理由にも入っていません。B副委員長の発言を見てもわかりますが、私が松竹氏と分派活動をしているという具体的な証拠なり証言なりがあって、それを確認しようとしているわけでもありません。
明らかに、私から不用意な言動を引き出そうとしているのです。
私は松竹氏から市長選挙の際に応援演説をもらったことがあります。また、私の著作の編集担当者になってもらったこともあります。その後に日常的な市民としてのつきあいがある可能性は十分にあるのです。
そこで仮に私が「はい。メールはやり取りしています」と答えたらどうなっていたでしょうか。
それを証拠に私は分派活動の「罪」で処分されていたかもしれないのです。
読者の皆さんは、それを邪推だと思われますか?
ところが、この会合Aから1ヶ月後に、秘密裏に地区委員長や市議会議員などを集めた一連の会合(会合B)で、共産党福岡県委員長は次のような驚くべき報告をしています。
なぜ彼(神谷)が処分されるのか。2つの点で違反している。
〔…中略…〕
なおかつ松竹問題での同調なんです。
彼(神谷)は何と言っているか。
「松竹と連絡を取っていますか」と(調査した党幹部が)言った時に(神谷は)「何でそんなことを聞くんですか」と。連絡とったら分派だ。(神谷は)「彼(松竹氏)はもう党員じゃないでしょ。一市民でしょ」(と言った)。(神谷は松竹氏と連絡を取っているかどうか)否定しなかった。「連絡とってませんよ」とはいうけど、「何でそんなことを聞くのか」と。これはもう非常に重大な問題だ。これがもし事実で、連絡とっていたら除名です。
京都の鈴木元が除名になった。彼は松竹と連絡を取って出版を打ち合わせして、軌を一にして本を出した。(松竹氏と鈴木氏の)二人で相談して。これは分派活動にあたるということで除名になった。
(神谷の場合は松竹氏と)連絡はとっていないというが、今後どうなるかわからない。(神谷と松竹氏が)打ち合わせして行動したら分派活動になる。
くり返し「連絡を取ったら分派」「連絡を取っていたら除名」とはっきり言っているのがわかると思います。
もし私が「連絡を取っています」と答えていたら、私は分派活動のかどで除名されていた危険が高いのです。
そして、県委員長がしゃべっているのは、明らかに第1回公式調査の中身ですよね。それを、まだ調査も終えていない段階で、一部の党員を秘密裏に集めてベラベラとしゃべっているのがお分かりいただけるでしょう。
さらにひどいのは、あまりにも勝手な解釈をほどこしていることです。
「連絡は取ってない」と私が明確に否定しているのに「否定しなかった」と県委員長は明らかに嘘をついています。しかし自分でも理屈が全く流れていないのがわかるからでしょう、「これはもう非常に重大な問題だ」と強引にまとめています。
県委員長が、松竹氏と鈴木氏が分派活動の罪状で除名された例をあげていますが、あの事件は、出版の場での販促の立場から「同じ時期に出したほうが売れる」という言葉をかわしたと述べたことが「分派」にあたるとされました。県委員長や党幹部側はまさにこのケースをねらい、私から「連絡を取っている」という言質を引き出そうとしたのです。
前述の通り私は過去に松竹氏にお世話になっています。そうした恩義があった人に、その後、仮に市民としての常識的なつきあいをしていたとしても、何も問題はないはずです。例えばお歳暮をもらってお礼を言ったりするかもしれないのです。*1
ところが、党幹部は「松竹は一市民ではない」「連絡を取っていたら除名」という、驚くべき図式をつくりあげ、そこに私をハメようとしていたのです。それが失敗に終わり、悔しがっているのがこの発言でわかるでしょう。
しかし、党幹部はあきらめません。私が連絡を取っていることを明確に否定したにも関わらず、県委員長が「今後どうなるかわからない」と明言しているように、私の「松竹氏との分派」をでっち上げるために、彼らは1年以上もの膨大な時間を調査に割いて、私から言質を取ろうとしましたが、徒労に終わります。当然です。そんな事実はないのですから。
県委員長「党の分断・破壊・撹乱をする松竹。その福岡での同調者が神谷」
1回目の公式調査から1ヶ月後。共産党福岡県委員会の県委員長をはじめとする党県三役は、地区委員長会議、福岡市議団会議など、私を排除した非公開・秘密の会議を、2023年8月下旬に立て続けに開きました(会合B)。
その時に、県委員長は参加者に対して次のように報告しています。
松竹は党大会に向けて撹乱をさらにエスカレートしようとしていて再審査を呼びかけ、党内に同調者を作り党の分断と破壊をある意味公然と始めている。〔…中略…〕党外から外部から日本共産党の結社の自由に対する破壊をやり始めた。そういう段階に入った。〔…中略…〕そういう撹乱が今まで続いておるわけ。〔…中略…〕なぜ今皆さんにいうかというとね、福岡県委員会の中にも同調者がいる。それは神谷です。県常任委員会の。彼は松竹の同調者なんだよ。
“松竹氏は党破壊者・撹乱者であり、神谷はその同調者である”という趣旨のことを述べているのがわかっていただけると思います。
しかし、私は査問や調査の初めから最後まで面と向かって「あなたは党破壊・撹乱の同調者だ」という規約違反容疑をかけられたことはありません。そして、最後に除籍された時にもこれは除籍理由には入っていませんでした。
つまり、**規約違反容疑とはなんの関係もない私の「悪口」を、党幹部が、秘密裏に党員たちを集めて、吹聴している**のです。
私は確かに昨年2月の県委員会総会で、“松竹氏の処分には重大な瑕疵があるので見直すべきだ”という趣旨の発言をしましたが、ここで県委員長があげている党大会をめぐる松竹氏の活動にはなんの関与もしていません。「党破壊・撹乱の同調者」だなどという決めつけは、度を過ぎた私への攻撃であると言わざるを得ません。
これは厚生労働省が指針でパワハラの6類型の一つとしてあげている「精神的な攻撃」にあたります。
ついでに言えば、私はまだ規約違反かどうかの調査中であったにもかかわらず、これらの会議では党幹部自身から「神谷は規約違反」と断定されました。
それでこれは党規約違反は明確だから党員の権利を制限して調査に入った。
“規約違反は明確だから調査する”って常識的な頭では考えられない発言ですが、県委員長の中では矛盾なく成立しているんでしょうね。
規約(49条)では「規律違反の処分は、事実にもとづいて慎重におこなわなくてはならない」とありますが、事実を調べ調査を終了して調査結果が出る前に、調査をやっている党幹部自身がもう「違反」だと断定しているのです。前に述べたとおり、党幹部は公式にはくり返し、この時点では私が規約違反かどうかは確定していないという扱いをしています。しかし私を排除した裏では、平気で「違反」を断定し他の党員たちに宣伝していたのです。
この宣伝は2023年8月だけでなく、その後も県内の党内会議で繰り返し行われました。
党幹部による多数派工作=分派活動
私についての「悪口」を垂れ流した一連の会議(会合B)は「地区委員長会議」「福岡市議団会議」などと銘打たれていますが、集まっているメンバーの多くは、その当時、私の処分を審査する県委員会総会における審査員(=県役員)ばかりでした。実際にこの直後(8月29日)に県委員会総会が公式に招集され、9月9日に私の処分を決める県委員会総会が行われることになっていました(9月6日に中止が周知された)。
明らかに、総会前の事前の多数派工作です。
調査が終わらないのにこういうことをやっては絶対にいけません。調査が終了し、県委員会総会の場で初めてその調査結果が公表され、私がそれに対する十分な意見表明の機会を得て、それでさあ審査員のみなさん、神谷が規約違反かどうか、そして処分するならどういうランクがいいかを決めてください、フェアに審議しましょう、とならなければいけません。それが規約の49条・51条・55条に定めてあることです。
ところが党幹部は、調査の最中に、私を排除して秘密裏に審査員になる人たちを集めて、「神谷は規約違反だ」と一方的に断定し、「神谷は党破壊・撹乱者の同調者だ」と「悪口」を吹聴していたのです。これが多数派工作でなくてなんなのでしょうか。*2
このように、県委員長をはじめとする党幹部がやったことは、自分たちが幹部にある地位を利用して、規約上違法な会議を招集し、そこで多数派工作をすることでした。これは分派活動だと言われても仕方がないでしょう。
私の追放劇を仕切っていたのは誰だったのか
私が「松竹氏と連絡を取っていない」と述べたことで、県委員長などの党幹部による「神谷は松竹一派」というでっち上げキャンペーンはいったん挫折します。
先ほども述べた通りですが、8月29日付で県委員会総会が公式に招集状が発出され、9月9日に私の処分を決める県委員会総会が行われることになっていました。
しかし、招集直後の9月6日に、総会の中止(公式には「延期」とされた)が周知されてしまいます。責任をもって招集し、議題まで提示したはずなのに、すぐに取り消しをしているのです。
非常に不自然な動きであることがわかると思います。
招集をした8月29日と中止を決めた9月6日の間に何があったのでしょうか?
実は8月下旬の会合Bで、県委員長は次のように私を処分するシナリオを報告しています。
それでこっから先は今中央委員会にやってて、経過を説明した上で党規約に基づく処分の指導要請を中央に上げています。これはまだ返事が返ってきていない。返ってきてから県委員会総会になる。県常任が(中央に)上げている指導要請というのは彼の常任・県委員からの罷免ということ。それで処分(案)を上げています。(中央に)了解されれば総会にかける。罷免された場合に一党員になります。一党員になって彼がさらに党規約に反する行為を続けるならもう党員としては両立できません。〔…中略…〕処分が総会にかかる。日程は9月の9日、土曜日。
私を「機関からの罷免」(県役員を罷免)するという処分にする案(そしてヒラ党員に落とした後での追放を匂わせています)で、党中央委員会に指導要請(簡単に言えば「この提案でいいですか」という伺い)を出しているというのです。
ここには重大な情報がいろいろ詰まっていますが、今大事なのは、私の処分は中央委員会の事前了解のもとに進んでいたということです。中央委員会が私の処分を事前に経過まで含めて詳細に管理していたのです。
そして、この発言の後に、私の処分案と処分決定のための総会はいったん取り消されてしまいます。
この間に何があったのかは推測にしかなりません。
しかし、県委員会幹部が処分案まで決定し、総会まで公式招集したものを、すべて取り消し、急な方向転換できるのは一体誰か——私の追放を誰が仕切って振り付けていたかは、この顛末を見れば、おのずと明らかだと思います。
「神谷は松竹と同じく綱領や規約を否定している」キャンペーン
「神谷は松竹と連絡を取っていた。つまり神谷は松竹一派だった」という「分派」キャンペーンは失敗した(当たり前です)ものの、党幹部はあきらめませんでした。
次の仕掛けは、「神谷は松竹と同じように綱領と規約を否定している」というキャンペーンに私を落とし込もうとするものでした。
2023年の秋に県内で開かれた会合Cで、県委員長は次のような驚くべき発言をしています。
彼(神谷)が(規約違反容疑の)調査を受けている第二の理由は、松竹氏を擁護している(から)。松竹氏の主張というのは綱領と規約に対する異論を述べている。(神谷は)これを擁護している。規約4条では党の綱領と規約を認める人は党員になれるとある。党の綱領と規約に異論を述べる人、党中央の解釈と違う解釈を述べる人は党員であり続けることはできない。根底に関わる問題で松竹氏は問われた。それを擁護したらどうなるか。主張の中身として。主張のやり方じゃなくて。神谷さんの党員としての立場が問われることになるわけだよ。神谷問題というのは、ブログを出して勝手に発表したということに止まらない。綱領と規約をめぐる問題で松竹氏は否定している。それを(神谷は)擁護している。神谷問題は松竹問題と似ている。
何が「驚くべき」点でしょうか。
私が規約違反容疑で調査を受けているのは、私のブログ問題とは別に、「松竹氏を擁護しているから」だと言っています。これは私の行為ではなく、意見・主張を問題にしていることになります。「意見の違い」によって「規約違反」が問えると、県委員長は思い込んでいるのです。
そして、「党の綱領と規約に異論を述べる人、党中央の解釈と違う解釈を述べる人は党員であり続けることはできない」という信じがたい発言をします。
県委員長の理屈では「綱領と規約を認める人」しか党員になれないと規約4条に書いてあるんだから、綱領と規約を否定したら党員になれないというわけです。
なるほど一見正しいように見えます。
では、今の綱領と規約を認めて入党して活動するが、それを「よりよいものにしたい」と思って、党内の会議で綱領と規約の見直しを求める人はどうなるでしょうか。その人は綱領と規約を否定したとして、規約第4条の資格、つまり「綱領と規約を認める」人でなくなるでしょうか。そんなはずはありません。
もしそれで党員でなくなるのなら、どうやって綱領や規約の見直しができるのでしょうか。おそらく2003年より前に不破哲三氏、2019年より前に志位和夫氏は当時の綱領を見直そうと考え、ある日の常任幹部会で「今の綱領のままではよくありません。次の大会では綱領を見直すべきだと思います」と発言したことでしょう。もし県委員長の解釈通りなら、不破氏や志位氏は即刻党員の資格を失い、除籍でしょうね。
規約はそんな馬鹿げたことを許していません。党内であれば、そして内心であれば、いくら今の綱領や規約がダメだと感じて、それを発言しようが自由なのです。規約はそれを完全に認めています。安保条約を容認せよとか、自衛隊を強化しろとか、社会主義を放棄しろとか、そういうことを綱領に書き込んで根本的に見直せと思っていても、発言しても、それは全く規約上は問題ないはずです。
もちろん、それを党の外で合意もなく公表したら、それは規約違反になります。
でも、県委員長が述べているのはそういう話ではありません。わざわざ「主張のやり方じゃなくて主張の中身だ」と条件をつけていることから見ても、それは明らかです。外部で話したかどうを問題にしているのではなく、今の綱領と規約ではダメだなと思っていたら、あるいは党内の会議で提起したら、いくら対外的に綱領と規約を守って活動していても、その人はもうアウト。党員としての資格を失っているというのです。
これは驚くべき規約の解釈・理解だと思いませんか。
そして、この程度の規約理解の人が、中央委員会幹部会委員だということにも驚かされました。というか私の取り調べの現場指揮をしていることに呆れ、また、強い不安を覚えました。
実際に、私は、「神谷は本心では、松竹と同じように綱領の見直しを求めている」という追及をその後、公式調査の場で執拗に受けるようになります。
「神谷は本心では、松竹と同じように綱領の見直しを求めている」という執拗な思想調査
これは2023年12月7日に開かれた私の規約違反容疑に対する第2回の公式調査の中身です(会合D)。
党の県副委員長のB氏、同じく副委員長のC氏が私を追及しています。
- B氏 神谷さんの(2023年)3月5日のブログでは“松竹さんが安保堅持、自衛隊合憲だと述べているのは野党連合政権についての話で綱領に違反していない”と記述されています。私どもはこれは松竹氏を擁護していると受け止めています。〔…中略…〕この点についてどう考えているのかということです。
- 神谷 私は2月の県総で「(松竹氏は)綱領に違反していなくて除名理由が成り立っていないですよ」と確かに述べました。それについて私は(2023年)3月5日のブログで、私の元の意見を否定した県総の結語を丁寧に紹介しました。また、皆さんの討論を経て私の認識をまとめました。(ブログには)こう書いてあります。「松竹伸幸さんは、日米安保条約堅持、自衛隊合憲という党綱領に反する主張を公然と行っています」と書いてあって、結論として明確に「私は私の意見が間違っているという、決定の認識を共有し、それに従い、その立場で活動します」って明記してあると思うんですよね。そうである以上、私は現在共産党員として、「松竹さんは、日米安保条約堅持、自衛隊合憲という党綱領に反する主張を公然と行っている」という認識と立場に立って、私は活動しています。
- C氏 ということは神谷さんは今松竹さんの主張している内容については綱領には反していると今あなたは考えているということですか。
- 神谷 その立場で活動しているということです。実際私は共産党員ですから今活動しています。それでそういう認識で市民に会った時に、「あれ(松竹さんの主張)は(綱領と規約への)違反じゃないんですか?」(と問われたら)「そうです。違反ですよ」っていうふうに答えています。
- C氏 だから松竹さんの主張については自分として彼の主張を擁護し広げるという立場では全然ないということですね。
- 神谷 全然。党員としてそりゃやっちゃいけないということですからそりゃやってませんし、やるつもりもありませんし。
- C氏 ということですね。
- 神谷 はい。そのことはすでに3月5日のブログの段階で明記しているし、そういう立場でやってます。 〔…中略…〕
- B氏 自分は当初こういう考えを持っていたが決定ではそれが否定された、と。決定で否定されたからそれを実行しますと。だけどその自分の最初の思いは変わっていないんですよね。
- 神谷 その問題って、例えば「変わっていない」って言ったら規約違反で処分になったり、「変わっている」と言ったら処分にならないのですか。
- B氏 いやいやそれはそういうことはない。
- 神谷 そしたら規約の調査とはあんまり関係ないんじゃないんですか。なので私にお問い合わせになったこと、規約に違反しているかどうかについていえば、規約には違反していない。なぜなら「松竹さんの主張は綱領に違反してますよ」という立場で今も活動しているし、言っているということなんです。 〔…中略…〕
- B氏 つまり今日は松竹氏は綱領に違反していないとブログに書いたけど、今はもうそういう考えを持っていないと。
- 神谷 だから内心を問題にしないでくださいよ。内心とか今後の…。
- B氏 それはわかった。わかった。正確に言えば「答える必要がないから答えない」と。
- 神谷 ここの調査の場で話すことじゃないですよねってことです。
- C氏 我々や党中央が言っている「松竹氏は綱領に違反している」ということは認めるということでしょ。
- 神谷 その立場で活動しておりますっていうことです。どんな市民が来て質問してもその立場でやっております。現に。今後もやりますと。
お読みになっていかがでしょうか。
私が自分の内心のことを一切触れずに、決定に従い決定の立場で団結して活動すると再三答えているのに、調査に当たった副委員長たちはしつこく何度も何度も「本心ではどう思っているか」という質問にすり替えて私から言質を取ろうと必死になっている姿が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
「今でも松竹氏の主張は綱領に反しているとは思っていない」と答えれば、即刻「神谷は綱領を否定した松竹と同じであり、党員の資格を失っている」というキャンペーンに利用されたはずです。
これ、もし仮に「今では松竹氏の主張は綱領に反していると思っている」と答えたらどうなっていたでしょうか。あくまで推測ですが、その場合は、「間違っていたと認めるのだな。では自己批判せよ」と迫られたのではないかと思います。
もちろん規約では、「決定に同意できない場合は、自分の意見を保留することができる」〔第5条(五)〕としており、綱領や決定に反するどんな意見を持っていようが、それは自由だし、その意見の撤回や反省を迫ってはいけませんし、その意見を持っていることを以って排除することも許されません。
しかし、党幹部は、私をこうした罠にはめて、キャンペーンに利用しようとしたのではないかと思わざるを得ないのです。これはまさに「神谷は本心では、松竹と同じように綱領の見直しを求めている」という執拗な思想調査だったというほかありません。*3
(以下は私の不当な除籍・解雇事件の問題の一部についてです。全体像を簡単に知りたい方は24年8月20日付の記事を先にお読みください。)
私の「規約違反」なるものを、誰が・いつ認定したかは最も重要な基本的事実
私の「規約違反」なるものは、一体いつ・誰によって認定されたのでしょうか?
これは私の問題を考える上で、最もポイントとなる、基本的な事実関係の一つです。この基本点が崩れると、党幹部側が主張する“神谷はずっと規約違反を放置しブログを掲載し続けた”という土台となる「事実」が消えてしまうからです。
党幹部側は“2023年6月21日の常任委員会決定で行われた”と述べています。つまり今(2024年9月)から1年半近くも前ですね。
これに対して私は、“2023年6月21日からようやく規約にもとづく正式な調査審議が開始され、それが除籍される日(翌年2024年8月6日)まで続いたのだから、2023年6月21日に規約違反が決まったということはありえない”と簡単な反論を行いました。
「調査審議が続いているのに、規約違反を決定できるはずがない」ということです。
この私の反論に対して、党幹部側はまともな再反論を行なっていません。すでにこの簡単な反論で、十分に決着はついていると思われます。
ただ、私はこの問題が非常に重要だと思っていましたから、事前に繰り返し繰り返し何度も何度もいろんな角度から確認しました。驚かれるかもしれませんが、実は党幹部自身が23年6月21日の常任決定は規約違反の認定の確定ではないこと(つまり違反の決定ではないこと)をくり返し述べているので、しつこいですけど、紹介しておきます。
県副委員長が確定していないことを明言
まず、23年6月21日の常任決定を行った2日後の23日に、私が、調査責任者である党福岡県副委員長(A氏)と電話で確認したやり取りです。
神谷「私に対する調査は規律違反の調査ですか。それとも規律違反は確定していて処分についての調査ですか。どちらですか」
A副委員長「規律違反についての調査やね」
神谷「つまり規律違反はまだ確定していないわけですね」
A副委員長「そうなるですね」
神谷「はい、わかりました」
私が誤解の余地なく非常に明瞭に質問し、党側の責任者も明瞭に回答していることがわかると思います。(これは私の一方的なメモのように思うかもしれませんが、そうではありません。ちゃんと客観的な記録があります。もし裁判となり、必要ならば、前後もあわせて記録を提出できます。)
6月21日に規約違反は確定していないことが、このやりとり一つだけでも、すぐにおわかりいただけるでしょう。
別の県副委員長もまだ「調査中」であることを明言
次に、私に対する、規約に基づく第2回目の公式調査の中でのやり取りです(2023年12月7日、共産党福岡県委員会の建物にて)。私の質問に、調査を直接担当した党福岡県副委員長のB氏が回答しています。
神谷「確認ですけど、今お話がありましたけど、これ、(2023年)3月5日の私のブログの記事に関しての、**規約違反かどうか**の、規約に基づく調査ですね」
B副委員長「はい 、そうです」
ここでも私の質問は明瞭であり、党側の調査担当の回答もこれまた明瞭であることがわかると思います。(これも同様に確実な記録があります。)
私の「規約違反」は確定しておらず、規約違反か、それとも規約違反ではないのかをまさにこの調査によって調べているということを、B副委員長は認めていますね。(ちなみにもう一人の副委員長のC氏もこの公式調査には同席しており、このやりとりには、なんの異議も唱えませんでした。)
ここでもやはり規約違反は確定していません。
半年後の県党会議(県大会)決定でも「違反」でなく「違反の疑い」
そして、2023年12月23日の福岡県党会議の決定です。
「福岡県党会議」というのは、福岡県の共産党の県大会にあたるもので、県党の「最高機関」です(党規約第29条)。県内中から代議員が選ばれて開かれるものですから、一部の幹部役員の決定でしかない常任委員会決定などよりもはるかに強い、県で一番強い拘束力を持ちます。
私が規約違反であることを「確定した」はずの、23年6月の常任委員会決定からすでに6ヶ月(半年)が経過しています。当然、私の「規約違反」なるものは「確定」扱いでなければならないはずです。
県党会議の決定は、決議の形をとることもありますが、通常は「会議への報告」と「討論の結語」を多数決で採択し、それを決定とします。以下はその時の結語の抜粋です。「討論の結語」を行ったのは県委員長でした。
いずれも私(神谷)について触れた部分です。
「元県常任委員の神谷貴行氏が、党規約に違反する重大な疑いで…」
「重大な規律違反の疑いがある」
「神谷さんの言動も重大な党規律に反する疑いがある」
「党規約に反する重大な規律違反の疑いが現実にあるのですから、『調査』を行なうのは当然のことです」
これも私の一方的なメモではなく、公式の決定として文書で存在しています。
これでもかというほどに繰り返し、私の行為を規律違反の「疑い」と記述していることがお分かりになると思います。
しかも念入りに、“疑いがあるから今調査しているんだ”とまで書いておられます。およそ違反が確定したのではなく、まさに調べている最中だったわけです。
このように、少なくとも23年12月段階では、私は「規約違反」ではなく、「規約違反の疑い」だったことは紛れもない事実です。「23年6月21日に神谷の規約違反は常任委員会決定によって確定した」という党幹部の言い分は、この点からも成り立っていないことがお分かりになるだろうと思います。
いつ・誰が違反認定をしたかという基本的事実が崩壊
このように、「23年6月21日に神谷の規約違反は常任委員会決定によって確定した」という党幹部の言い分は、幾重もの証拠によって突き崩されています。いつ・誰が神谷の規約違反を確定したのか、という最も基本的な事実が崩壊しているわけです。
23年6月21日以降、私が結局トータルで何の「罪状」で調べられているのかを確定され、告げられたことはありませんし、「十分意見表明の機会」(規約55条)も与えられたこともありません。つまりずーっと「調査審議」が続いていて、私の規約違反は確定していませんでした。
こんなにも基本的な点が崩れる証拠が、正式決定文書や党幹部の発言から次々出てきていいのかと不思議に思うくらいに、たくさん出てくるわけです。単なる言い間違いとか、勘違いとかではなく、私の違反認定(決定)が除籍間際の後付けだったとしか言いようがない状況なのです。
だからこそ、私は自分のブログが規約違反であるとはどこでも正式に決定されていないと判断したし、それゆえに削除せずに、掲げ続けたのです。
(本論はここまでです。以下は長いので、気力・体力のない方は読まなくても結構です。上記までの記述でもう十分だと思いますが、それをもっと丁寧に、公式の調査の場で私が表明していたという話などですから。)
スナイパー観音のアクスタ
余談1:私の出した書状に答弁不能に陥った党幹部
私はこのことを、党幹部に公式の調査で何度も説明しました。
下記はつい最近の話、除籍される直前、第3回の公式調査に対して私が2024年7月12日付で回答した書面からの抜粋です*1。
上記のことに加え、党のこれまでの中央決定からも、社会通念からも、党幹部の議論は成り立たないことを、懇切丁寧に説明しているのがわかっていただけると思います。
あなた方〔党福岡県常任委員会〕によれば、昨年〔2023年〕3月5日付の私〔神谷〕のブログ記事が規約違反 である以上、昨年〔2023年〕9月29日(および今年〔2024年〕の3月7日)にそれを再掲したのは同様に規約違反であるとのことです。
しかし、繰り返しになりますが、この返書が書かれている7月時点においても、いまだに規律違反についての「調査審議」が行われており(あなた方が質問していることはまさに規約上の「調査」ですし、私が回答しているこの中身もその「調査」の一環のはずです)、規約違反かどうかの正式決定はどこにも存在しません。調査審議が終わっていないのに、規律違反は決定できないからです。
規約の定めにも矛盾する
規約を素直に読めばそれ以外の解釈はできません。ひょっとしたらあなた方は「この調査審議は規律違反かどうかを決めるものではなく、規律違反であることはもうすでに決まっていて、処分のレベルを決めるためのものだ」とおっしゃるのかもしれませんが、規約第48条の「調査審議」は(「処分」ではなく)「規律違反について」のものであると、はっきり書いてあります。
あなた方の6月26日付書状にも矛盾する
あなた方も「『調査審議』は、規律違反の事実関係を明らかにする」(〔2024年6月〕26日付書状)ものだと明確に述べています。現在もあなた方が私への調査審議を続けているということは、明らかになっていない・これから明らかにすべき「事実関係」がまだあるということであり、「事実関係」が明らかになっていないのに、勝手に特定の誰かを「規律違反」だと決定などできるはずがありません。
過去の中央決定にも矛盾する
そして、これは私の指摘に対してあなた方は完全に沈黙していることですが、これまでの党の中央決定でも、調査審議をしている段階では被疑者を規律違反だとは断定せずに「規律違反容疑」として扱い、事実の調査審議が終わって決定をしたのち初めて「規律違反」だと扱っています。これはいくつも事例があります。「調査審議は終わっていないが規律違反は決定している」というあなた方の言い分は、過去の党中央の決定さえ踏みにじっているのです。
過去のあなた方の言明にも矛盾する
しかもあなた方は第2回の公式調査(昨年12月7日、県委員会新館)の際に私が「これは私が書いた(2023年)3月5日付ブログ記事が規約に違反しているかどうかの調査ですね」と確認した時、「そうです」と答えています。あなた方自身が「規約に違反しているかどうか」を調査によって明らかにすると明言しているのです。「すでに規約違反は決定している」という言い分はあなた方の過去の言動に照らしても成り立ちません。
ビッグモーターやジャニーズ事務所が同じことを言ったらどう思うか
もう一度言いますが、あなた方のロジックは結局のところ「調査審議は終わっていないが規律違反は決定している」という、誰が聞いてもおかしな言い分なのです。
あなた方はビッグモーターやジャニーズ事務所や自衛隊が「調査審議は終わっていないが、ハラスメントをした人間は無実であることは決まっている」という馬鹿げた報告書を出したら、「とんでもない組織だ」と怒るでしょう。そうです、それが当たり前の反応です。
でも、あなた方が主張しているのはそういうことなのです。
23年6月21日の党県常任委員会決定で「違反」を確定したというが…
別の角度から申し上げましょう。
あなた方は〔2024年6月〕26日付書状で「あなた(神谷)の行為は、すでに昨年〔2023年〕6月21日の県常任委員会が…規約違反であることを確認し…」と述べています。つまり昨年〔2023年〕6月21日の県常任委員会で正式に決定した、というわけです。
この時は、それまでに私に対する査問は2回ありました。しかし、それはあくまで非公式の予備的なものにすぎませんでした。昨年〔2023年〕6月21日の県常任委員会で「常任委員会で権利制限を決定し、規約に基づく調査を進める」と初めて明記したように、この昨年〔2023年〕6月21日からようやく規約に基づく公式な「調査審議」の期間が始まったのです。この決定以前にはそのような「規律違反の事実関係を明らかにする」(同前)公式の調査審議はどこでも行われていませんでした。そしてその調査審議はいまだに終結せず、現在のこの瞬間〔2024年7月12日時点〕も続いているのです。
規約に基づく公式の調査審議をせずに、あるいは続けながら、県常任委員会(県委員会総会ですらなく)が規律違反を決定できるとする規約上の条文はどこにもありません。あるならお示しください。
6ヶ月後の県党会議決定でも「違反」ではなく「違反の疑い」と規定
さらにいえば、その県常任決定から6ヶ月後の2023年12月23日の県党会議決定は、私の行為について次のように記述しています。
「元県常任委員の神谷貴行氏が、党規約に違反する重大な疑いで…」 「重大な規律違反の疑いがある」「神谷さんの言動も重大な党規律に反する疑いがある」「党規約に反する重大な規律違反の疑いが現実にあるのですから、『調査』を行なうのは当然のことです」————これでもかというほどに繰り返し、私の行為を規律違反の「疑い」と記述していることがお分かりになると思います。
しかも念入りに、“疑いがあるから今調査しているんだ”とまで書いておられます。これは、県党会議の結語です。正式な決定文書です。少なくとも昨年〔2023年〕12月段階では、私は「規約違反」ではなく、「規約違反の疑い」だったことは紛れもない事実なのです。
しかも、この結語は、他でもないあなた方、なかんずく県委員長が起草したものです。あなた方の頭の中がそのまま正確に反映されています。あなた方自身が、昨年〔2023年〕12月段階では、私を「規約違反」ではなく、「規約違反の疑い」だとみなしていた動かぬ証拠です。
いつまでたっても違反事実が確定できない
さらに言いましょう。
これは日付だけの問題ではありません。
あなた方は私の「違反事実」なるものをどんどん付け加えて膨れあがらせようとしているので、そのために逆に、違反の基礎となる事実がいつまでたっても確定できないという自己矛盾に陥っています。
例えばあなた方は本年〔2024年〕5月7日付の私のブログ記事を問題にしようとしていますが(これについては後述)、これは昨年〔2023年〕3月5日付の私のブログ記事が規約違反容疑に問われていることと何か関係があるのでしょうか。
また、今年〔2024年〕2月5日に調査責任者である党県副委員長は調査項目として「またその後〔2023年12月7日以後〕にあなたがSNSで発信していることについてもお尋ねしたいと思っています」(副委員長のメールより)と述べていますが、SNSでの発信について言われたのは、〔2024年〕2月5日が初めてで、しかもその後、今日に至るまで何も調査されておらず、今回の調査項目にも入っていません。
もしこれらが事実関係を調査の上、違反を決定するのであれば、違反はまだ決定(確定)していないことになります。これは「規約違反は決定(確定)している」というあなた方の言明と矛盾することになります。逆に、「これらの違反もすでに決定している」と主張するのであれば、事実調査もせず、本人弁明も聞かずに決定したことになりますが、一体規約の第何条に抵触して何月何日にどの機関で違反を決定したのかをお教えください。
何が言いたいのかといえば、あなた方は裁判でいう公訴事実、つまり私にどんな違反容疑の行為があったのかを確定せず、そして私に告げもせず、気ままに設定し、事実の確認や聞き取りすらせず、好き勝手に拡大しているのです。そんな状態で違反行為の決定・確定などできるはずがありません。仮に私が次々違反行為をしているとしても、それはそれぞれ別のプロセスとして一つ一つ丁寧に認定し、厳正な調査を経て、その結果をもとに、規約に従って構成員みんなで話し合い、本人の十分な意見表明の機会も与えて決定することなのです。
常識的に考えられる規約違反と処分の決定の流れ
あなた方の規約解釈がいかに異常なものか。規約を常識的に読めば想定しうる、調査や違反認定、処分の流れをお示すれば、明らかになると思います。
例えば党員Aさんが規約違反をした可能性があるとします。
——Aさんの属する支部委員会は、(Aさんに聞き取りなどをした上で)Aさんが規約違反の疑いがあると決定し、同時に規約に基づく調査審議を開始します。事実を確認し、Aさん本人だけでなく、周りの人にも話を聞いたりします。
——また、このときAさんが反省を述べることもあれば述べないこともあるでしょう。過去の決定や事例なども調べます。
——さて、そのようにして調査審議をまとめた結果、支部委員会は「〇月〇日のAさんの〇〇という行為は…」として、問題となる行為をきちんと特定した上で、その特定した行為について「規約違反、除名すべき」と提案します。
——支部ではその提案を話し合い、「Aさんの行為は規約違反とはいえない」と考えて提案を否決することもあるでしょう。あるいは「Aさんは自己批判もしており、除名は重すぎるので、権利停止にすべき」という修正案が出てそれが可決されることもあるでしょう。その支部の決定を経て初めて、Aさんの規約違反の当否、そして処分の有無・重さが決定されるのです。
この解釈に無理があるでしょうか。ごく自然な解釈ではないでしょうか。
もし支部委員会が「Aさんの行為が規約違反であることはすでに支部委員会で決まっている。支部は処分の重さだけ決めてほしい」と言ったらどう思いますか。明らかに異常ですよね。
皆さんは、日本共産党の五〇年問題というのをご存知でしょうか? 日本共産党の指導部内の多数派が分派をつくり、意見の違う人たちを恣意的に排除したり除名したりしました。多数を握った指導部が勝手な規約解釈や運用をした結果、「党と運動に大打撃をあたえ」*2 ることになったのです。
もし、Aさんが規約違反であるということを、**支部指導部しか決められないとしたら**、どう思いますか? いくら支部総会でそれを否決しても、覆らない。指導部が気ままに排除する人を選び、違反だと指定し、支部は違反であるかどうかには口を出せず、その処分の重さを決めるだけ————そんな理不尽な建てつけに今の規約がなっているでしょうか。どう考えてもなっていません。
それとも「いや、規約違反は一応もう決まっているが、それは支部総会で覆すこともできる」とおっしゃるでしょうか? なるほどそれなら、規約違反かどうかは最終的に調査審議が終わった後の支部総会でしか、決定できないことになりますよね。支部指導部がいくら「規約違反」だと決定しても、それはあくまで「容疑」であって、最終的な正式決定とはいえません。
しかし、もしそうであれば、同様に、県常任委員会や県三役〔正副委員長と書記長〕がいくら「神谷は規約違反」だと決定しても、それはあくまで県常任委員会や県三役の考えであって、党としての最終・正式決定では毫もありません。
まとめ
ここまで言ってきたことをもう一度書きます。
- 「調査審議は終わっていないが規律違反は決定している」というあなた方の主張は全く成り立たちません。規約からも、過去の中央決定からも、以前のあなた方自身の言明からも、そして一般人の感覚からも、すべてかけ離れています。
- あなた方自身が、何月何日に私にどのような規約違反容疑があったのか、その全容を今まで示していないし、確定もしていない以上、「神谷の規約違反は確定している」という説明は通用しません。
- あなた方が「規約違反を決定した」と勘違いしているのは、三役や常任委員会として「神谷は規約違反をした疑いがある」という考えを決めたにすぎず、それは党としての正式決定でもなんでもありません。
規約違反が確定されていない以上私はブログを掲げ続ける権利がある
ここまで読めばすでに明瞭なことですが、私のブログ記事が規約違反であるとはどこでも正式に決定(確定)されていません。依然として調査審議中です。調査審議中のものを違反だと決定することはできないのです。
そうである以上、係争中の問題であり、これから私が所属する支部の会議などで、あなた方のずさんな調査審議結果と私の十分な意見表明を対比する機会が規約通り得られれば、「神谷は規約違反ではない」という最終決定が出る可能性が十分にあります。もちろんそうならない可能性もあります。
しかし、いずれにせよ、調査が終了して正式にその判断が行われるまでは、まだ党としてはどこでも判断していないことになります。
したがって、規約違反であるとの正式決定が出ていない以上、私は昨年〔2023年〕3月5日付ブログ記事を掲載し続ける権利があり、それを再掲したり、宣伝したりする権利があります。
この書状を私が2024年7月12日に党県常任委員会あてに回答し、それに対する党幹部側の答えが同年8月6日付の私への除籍決定通知でした。
それを読むと、私が指摘したことに、ほとんど何も回答していないことがわかると思います。
だからこそ私が、その後の除籍決定についての協議の場〔2024年8月16日〕で、“党幹部側は私がただしたことに回答しておらず、これでは除籍の前提条件がない。文書でちゃんと回答してください”という趣旨のことを述べたのです。しかし、党幹部側は回答せず、協議を一方的に打ち切り、除籍を強行したのです。
余談2:なぜ党幹部は規約違反が確定していないことをあけすけに語ってしまうのか
ちなみに、なぜ党幹部は、規約違反が確定していないことを、事前にこんなに繰り返し、あけすけに表明してしまったのでしょうか?
その意図は党幹部たちに聞かないと本当のところはわかりませんが、私が推測するに、除名処分ではなく、「カジュアル除名」=除籍措置とすることに、何かの事情で 途中で切り替えたために、後付けで考えたせいではないかと思います。だから、何一つ整合性が取れない、矛盾だらけの「認定」になってしまっているのはないでしょうか。