チューリヒ・バレエ『冬の旅』コンクリート打ちっ放し的ステージで舞われるシューベルトの冬の詩情 Schubert' Winterreise, Ballet by Christian Spuck , Music by Hans Zender , Ballett Zürich チューリヒ・バレエによる『冬の旅』を観ました。シューベルトの楽曲を大胆に編曲し、テノールの歌唱とオケが響く中、コンクリート打ちっぱなし的なステージで舞われるコンテンポラリー・バレエ。これが振り付けも含めて大変面白くて魅入られました。私はNHKBSPプレミアムシアターで録ったのを冬が本格化するまで寝かせておいたのですが、まさに冬の凍てついた空気の中でみると、その群舞のシステム性と人間の身体の美が伝わって。非常に現代的でありながら、同時に中世からの歴史的な幻想性も感じさせるのが、この現代社会の基盤を創った西欧文明の強みがあるなぁと想ったり。記名性の薄い、「季節」や「自然の中の人間の群舞」を感じさせるダンスが、徐々に人間個人の恋愛性の愛情を帯びていくのがまた面白くて。まるで雪が桜の花びらのように舞います。と同時に、全てが白と黒に収斂していく冬の厳しさも描かれて。なによりこのコレオグラフィーの魅力。一つ一つのダンスが現代的な有機性を持っていて、これは本当に見ものな公演でした。 by wavesll | 2021-12-18 22:20 |
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チューリヒ・バレエによる『冬の旅』を観ました。シューベルトの楽曲を大胆に編曲し、テノールの歌唱とオケが響く中、コンクリート打ちっぱなし的なステージで舞われるコンテンポラリー・バレエ。これが振り付けも含めて大変面白くて魅入られました。私はNHKBSPプレミアムシアターで録ったのを冬が本格化するまで寝かせておいたのですが、まさに冬の凍てついた空気の中でみると、その群舞のシステム性と人間の身体の美が伝わって。非常に現代的でありながら、同時に中世からの歴史的な幻想性も感じさせるのが、この現代社会の基盤を創った西欧文明の強みがあるなぁと想ったり。記名性の薄い、「季節」や「自然の中の人間の群舞」を感じさせるダンスが、徐々に人間個人の恋愛性の愛情を帯びていくのがまた面白くて。まるで雪が桜の花びらのように舞います。と同時に、全てが白と黒に収斂していく冬の厳しさも描かれて。なによりこのコレオグラフィーの魅力。一つ一つのダンスが現代的な有機性を持っていて、これは本当に見ものな公演でした。 by wavesll | 2021-12-18 22:20