生きた化石すごい!90本の触手がうごめく「オウムガイ」のいきいき映像 (original) (raw)
生きた化石として知られているオウムガイ。オウムガイというよりもノーチラスとポケモンぽい響きで呼びたくなる愛すべきこの生き物の祖先(アンモナイトに近い)は4億5000万年前~5億年前に誕生し、それからほとんど進化していないとされる生物である。
進化しなくても生きながらえてるだけあって、その黄金比レベルの美しい貝殻も、90本ある触手もすべてが機能的に働いている。そんなオウムガイが水中で美しく活動している映像をいくつか見てみることにしようそうしよう。
オウムガイは南太平洋~オーストラリア近海に生息し、水深およそ100m~600mに棲む。イカやタコと同じく漏斗(ろうと)と呼ばれる器官から噴き出す水を推進力にして、体を軽く揺すりながらゆっくりと運動する。
ノーチラス:オウム貝(パラオにて)
チェンバード ノーチラス
主な餌は死んだ魚介類や脱皮した殻などである。餌を捕食するために90本ほどの触手を使い、触手にあるたくさんのヒダで、ものに付着する。
触手のうち上面にある二つの触手の基部が分厚くなって融合し、帽子のような形状を作り殻の口に蓋をする働きを持つ。何かに付着する以外には、触手を運動に使わない。
オウム貝捕食映像
オウムガイの殻は、巻き貝のそれによく似て見えるが、内部の構造は大きく異なる。
巻き貝の殻は、奥までが一続きで奥まで肉が入っているのに対し、オウムガイの殻の内部には規則正しく仕切りが作られ、細かく部屋に分けられている。もっとも出口に近い部屋が広く、ここに体が収まり、それより奥は空洞である。
ガスの詰まった殻内部の容積を調節して浮き沈みする仕組みは潜水艇と同様である。そのため、ジュール・ヴェルヌは『海底二万里』に登場する潜水艦にこの名を使い、また現実の多くの潜水艦にもこの名が使われた(特にアメリカの原子力潜水艦が有名)。