はてなクラブのため京都市中京区御池通間之町東入高宮町206御池ビル9Fへ行く。 (original) (raw)
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昨日はちょっと早めに仕事を切り上げて、京都へ行くことにした。
京都駅で地下鉄に乗り換えて3駅。烏丸御池駅で下車。北1番出口から御池通を東へ100mほど。セブンイレブンのある真新しいビルが目印だ。
さて、玄関には、どこかで見たようなロゴの表札が……
そう。株式会社はてな。その本社がここにある。
はてなクラブ(https://www.hatena.ne.jp/info/hatenaclub/)のユーザーインタビューが開催されるとか言うんで、ちょっと試しに応募してみたら当選してしまったのだ(単に希望者が少なかっただけ?)。
はてなで日記を書き始めて2年半。はてなブックマークは1年ちょっと。無料会員だし、あまり貢献してきたという実感はない。はてなに何々してくれという要望もこれといってない。そんなライトユーザーがお邪魔してどうなのかなあ......とも思ったけど、人生、これまでIT企業とはご縁がなかったし、噂の会社を一度覗いてみたくなったのだ。
目的地はこの建物の9階。
その奥の方に、どこかで聞いた変な会社の表札がある。
呼び鈴がないので扉を開けて、「すいませ〜ん」と声をかける。返事はない。
もう一度、声を出す。誰も応答してくれない。
あれ、会議の日。間違えたのか。
衝立から顔を出してみると、あああ、これがIT企業なんだね、という光景がそこに広がっていた。オープンスペースの広さ、透明の仕切り板、ちょっと大きめのデザイン事務所っぽい雰囲気の所だ。そこで、ざっと見て20人ほどのスタッフがパソコンに向かって黙々と作業をしている。特にオタク系でもオシャレ系でもないような人たち。
そこでもう一度声をかけると、ようやく女性スタッフがやってきた。
ユーザーが語りたくなるような妙な会社
そこから先についてはノーコメント。
でも、上のitmediaの記事にもあるけど、「今新たな道筋を作り直し、多くの人が使ってもらえるサービスに磨き直そうとしている」との意気込みは感じ取れた。ユーザーが妙に親しみを感じてしまう社風というのもなんとなく体験できた。
自分でもすっかり忘れているのだけど、僕はFC2で「とれいん工房の鉄道省私文書館」というブログを持っている。2年半前にブログなるものを始めたとき、はてなとFC2を比較検討するつもりで開設してみた。
鉄道マニアでデジカメのデータをアップすることが多い。画像容量が無制限だったFC2の方が、はてなよりお得かなという印象はあった。操作性でも、機能面でも、デザインでも、はてなの方が劣っていると感じた。あと、変に最先端を目指していますという雰囲気に、正直、距離感を覚えた。ネットのあれこれに詳しくないからだ。
とりあえず、半年間、試行。
最終的に、FC2を休止として、はてなの方で継続することにした。
理由は2つあった。
現在でもそうなんだけど、この「とれいん工房の汽車旅12ヵ月」。内容的には鉄道趣味人をターゲットとして書いているつもりだ。こういう趣味系ブログorホームページだと、「関西の私鉄」なり「103系」なり何なり、ジャンルを絞り込む方が読者の食いつきが良くなる。鉄道系の本を相当量読み込んできたし、同人誌を十数年作り続けてきたんだし、そこらの雰囲気というのは何となく分かる。僕だと廃止ネタか未成線ネタか。
ただ、同じジャンルのことを毎日毎日ひたすら書き続けるというのもまた辛い。現在の自分にはそこまで思い入れのある対象が存在しない。だから、鉄道に関しても1つのことにこだわらず、幅広いネタを書くことにした。飽きたらアニメとか海外話とかも付け加えてみた。
そして驚いた。本来のターゲット以外のことを書いてみても、それなりに読者が存在するのだ。いや、むしろ鉄道話よりも食いつきが良かった。A(アンテナ)やB(ブックマーク)、K(キーワード)といった他のサービスを使いながら、なぜか辺境の地である僕のブログに足跡を残していく。はてなには、自分の興味のある情報をもっと知りたい利用者がたくさんいるからだろう。未知の知識と出会うことを渇望している人も多い気がする。みんな貪欲なんだ。現実社会にそうした人が決して多くはないことを知っているから、なおさらそのように感じる。
その広がりの意外性が僕には興味深かった。あと、ブクマに代表される利用者間の適度な距離感とドライさも、僕にとっては居心地が良かった。
ただ、はてなというサービス。今でもかなり敷居が高いのは確かである。僕みたいなのを新規ユーザーとして大量に取り込もうとするとなると、改善すべき箇所は多岐に渡っていると思う。非IT系の人間なんで、最初はアンテナとかブクマとか何とか書いてあってもそれをどう活用すればいいのか。あまりにも付属機能が多すぎて、さっぱり理解できなかった。客が遊び方を自主的に開発していくというのは、ある意味、レベルの高いことをやっているよな気もするのだけど、今のままでは、ご新規さんはなかなか食いついてこない。みんなが"優れた"消費者であるとは限らない。
一方で、はてなの大衆化と拡散が進んでしまうと、これまで蓄積してきたコアなユーザーが離反しかねない。そこらをどうやってバランスをとっていくのか。
ブログというかソーシャル・ネットワーキング・サービス自体が飽和状態にある中で(という認識で正しい??)、どうやってビジネスモデルを再構築していくのか。はてなのみならず、難しい選択を迫られている。自分みたいな無料ユーザーを遊ばせておいて大丈夫なのか……と以前から気にはなっていた。はてなダイアリー→はてなキーワードへのリンク→はてなキーワードがGoogleで上位に表示→広告やアフィリエイト......という点に収益構造がある、と、以前、「「はてなダイアリー」は「はてな」の収益に貢献しているか? - llameradaの日記」で紹介されていて、シロウト的にはなるほど.......と感心したものだ。でも、それだけでは持続可能な発展には繋がっていかない。
ただ、はてなの日記で書かれる「はてな論」はいつも注目されているし、僕みたいなライトユーザーでも「はてな」という会社に少なからず関心はある。ユーザーを虜にする"妙な魅力"があるのは誰もが認める。それをどうやってビジネスに繋げればいいのか。いいアイデアが浮かばないんだよなあ……と帰りの電車の中でいろいろ思ったりもしたのだけど、それはまた別の話。