あの時の答えが分からない (original) (raw)

おはようございます。

かざねっこです。

本日の題名は

『あの時の答えが分からない』です。

ごゆるりとお付き合いいただければ、嬉しいです。

子供達ふたりが

お風呂で交わしていた会話。

子供1 「とことこ、ペンギンがやって来た」

子供2 「ガオー、オレはライオンだぞ」

子供1 「そこにメスのライオンがやってきた

『ねえねえ、結婚しましょ』」

子供2 「うん、いいよ」

そこで、思わず突っ込んだ。

「キミ達、待って。

その結婚ちょっと、軽くない?」

突っ込んでから、思い出した。

そういえば私も昔、主人から

そのようなことを言われたことがあったのだった。

主人とは社会人になってから始めた

習い事を通して知り合った。

知り合ってから、何年も

挨拶程度の仲だった。

理由は主人の第一印象が

あまりにも良くなかったから。

面倒事には

なるべく関わりたくない私。

なので、なるべく主人に近づかないように

気をつけていたのだ。

それは、主人も薄々気づいていたらしい。

ただ、何年も経ってくると

そこまで親しくなくとも

それとなくその人の人柄というものが

伝わってくるわけで

もしかしたら、この人

そんなに悪い人でもはないんじゃないかと

思うようになっていた。

そんなときに

習い事のメンバーで

飲み会をすることになった。

たまたま席が近かったから

思いきって話しかけてみたら

趣味や考え方が合っていて

一緒にいて楽しかった。

それから、少しの間

メールでやり取りしたり

二人で遊びに行ったり。

そのまま、「付き合うおうか?」

という流れになって

お互い結婚願望はあったし

ただ徒にだらだらと

付き合い続けるというのも面倒だったので

ちょうど半年後の私の誕生日までに

結婚をするかどうかを決めようということになった。

それから、一ヶ月後のとある夜。

デートの別れ際に主人がぽろりと言った。

「このまま付き合ったら、

結婚することになるけれどいい?」

突然、何を言い出すのだと驚いた。

ただ、主人が少し不安そうだったから

ちゃんと答えようと思った。

「私と一緒にいるとき、しんどくない?」

「全然」

「借金とか、私に何か隠し事ない?」

「ない」

「なら、いいんじゃない?」

私もそうだし。

主人は「そっか」とだけ答えた。

案外、あっさりしたものだなと思った。

主人と別れて、家へ帰った。

寝る間際になって

主人から電話が掛かってきた。

今度はなんだと思って電話を取ったら

第一声。

「君はそんなにも簡単に結婚を決めていいのか!」

あの話の流れからだったから

ちょっと期待してたけれど

まさかの説教だった。

どうやら、私があまりにも

さらりと答えてしまったから

さらに不安にさせたらしい。

おかしいな。

答え方はどうであれ

誠意をもって答えたはずなのに。

主人が電話口で結婚の意味を

滔々と説いている間

私はあの時どう答えれば良かったかを

一生懸命考えていた。

ただ、少し弁解させてもらうなら

貴方と親しくなる前から

貴方は結婚願望が強いって

風の噂で聞いていたから

貴方と「付き合う」ってなったときにはもう

その覚悟でいたんだぞ、私・・・。

さらに、その一ヶ月後。

「できれば、プロポーズは

覚えやすい日がいい」

私が何気なく放った一言を

主人は勘違いした。

ちょうどその日が

きりのいい日だったから。

なぜだか

「今日、私にプロポーズして」

と解釈したのだ。

そして、デートの別れ際

「じゃあね」と車から降りようとしたら

「ちょっと待って」と止められた。

それから、しばらく。

「えーと、その・・・」

ずっと口ごもっている主人。

さて、私はどうすればいいのだろう。

何度も何か言いかけようとして

止める。

そして、ついに日付が次の日になった。

そこで、ようやくプロポーズ。

おかげで、プロポーズされた日付は

なんともきりの悪い数字になった。

ただ、プロポーズまでの時間が

なかなかに印象深かったので

今でもその日付はしっかり覚えている。

そして、さらにその後。

とんとん拍子に結婚話は進んでいった。

ただ、あの一件以来、

主人は依然として疑心暗鬼のまま。

この子(私のこと)はどこかでころりと結婚を

反故にするんじゃないかと思っていたらしい。

だから、主人は結婚することを

身内以外の周囲の方々に報告していなかった。

まあ、式はほぼ、身内しか呼んでいなかったから

良かったけれど。

というか、式を挙げる三ヶ月くらい前になって

急に「今更、みんなにどう報告すればいいんだろう」

と相談された。

そんなこと、私、知らんがな。

その後、報告はしたらしいけれど

皆様、いつか主人が式を挙げるときには

参加される心積もりだったらしく

急に報告をされてもスケジュールの調整がとかなんとか。

皆様を大いに慌てさせたらしい。

(その後、皆様には身内だけで挙げると説明して

事態は収拾したらしい)

あまりさらりと答えてもいけないし

慎重になりすぎるのもどうかと思う。

子供達の会話を聞いて

主人はあの時、

こんな気持ちだったのかな、と思うと

ちょっと申し訳ない気もするけれど

ただ、私はあの時、どう答えたら良かったのか

いまだによく分からない。

最後までお付き合い頂き

ありがとうございました。