ウスマン・デンベレ~劇的なプレー精度の改善~【特集改訂版】 (original) (raw)

今回はバルセロナ所属のウスマン・デンベレ選手について書いていきたいと思います。

今回は改訂版です。プレースタイルの成長や役割の違いを中心に書いていきます。

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①劇的なプレー精度の改善

今シーズン冬までのデンべレ選手のチームでの評価は「戦力外」でした。

・怪我を繰り返すことで余りにも低い稼働率

・遅刻や練習態度の不真面目さからの規律面

・年俸が高く、更に契約延長で大幅なアップ査定を吹っ掛けられたことでのクラブとの関係悪化

でもはや「不良債権化」されており、シーズン後まで試合に出ることは無くフリーでの移籍と最悪の別れ方が想定されていました。

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しかし最近デンべレ選手は劇的にプレー精度が改善され、当初はブーイングだらけであったカンプノウは彼の登場と共に歓喜に代わり、交代時にはスタンディングオベーションを受ける程にファンとの関係は改善され、今や契約延長も一刻も早く締結すべきだという声もよく聞きます。

②監督の起用法とマネジメント力

ここまでデンべレ選手のプレーが改善された大きな要因は「監督の起用法とマネジメント力」にあると思われます。

シャビ監督は就任後からデンべレ選手の才能を高く買い、ことあるごとに擁護していました。そして彼をサイドに張らせて「ドリブル突破」という役割を明確化させていたことで思考がシンプルになり、思い切りのよい仕掛けが増えました。(前までは内外どちらも使わせ、デンべレ選手が苦手なサイドバックとの連動やポジショニングが大事となる役割でした。)

さらに食事制限や規律面でも改善(結婚も大きかったのかもしれません。)したことで体のキレが復活。そのおかげで攻撃面だけではなく、オフザボールでの飛び出しやポジショニング、さらに守備意識も向上しており、今やチームの崩しに無くてはならない存在となりつつあります。

これまで何人もの監督を悩ませていた彼を自制させ、潜在能力を引き出したシャビ監督のマネジメント力は素晴らしいとしか言いようがありません。

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またドルトムントでもチームメイトであったオーバメヤンは所謂「兄貴分」として彼と接し、ピッチ上でも良好な関係性を築いています。

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③それでも契約延長は慎重に

ただそれでも個人的に契約延長は慎重になるべきであると思います。

まずクラブは現在リーガのサラリーキャップの関係で、何とか主力選手の年俸をカットして工面した今シーズンはともかく、来シーズンも厳しい状態が続く中約1400万€と言われている年俸を得ているデンべレ選手の契約更新は、大幅な減俸を呑まない限りは締結するのは困難であると思います。また他主力選手(アラウホ、ガビ)等の契約交渉も迫っており、彼らに対する正当な評価を行わずデンべレ選手に高額サラリーを払うのはチームのモチベーション面にも影響しそうです。

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そして忘れてはならないのはまだ活躍しているのは僅かな時間(2ヶ月)であることで、契約期間中の働きを踏まえてクラブは慎重に事を進める必要はありそうです。

ここにきてその特大のポテンシャルを発揮しつつあるデンべレ選手。その輝きはずっと続くのかそれとも最大瞬間風速で終わるのか、注目していきたいと思います。

では