PSYCHO-PASS サイコパス~絶対的な判断軸の矛盾~【PSYCHO-PASS サイコパス】 (original) (raw)

※ネタバレ有り

今回はアニメPSYCHO-PASS サイコパスについて書いていきます。

🄫サイコパス製作委員会

①管理された近未来が舞台

本作の舞台は西暦2112年、人間のあらゆる心理状態や性格傾向の計測を可能とし、それを数値化する機能を持つシビュラシステムが導入され、人々はこの値を通称PSYCHO-PASSサイコパス)と呼び、数値を指標として有害なストレス排除しを理想的な人生を送ることを最上としています。

また犯罪に関しての数値は犯罪係数として計測され、例え罪を犯していなくても犯罪係数が一定値を超えれば潜在犯として逮捕される仕組みになっており、治安維持に努める警察組織はその潜在犯を執行官として登用、そして彼らを監視、指揮する為に選出された執行官をリーダーとしたチームで犯罪を取り締まっています。

職業選択だけではなく、日々の生活すら数値で管理された近未来。近いうちに訪れてもおかしくはない世界が舞台となっています。

②絶対的な判断軸の矛盾

しかしそんな中でもはみ出し者は存在しており、作中では数少ない例外的な人物が事件を起こすことで絶対的な判断軸の矛盾をついています。

1期で登場したのは免罪体質者槙島聖護。犯罪指数を計測出来ない思考を持つ人物で(現代社会におけるサイコパスに似た人物像となっています。)、そのシビュラシステムに影響されない(逮捕出来ない)体質を利用して犯罪を助力、そして自らも行動に出ることで管理社会にアンチテーゼを突き付けることになります。

次々に出てくるシステムの欠陥、そして判明する矛盾点。これから起こるであろう世界に警告を与えるという意味では考えさせられる内容となっています。

③システムの枠にとらわれない存在

それでも例外には例外をという意味で表れたのは、立ち直りや切り替えが異常に速くポジティブな観点で思考出来るメンタル美人常守朱、そして槙島の逮捕に異常なほどの執着心を持ち、現行法を破る事にも躊躇が無い猟犬狡噛慎也

彼らのようなシステムの枠にとらわれない存在、そして彼らを擁する癖は強いものの非常に優秀なチームが槙島を追うことで物語が進み、様々な駆け引き、巧みな操作方法、そして警察の泥臭さが見事に表されています。

その為近年放映された近未来SFの攻殻機動隊のようなサイバーパンク感は薄く、またディストピアorユートピアのような極端に社会体制の是非を問うものでも無いあくまで人々が織りなす群像劇がベースとなっており、警察ドラマが好きな人も楽しめる内容となっています。

では