映画『君は放課後インソムニア』 (original) (raw)

映画『君は放課後インソムニア

監督;池田千尋//森七菜/奥平大兼/桜井ユキ
2023年製作/113分/邦画/DVDレンタル
<★★★△>

可愛い映画を観ました。
ワタシのころとはまるで違う。今どきの高校生ってこうなんだろうか。
インソムニア不眠症、必要に応じて入眠や眠り続けることができない睡眠
障害。ここでは、妙だけど、夜眠れないから午後ちゃんと眠らなきゃならな
い。ところがその大事な午後に眠れない。どうも、そういうことを指すイン ソムニアなんだろうな。
石川県あたりの高2の男の子。父子家庭。理由はよくわからないが、夜眠れ
ない。で、夜勤の父親の朝食を作って登校したあたりから睡魔がやってくる。
たまたま行った天文部の部屋に先客がいる。同クラスの不眠症の女の子。
顔見知りになり、ついで、保健の先生に、今はもうなくなっている天文部を
薦められたことから、この男子生徒と、もっとはっきりしたわけありの女子
生徒の生活に、ちょっとした方向性の芽が生まれる。当然眠れない。
二人のインソムニアは治らないままではあるけれど、部員二人での天文部再
開に向けて話が動き出し、彼らの、言わば色褪せ悶々とした学校生活に色彩
や活気が帯び始める。
そのほか、動き始めたお話に絡んでくるのは、彼女の小さいころに亡くなっ
てしまった友達のお母さん、かつて天文部に所属した変人卒業生、彼女のク
ラスメイトら。彼らの親ははじめはなかなか厄介な抵抗勢力的なのですが。
まあ、それはここでは言わぬが花。
前へ進み始めた彼らの高校生活はどうなっていくだろうか、というところで す。
彼の事情も彼女の事情も類型的と言えなくもないかもしれませんし、お話と
しても、綺麗にまとまり過ぎちゃったかもしれませんが、ワタシにはまぶし
く見えましたね。
自分の遠い遠い高校生活と比べてしまいました。自分も周りもすさんでいた
り、荒れていたりということはなかったのですが、「受験戦争」などと言わ
れたものに支配されていました。要領が悪くて勉強ができなかっただけでな
く、中学からの友人のほかにはほとんど友達もできずじまいでした。中学で
も大学でも友人はできたのになぁ・・・
ワタシには、主役の男子生徒がよく描かれているような気がしました。彼女
の方については演技しすぎのような気もしましたが、よくわかりません。ワ
タシなら間違いなく惹かれてしまって、どうしたものかと困ったに違いあり ません。
ああ、この町は七尾で向かいは能登島。原作は漫画ですか。
この映画の中の、彼らが写真を撮りにいく行く田舎町も、きっと今度の地震
の影響をこっぴどくうけたんでしょうねぇ。