映画『アパルーサの決闘』 (original) (raw)

映画『アパルーサの決闘

1882年の西部、ニューメキシコ準州。凄腕(銃が)のオッサン二人(コール
とヒッチ)がアパルーサという小さい町にやってきたところ、早速見せた腕前を
見込まれ、町のリーダー格3人に治安を守ってくれと頼まれる。
町が手を焼いていたのは、フラッグという男をボスにした無法者の一党。フラッ
グは殺人の罪で追われているだけでなくて、掴まえに来た保安官ら3人を返り討
ちにしたところだった・・・
二人は保安官となって働くが、フラッグを捕まえる証拠やいい手がない。
そんなところへ、ある淑女っぽい女アリソンが町に降り立つ。1ドルしか持って
いないという。二人は彼女の滞在を許し、コールほうは見初めてしまい、相愛に
なる。彼女にはある男癖があった・・・
彼女のことはともかく、フラッグの保安官殺しを目撃した若者が寝返って証言も
すると言うので、一計を案じて二人はフラッグを確保し、裁判にかけるところま
では行き着く。しかし、ことはもつれてしまう。
西部の景色やムードはいたって普通でよかった、ほこりっぽさなんかも含めて。
中心になっていたのは、コールとヒッチの関係―まあ、友情ということになるで
しょうか。あまり、西部劇の王道という感じじゃない。勧善懲悪というのでもな
いし、軽業みたいなガン捌きですかっとさせるのでもなければ、捻った皮肉なニ
ューシネマふうなんていうのでもない。ほぼほぼ地味で古風で真面目なガンマン
たちの物語。
もっとも、物語自体はそうなんだけれど、出演者たちのムードについちゃあ、断 然馴染みのものじゃなかった。
オッサン二人だけでなく、フラッグとアリソンも大スターが扮してまして、いず
れも西部劇で観るのは、すごくめずらしい気がしました。そしてみなさん、気張
った感じじゃない、出せるのに出さない抑えた演技という感じでした。それに監
督が主演のエド・ハリス自身で、手練れ監督のような表現とはなにやら肌合いが 違っていたのも、ワタシには新鮮でした。
あまりいい評価を得ていないみたいでしたが、敢えて決まり切った表現を採らな
い西部劇にしたのであって、そんなヘタクソな作品だとは思いませんでしたけど ね。
原作はロバート・B・パーカーなんだから、小説ではもっとハードボイルドな雰
囲気なのかな。ワタシはパーカーのウェスタンは読んだことがないので、なんと
も言えませんが、「脚本」のほうは、ハードボイルド狙いではないものだったの かしらん。
音楽は時々見かけるジェフ・ビールというかた。脳天気には騒がないもので、類
型的でもなく、悪くなかったと思います。