千里の棋譜~現代将棋ミステリー~ プレイ感想 (original) (raw)
ここ最近、ケムコさん発売のノベルアドベンチャーに外れがない!
コメディありギャグあり感動あり!?個人的に筆者一押し「D.M.L.C. -デスマッチラブコメ-」
ケムコデスゲームシリーズ集大作ともいえる「レイジングループ」
とにかくしんどいがクロが可愛い「最悪なる災厄人間に捧ぐ」
そして今作の新作発売と聞いて楽しみにしていました。
PC版もあり(Steamで配信中)
外部会社さんの作品をケムコさんで発売している、って感じなのかな。
トロコンまで遊びました!満足だった!
ネタバレはなるべくぼかして書きますが、二章の内容にちょっと触れているのでご注意ください。
簡単なキャラ紹介
・将棋知識はほとんどないフリーライターの一ノ瀬さん
将棋詳しくない設定なのでプレイヤーが感情移入しやすくなってる。
・冴えない感じの若手棋士、長野くん
一ノ瀬さんと一緒に行動することが多く、将棋の解説役もやってくれる。
・川から流れてくる少女棋士、雪村さん
最初に出会った時の歩未とのやり取りは勝負師らしさあって痺れた。
・作品の監修も務めた高橋九段(左)
高橋九段、推せる #PS4share pic.twitter.com/9WsEHHoEo5
— ききょう@衛星見習い (@kky3ka) 2020年2月29日
アニメやサブカルが好きでそんな感じの言動をしたり。なんと実在人物である。もちろん将棋強い人なので作中でも頼りになる。
実在人物はほかにも登場するぞ!
シナリオとシステム
メインストーリーは、
襲撃された会長
名人戦を前に行方不明になる名人
それぞれの陰謀、渦巻く思惑…の第一部と、
こういった場面転換と共にBGMが切り替わる演出好きすぎる #PS4share pic.twitter.com/dNww6PzZby
— ききょう@衛星見習い (@kky3ka) 2020年2月29日
第一部の後日談
突然消えた天才棋士
幻の名人戦の謎を暴け
熾烈な戦い…の第二部からなる。
こう書いてみるとそれぞればらばらの出来事?と思いますがしっかり繋がりがあって面白かった!
探索シーンがあるのでノベルゲームというよりアドベンチャーゲームっぽさある。
またテキストも地の文が少なく会話で進む感じなので(これもアドベンチャーゲームっぽいなと思った理由の一つ)、ストーリーのテンポが非常に早くてよい。
会話でスイスイ進むけど、心理描写に物足りなさを感じるかも、個人的には登場人物の内面をもっと見てみたかった!
特に長野くんはもやもやしたもの抱えてそうなので長野くん視点の話をもっと見たかったなー。
…というのが第一部終了時の感想だったが、第二部では対局中の長野くんの心理描写もがっつり書かれてて満足した!
実際将棋をよく知らなくても楽しめるのか
なんと駒の動かし方から学べる将棋教室付きで安心!
謎解きで将棋が使われるシーンはあるが、正解できないと一発ゲームオーバーなどは一切ない。
また間違った選択肢でもフォローを入れて貰える事が多い。理由を聞いておぉ~(感心)って将棋の勉強になったり。
また、対局シーンなどで登場する将棋の戦法などは解説を聞くことも出来る。
途中のある対局シーンでは、ポンポンと実在の将棋用語出てくるから予習してると凄さが分かってきたり。
また実在の人物、実在の施設も登場していて、将棋界に興味が湧いた。
実在人物の扱いに笑った #PS4share pic.twitter.com/ZM8BwzUFIJ
— ききょう@衛星見習い (@kky3ka) 2020年3月3日
用語集がついていて、物語と連動してワードが増えていくので不安なら合わせて読むとよし。
…本編だけじゃなくおまけも充実してますこのゲーム。満足感ある。
見所シーン
第一部にてある登場人物の正体が明かされた後の展開がダントツで面白い(ネタバレなので詳しくは書けない)勝負にかける人間各々の魂のぶつかり合いを垣間見ることが出来る。
千里の棋譜、1部のだいぶ後半まできた(ある人物の正体が分かったところ)
あそこから後、名言のオンパレードすぎる
後がない一生の勝負にかけてる人達の熱意を感じるぞ…— ききょう@衛星見習い (@kky3ka) 2020年2月29日
将棋シーンももちろんあり、バトル漫画感あった。
作中では対局も見られる。しかも開始から終了まですべて。それがストーリー演出として面白かった!
素人からしたら、対局の一手一手が勝負においてどれだけの意味を持つか、全く想像も付かなかったのですが、対局中、登場人物たちがこの手は重要な手だ、ってことを解説してくれる。
将棋対局の盤面一つ一つからストーリーが感じられるような、こんな意味があるのか……とまるで驚きの連続でした。解説がとても面白い。
将棋は駒の動かし方しか知らなかったんだけど、解説読みつつ進めてるとプロの対局はこんなにもハイレベルで美しいんだな、って感動を覚えました。
千里の棋譜第二章、
無人島に行く一行、大荒れの天気、消えた人間といったシチュがすごくミステリーっぽい。あっこれ将棋ミステリーだったわ— ききょう@衛星見習い (@kky3ka) 2020年3月2日
第二章ではちょっとミステリーアドベンチャーゲームっぽいシーンが。
千里の棋譜二章も読み終わったぞー
一章のときに長野くんの心理描写をもっと読みたいなーと思っていたので、二章の対局シーンではそういった所が見られて嬉しかった!
自分の知らなかった世界を垣間見る事ができた面白い作品でした、熱い勝負をありがとう!— ききょう@衛星見習い (@kky3ka) 2020年3月3日
将棋用語だけでなくプロ将棋界のシステム(昇段試験とか)を知ることができたのも個人的には面白かったなぁ。
現実がベースなんだけども、なんだか別世界のようだった…。
そう思うと、日常の中の非日常を扱った作品とも思えるのかもしれない。(一般の人間目線)
総評
シナリオは面白いけど人を選びがちだったケムコアドベンチャー作品のなかでも最も万人に勧めやすい作品かもしれない。
ノベルよりのアドベンチャーが好きな人、将棋に興味がある人、解説もしっかりしているので将棋はよくわからないという人でもぜひ。
近い分野だとeSportsや格ゲーに関心がある人など勝負の世界を見たい人に特におすすめしたい。通ずるものが感じられるはず。
また、将棋の展開や戦法を知るきっかけになった。ゲーセン将棋ゲームの最低レベルCPUにボコボコにされてたのはやっぱりセオリーみたいなのが有るからだったのね…このゲームでしっかり勉強してちょっと戦法を試してみたくなったなぁ!
将棋についてそこまで詳しくなかった筆者も、この作品を通じて将棋世界のプロのすごさをなんとなく感じ取れた作品でした。熱量が熱かった!
現実の将棋も本当にいろいろなことが起こっていますし、この作品で学習したらあのニュースはこういうことかー、ともっと楽しめるはず。