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「ふくらむ読書」次回、中央公論社版の幸田文全集を装幀造本だけを語る回をかたちをつけ外出。さいきん自転車置き場がどこも満杯で困っている。

西部展book&Aを知人2人で覗き、昼飯。3人で入るのは昼時難しく「かつや」でカツ丼とする。ひさしぶり。かつ丼梅に豚汁小をつけようとするが、ほかの2名がいらないというので却下。200円で逡巡する心の弱さよ。駅カフェであれこれ1時間ぐらい喋り、別れて総武線。「浅草橋」下車、筑摩書房へ。もう書店店頭に並び初めている(初速の動きはいいようだ)木山捷平小説集『駄目も目である』にサイン入りの受注が入り、ねんのため80冊にサイン、イラスト、落款を入れる。1時間半かかる。頭のなかにおがくずがつまったようだ。これが売れたら、もう1冊、木山捷平で編みたいと話す。サイン本は近々、京都・善行堂に並びます。関西の方々、よろしく山本を喜ばせてください。

サイン本ごきぼうの書店あれば、ちくま文庫編集部までご連絡ください。

カバー画を描いてくれた牧野伊三夫さんの酒場放浪記が、来月、ちくま文庫入りする。担当は同じK氏。一緒に祝いたい。

帰りは都営大江戸線「蔵前」(こちらのほうが近い)から、飯田橋駅東西線乗り換えと試みるが、両線の間隔が暴力的に離れていて地下道、エレベーター乗り降りと途中で嫌気がさししゃがみこみそうになる。ホームからホームへ15分はかかったか。どうもぼくにとって都営大江戸線は使えない路線のようだ。乗り換えるにしても地上を歩くほうがいい。なるべく使わず生きていきたい。あれこれ手はある。

夜、「ふくらむ読書」を仕上げ送付。週明けまで締め切り続く。この時期のみ忙しい。本はよく読んでいて、常盤新平推奨の伊藤桂一の時代小説を読む。あれ、タイトル何だっけ。しかし、これはよい。ちょっと「金色夜叉」を江戸に移したような話だが、文章がいい。伊藤桂一の出発は詩だった。

5日小雨のなか、本川越経由川越市駅東武東上線東松山」へ。11月23日、同地「松山フォト」で岩田和彦さんとトークイベント。音楽もやろうということで、練習するため向かう。岩田さんの知人のベーシストSさんがウッドベースで参加してくれることになり合流。20名は入るパーティールームを「まねきねこ」で借り、3時間、決めた曲を練習する。3時間は長いと思ったが、楽しく、あっというまだった。音楽は楽しい。もっと身を入れてやりたいものだ。

ジャズ、拓郎、ぼくのオリジナル曲とさまざまなジャンルを話し合いながら7曲セレクト。音合わせは初めてで、はたしてうまくいくかと思ったが、ぼく以外は楽譜も読め、ちょっとした打ち合わせだけで、どうにかクリアする。魚雷くんのエレキベースと組んだことはあるが、ウッドは初めて。なかなかいい感じ。当日、乞うご期待。20名キャパがすでに15名予約あり。あと1カ月半で埋まるだろう。

ワンドリンク付き1500円(プレゼントも用意します)

予約は岩田(hzv01500@nifty.com)まで。盛林堂の岡崎棚、音羽館、七七舎へはチラシを置かせてもらうようにします。

https://1drv.ms/i/c/1732e9392e54bade/EfZ-xBJPdUlFvBI6sC5AgQwBRg2UGN_0Da3_lftyn3CG5Q?e=nMNf3B

あとで、しまった、録音しておくんだったと後悔する。東松山駅前居酒屋で打ち上げ。電車の連絡悪く(航空公園駅で向いに来た急行に乗り換えれば30分短縮できた)帰り遅くなる。

3日かけて、ミステリ長編、アン・クリーブス『哀惜』を読了。秋に緻密濃厚なミステリはよく似合う。あれ、なんだか知っている話だぞと思ったら、何年か前、ミステリーチャンネルで放送された「刑事マシュー・ヴェン 哀惜のうねり」の原作だった。主人公の刑事マシューは男性の夫を持つLGBTQという設定。もう一度見たくなる。

www.shunyodo.co.jp

本の雑誌」12月発売の1月号になるのか、なつかしい小説というテーマで鼎談。編集部へ。1カ月ぐらい、本を探したり準備をしてきた。2時間近くしゃべったら、椅子から立てなくなる。どこへも寄らず帰宅。阪神終戦を見るため。なんとか勝ててよかったです。岡田監督の勇退、しかたなし。同じ年だが、ぼくなど今日のような軽作業で疲れてしまうのだから。

ちくま文庫10月新刊、岡崎武志偏『駄目も目である 木山捷平小説集』の見本とどく。牧野伊三夫さんによるカバー絵が効いている。いいできばえになった。

何日か前、すごい夕焼けで、風が涼しい。思わず「夕空晴れて秋風吹き」と口ずさむ。一年のうちでベストシーズンだが、年々短くなる傾向あり。どこかへ出掛けたいが元気なし。NHKの鉄オタ選手権再放送の西武線を見ながら、西武線西側の一筆書き乗車を計画する。国分寺線狭山線山口線多摩湖線と乗り継ぎ、国分寺線で戻ってくる。また「ラビュー」にも乗りたい。

ダイソー」へ行くと、もう来年のカレンダーが多種売り出されている。あまり大きくないので、書きこみができるので、吊り下げられるのが欲しい。できれば月曜始まりがいいが、それはない。

安部公房砂の女』を3度目か、新装なった新潮文庫で読み継ぐ。すごい作品だ。イマジネーションと言語化能力のトップクラス。

「ふくらむ読書」荷風断腸亭日乗』を。大正15年の夏はどうだったかを書いて送付。毎回ネタ探しから、けっこう重い連載で、終わると肩の荷が下りた気分になる。常盤新平『銀座旅日記』読み継ぐ。

呼び捨てにはできないアン・サリーさま「機関車」を。もとは小坂忠の名曲。立命二部夜の校舎の廊下を歩いているとき、「わすれものはもう~」と口ずさんでいたら、「お、きかんしゃやな」と言った男がいて、日本のフォークロックで意気投合。その後、仲良くなり、東京上京のときトラックを借りて、荷物とともに一緒に運んでくれたのが彼だった。乱暴な口のききようで誤解される向きもあるが、繊細な男である。彼にはいまだに感謝している。振り返ると、いろんな人の助けがあり、ここまで来た。墓に刻むとしたら「感謝」だ。

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28日、予報は雨を回避してオカタケさんぽ。第何弾になるのか。残暑や雨を考慮して、ビル巡りとする。竹橋パレスサイドビルから国立近美へ。パレスの屋上は土日閉鎖と知り、急きょ、近美の常設展を1時間ほどでめぐる。65歳以上は無料。けっこうみごたえあり。絵を見るって疲れるのな。

この日、新刊を出したばかりの川口則弘さん『文芸記者がいた!』(本の雑誌社)をことほぐ。大毎の渡辺均は、上方芸能評論の先駆という印象だったが、花形記者で女によくモテた、40過ぎで不能となり、結末は自殺とは知らなんだ。川口さん、けっこう辛口で言うべきことは言っている。

田口哲郎も一章を割いて取り上げる。のちの高井有一共同通信大阪支社の記者時代、寝屋川在住で京阪電車で通勤していたはず。ぼくも京阪小僧で、乗っていた時期が重なる。

近美から地下鉄で日本橋へ。旧日本橋の擬宝珠を見て銀座奥野ビル。ここで電池は切れていたが、どうしても行きたいとの声あり、予定どおりニュー新橋ビルへ。この日の隠しテーマ「階段」をめでる。歩数は9000歩。疲れた。目の前の新橋駅前古本市をスルーする。目の前にぶらさがった古本を見ないのは生れて初めて。

参加者のMさん(ぼくは先輩と呼ぶ)が新橋の帝王であることを知り、案内で打ち上げはガード下の居酒屋へ。サワー160円とか、極端に安い店。すぐ頭上をかなり大音量で電車の通過音あり。また、それもよし。

この日午前、西部展で買った常盤新平『銀座旅日記』(ちくま文庫)を車中で読み継ぐ。常盤さん非流行作家だと自嘲するが、原稿の注文は多く、毎日のように各所の名店で飲食している。2000年代の日記だが、常盤さん、当時「つくし野」在住のはずながら、渋谷から深夜、タクシーで帰宅したりしている。2万円はかかると思うよ。

坪内祐三さん、何度か颯爽と登場。人形町「快生軒」へ入店すると、「店の客がいっせいに彼を見るのは直観で旬の人だとわかるのか」という。ぼくも同店へは入ったが、埃も立たなかった。

29日、地元公民館の講座参加シリーズで、今日は「スープカレー」の料理教室。野菜の勉強が3分の2ぐらい。「親子の」とあり、子どもが半数以上。親はつきそい。子のない男性はぼくひとり。野菜を刻むのも子ども。ぼくは出来上がりを食べただけ。しかし美味かった。6班にわかれ、鍋6つ作られたがいずれも完食。ぼくの班の年長者男子は5回くらいお替りしていた。

『第十折々のうた』「秋」の部を。宮崎信義のこの歌に惹かれる。

「あぐらをかいて遠いビルを見ている何となく身の上話になってきた」

大岡は若い歌人の口語自由律短歌を「甘ったれた調子」と批判し、宮崎の歌を「気分をしっかりつかんだ確かさと年輪を重ねた貫禄がある」と評す。

涼しくて本がどんどん読める。相撲もなく、阪神の試合もお休み。残り5戦を全勝すれば、ひょっとしてひょっとする。このところ巨人はまったく打てていない。優勝のプレッシャーもあるだろう。

ずっとナイロン弦のギタレレを触っていたので、ひさしぶりに鉄弦のギターを弾くと指が痛い。11月23日東松山での岩田和彦さんとのトーク、音楽イベントは定員20名ですでに14名予約が入っているそうだ。まだほとんど宣伝していないのに。岩田さんの友人のベーシストが参加してくれるそうで、カラオケルームで練習することに。

このところ、日に一度は聞いている。じつは、ちょっと涙ぐみさえするサッチモの「この素晴らしき世界」。歌詞と曲と歌唱が完全一体化した奇跡的世界。世界中で、みなが一日に一度、この曲を聞いたら犯罪は1パーセントは減るのではないか、などと夢想する。

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この涼しさが続くと信じたい。時差ぼけはあるが、曜日ぼけもあって、今日が何曜日か分からないことあり。

鶴見俊輔『回想の人美と』、三度目くらいか読んで、あちこち付箋を貼る。谷川雁の章で中村きい子登場。長編『女と刀』は「思想の科学」に連載。中村の母である烈女を描く。私は初認識。ところが、ちょうどBSTBSの再放送で山田太一がしゃべっているのを見て、そこに中村きい子が登場。驚いた。木下恵介アワーの「女と刀」の脚本を木下とともに担当したのが山田だった。うーむ、シンクロしたぞ。

しかし、いま読めるのか。検索すると、近年にちくま文庫が収録。えらいなあ、ちくま文庫。読むか読まないか、迷っている。

映画「ラウンド・ミッドナイト」を、こちらは4回目か5回目か、を見てすっかり浸りきる。演奏シーンも多い。ハービー・ハンコックが重要なピアニスト役に扮し、自然な演技。1曲貼り付けておこう。

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いいものを聞き、見て、読んでのこれまでの人生、これでよかったに決まっていると思う。何かこれ以上、いいことがあっても、それは私には関係ない。福田和也死去の報に驚く。「サンデー毎日」に何度か、町歩き記事で登場していたが、ひどく痩せた印象があった。64か。ぼくは一度、取材で面識あり。