おもいで⑦ (original) (raw)

舞台上には雨が降り続けている。
散歩にいけないきなこは駄々をこねるが、ケンちゃんがこの日、家に連れてきたのは…。

しおりちゃん!!!
そうよね。賢二としおりも、もう高校生…。お母さんは不在…。
何かが起こりそうな予感…。

しおりはきなこを表面上かわいがるも、賢二がいなくなった途端「あたし犬嫌いなんだよね」と言う。
きなこも怪訝そう。わんこ特有の「絶対に心を開かないぞ」感。

きなことツーショットを撮るしおり。

ちゃんとキメ顔を作ったのに、しおりには笑われてしまう。なんなん。きなこを手懐けようとしたしおりは、知識がなくチョコレートを与えてしまう。
きなこに無理やりチョコを食べさせるというシーン。のぶおの優しさのせいか、稽古初期は「うわあ、できない、できない!」と言っていたけれど、稽古後期はぐいぐい口の中に押し込んでくれましたね。使ったお菓子はマシュマロだったかな?

犬にチョコレートは毒なので食べさせちゃダメなんですが、即効性ではないので、この時のきなこは初めての味に驚いて吐き出してしまったという感じ。
何故かホラグチさんは、きなこが怒られないよう、吐いたものを一生懸命隠している姿に涙したそうです。なんで??

「もう帰って」という賢二にすがりつくしおりちゃん。彼女も彼女で、色々ある。

しかし、この修羅場の最中に、お母さんが帰って来てしまう。息子は女の子を泣かせているし、きなこは吐き出しているし、これは混乱するわよ。

ついに賢二に手をあげてしまったお母さん。きなこは慌てて、2人の間に割って入る。ケンちゃん絶対守るマン、きなこ。

自分の話を全然信じてくれないお母さん。クラスでひとり、進路希望が出せていないことを指摘してきたしおり。
男の人生を狂わせるのは、いつだって女…。

ついに賢二はお母さんの経典を破ろうとするが、それさえもできない。誰かに助けを求めようとしても、タッキーや翼にはどんな顔をして会えばいいか分からないし、えまちゃんにはなんて言ったらいいか分からない。
ここで勇気を出していずれかの人に連絡をしておけば、絶対に助けてもらえたはず。
でも、それができないのがケンちゃんだったのかな。

ケンちゃんが向かった先は、お父さんの職場。「お父さんは賢二の味方だ」って言ってくれていたもんね。

でた~。キャリアウーマン~。こんなに存在感があるなら、もっと出番を増やしてもよかったとさえ思っている。
お父さん、専務だから結構偉いみたい。専務補佐の女性にお家の愚痴を言っているけれど、その顔は幸せそう。今日は奥さんの誕生日で、子どもは夜遊びがひどく、反抗期…?ん…?

賢二が会社にやって来たことに、ひどく慌てるお父さん。専務補佐は「子どもは女の子」と聞いていたのに、男の子がやってきたのを不思議そうに見ている。お父さんは補佐を舞台上から追い出し、持っていた花束を後ろ手に隠してしまう。
賢二はお母さんが自分を悪魔を呼んだこと、一度家に帰って来てほしい事を伝えるが…。

その時、賢二のお父さんを「お父さん」と呼ぶ子がやって来る。
この子は一体…。

名前はカズハ。賢二に対し、「何か用?」と強めにつっかかるも、お父さんに止められる。
そりゃあ、自分のお父さんが泣きそうな顔をした高校生の男の子に詰め寄られているのをみたら、強めに聞いちゃうかもしれない。
お父さんは賢二のことを「知らない子だ」と告げる。

個人的に気になっているのは、カズハのお母さんはピンクの花が好きなのに、お父さんが黄色の花束を買っていたこと。これ、深読みすると黄色の花を好きだったのは賢二のお母さんで、お父さんが間違ったんじゃないかな、と。詰めが甘いよ。いつか絶対、痛い目に合うタイプの人ですね、お父さんは。
お父さんは、まあ絶対悪なんだけど、二番目でもいいからこの人と一緒にいようとしたのは賢二のお母さんなので、賢二は被害者。ただの被害者。悲劇の主人公と思いきや、賢二の口からカズハに向けて「頭悪そう」という言葉が飛び出す。
自分の口から出てきた汚い言葉に驚く賢二。自分の中に、悪魔がいるかもしれないと思った瞬間。

実際、家ではお母さんによる悪魔祓いが始まりました。
見ていて辛くなるシーンのオンパレードですが、ケンちゃんに救いはあるのでしょうか。

このへんが一番、早着換えのフルコースだった。シーンが切り替わるのが早くて、私はしもてで着替えをしていたけれど、かみて側を爆走するぐっさんとのぶおを見ました。
声をかけることができないので、心の中で頑張れと思いながら自分は舞台上に走り出て行った思い出。こんな芝居、人生で何度もできないから、みんなで頑張ったね。

明日は第一の決闘。お母さんVSえまちゃんの戦いが始まります。また見てね。