【95話】携帯依存症の夫から携帯を預かったら、携帯の禁断症状が始まった (original) (raw)
夫がギャンブルで使い込んだお金
560万円・・・多重債務。弁護士に依頼して個人再生が決定。360万円になった。
130万円・・・預金を使い込む。
30万円・・・預金を使い込む。
10万円・・・預金を使い込む。
10万円・・・サラ金で借金。
36万円・・・預金を使い込む。
20万円・・・子供支援金を使い込む。
10万円・・・サラ金で借金。
60万円・・・かんたん決済数か月分。
14万円・・・隠してあった現金。
30万円・・・私名義のクレジットカードを使用。
1万円・・・結納の時のお金をお守りにしていたけど盗まれて使われた。
合計 911万円
ギャンブル依存症、借金依存症の夫から携帯電話を預かりました。
携帯を預かってくれたのは別居している親族です。
同居している私が預かるのはトラブルの元だからです。
携帯電話を預かった理由は、夫のギャンブルや借金の窓口は、ほとんどが携帯電話だったからです。
夫は携帯電話への執着がすさまじく、預かるまでもひと悶着ありましたが、予想通り、預かったらメデタシというわけにはいきませんでした。
携帯電話が手元からなくなった夫の奇行
親族が夫から携帯電話を預かってから、夫はやたらとふさぎ込み、無言になりました。
・・・無言というよりは、
家族との会話がなくなったと表現した方がいいのでしょう。
もともと会話は少なかったのですが、・・・さらに減りました。
その代わりといっては何ですが、
ひとりごとが、ものすごく増えました。
特に、夫の視界に私が入ると、ひとりごとが激しくなりました。
夫は、狭い折の中に閉じ込められた動物のように、行ったり来たり、うろうろしながら・・・、
「あ~~~。」
「う~~~。」
呻(うめ)いています。
綺麗な発音ではなく、喉をつぶしたような声です。
私は夫の声に反応しないようにしていました。
夫の声に反応して、「どうしたの?」「なんなの?」などと言おうものなら、嫌な流れに巻き込まれてしまいそうです。
夫のうめき声には絶対に返事をせず、夫の奇行が視界に入っても、気にしないふりをしていました。
夜布団に入ってからも、携帯電話の禁断症状が激しい
夜はますますひどいものでした。
携帯電話が手元からなくなった初日の夜は、夫は布団に穴を掘ろうとしているモグラのように、もぞもぞとうごめいていました。
暗闇の中で、
「携帯~。携帯~。」
「ふぐぅ~。携帯~。」
「携帯~。」
と、繰り返しています。
私に何かを言うのではありません。
ただ、私のすぐ横でパフォーマンスをしているのです。
夫にとって、私は煽りやすい人間なのでしょうか。
私も命がけです。
夫が泣こうが呻こうが、薄暗闇の中で体を起こしてゆらゆらさせながら「携帯~。」と、連呼しようが、スルーです。
不気味な行動は、後日も続きました。
連日続く、夜中の奇行
ある夜は、夜中に突然体を起こして、
「う~。」
「あは~~!」
と、大声を上げました。
ビックリして寝ていた頭もスッキリと目覚めてしまいました。
・・・でも、気がついていないふり、寝ているふりです。
夫がおかしなパフォーマンスを繰り返せば繰り返すほど、私の頭はより冷静になっていきました。
絶対に夫に携帯電話を返すことはできない、という思いがなおさら強まるばかりでした。
携帯の禁断症状は1週間がピークだった
1週間程度で奇行めいたことはおさまっていきましたが、
夫がやたらとふさぎ込んでいることに、変わりはありませんでした。
夫の行動が落ち着いてきた頃に、やっと夫がまともに話しかけてきました。
「相談員の人が、携帯を返していいよって言ったら、返してくれるんだよね。」
私は内心、絶対に「返していい。」というはずがないと思っていましたが、
思っていたからこそ言いました。
「いいよ。」
夫は、ほっとした様子でした。
いよいよギャンブル依存症の相談日・・・
ギャンブル依存症の相談窓口を予約した日がやってきました。
この日は夫も、夫の相談にのってくれていた親族も、仕事を休んだり、都合をつけて、集まってくれていました。