何も知らない日本大使館員と親切なマラウイの人たち (original) (raw)
JICAのオフィスに行き、江頭さんに日本大使館からのFAXがが届いたか確認をすると、まだとのことでマラウイのイミグレとザンビア大使館でのことをざっと説明をしました。
そのことを電話を借りて日本大使館員に大声で伝えました。すると電話の向こうでは
「ほう、そんな手があるんだ」と言いました。
その時は思わず怒りで受話器を握り締めてしまいましたが、よく考えてみると、辺境の国の日本大使館で働いている大使館員にとって旅行者はいつも問題を持ってくる厄介者でしかありません。パスポートをなくした旅行者の対処法はおそらくマニュアルに書かれていて、それを旅行者に伝えることが彼の仕事であり、私がやった裏技的なことを知らないのは当然かもしれません。
こうなったら全部自分で動いた方が良いので、次は病院に行きワクチンの接種証明のことを訊きに行きました。
アフリカに行く前にロンドンの病院で予防接種を7本ほど打ちました。その証明書(通称イエローカード)もパスポートといっしょに盗られてしまったのです。これがないと入国を断られたり、賄賂を請求されたりしました。しかし英語の病名が難しかったのでなんのワクチンを打ったのか覚えていません。
すると医者は
「じゃあここでワクチンを打ったことにしてイエローカードを作ってあげるよ」
「本当ですか?! ありがとうございます!で、おいくらでしょうか?」
「10円」
マラウイの人たちは、どこまでも適当、親切、安いと三拍子が揃っていました。