おぼつかなしの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

形容詞ク活用

活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}

ぼんやりしている。ようすがはっきりしない。ほのかだ。

出典徒然草 一九

「山吹の清げに、藤(ふぢ)のおぼつかなきさましたる」

[訳] 山吹の花がさっぱりとしてきれいに(咲き)、藤の花のぼんやりとはっきりしないようすをしているのとが。

気がかりだ。不安だ。

出典枕草子 うらやましげなるもの

「上の女房(にようばう)の、御方々いづこもおぼつかなからず参り通ふ」

[訳] 帝(みかど)付きの女房で、お妃がたのどこへでも気がかりでなく参上して出入りする。

不審だ。疑わしい。

出典徒然草 八八

「道風(たうふう)書かんこと、時代やたがひ侍(はべ)らん。おぼつかなくこそ」

[訳] 小野道風が書いたというのは、時代が違っているのではないでしょうか。不審に(思います)。

会いたく思っている。待ち遠しい。

出典源氏物語 明石

「夢の中にも見たてまつらで、恋しうおぼつかなき御さまを」

[訳] 夢の中でさえお目にかからず、恋しく会いたく思っているお姿を。