しての意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

して

接続詞

そうして。それで。▽相手の話に対して、さらに説明を求めるときに発する語。多く、下に問いかけを伴う。

[訳] それで、まずどうしたのだ。◆サ変動詞「す」の連用形に接続助詞「て」が付いて一語化したもの。


し-て


して

副助詞

《接続》助詞「より」「から」や一部の副詞に付く。〔上の語を強める〕

[訳] この源氏の物語を一の巻から全部お見せください。


して

接続助詞

《接続》形容詞型・形容動詞型活用の語の連用形、打消の助動詞「ず」の連用形に付く。

「ゆく川の流れはたえずして、しかも、もとに水にあらず」

[訳] 流れていく川の流れは絶えることがなくて、なおその上に、以前からあった水ではない。

[訳] 中将は病気がたいそう重い状態で、苦しんでいた。

「都近くなりぬるよろこびにたへずして、いへるなるべし」

[訳] 都が近くなった喜びにこらえきれないために、歌を詠んだのであろう。

[訳] 格子なども、人はいないのに開いてしまった。

参考

サ変動詞「す」の連用形に接続助詞「て」が付いて一語化したもの。


して

格助詞

〔共に動作を行う人数・範囲〕…で。…と(ともに)。

[訳] 以前から友人としている人、一人二人とともに(東国へ)行った。

「そこなりける岩に、指(および)の血して書きつけける」

[訳] そこにあった岩に、指の血で(歌を)書き付けた。

[訳] (源氏は)人に命じて惟光をお呼ばせになって。

参考

サ変動詞「す」の連用形に接続助詞「て」が付いて一語化したもの。


し-て 【仕手・為手】

名詞

能楽・狂言の、主人公の役。また、その役者。シテ。前後二場に分かれる曲では、前場(=中入り前)のシテを前ジテ、後場(=中入り後)のシテを後(のち)ジテという。

参考

能楽・狂言では、もとは役者をすべて「する人」の意味で「して」と呼んだが、のちに役柄の分業が固定化するようになると、主役だけをさすようになった。「シテ」と片仮名で書くことが多い。