たてまつるの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

たてまつ・る【奉る】

[一]他動詞ラ行四段活用

①

差し上げる。献上する。▽「与ふ」「贈る」の謙譲語。

「人に物を取らせたるも、ついでなくて、『これをたてまつらん』と言ひたる、まことの志なり」

[訳] 人に物を与える場合も、何のきっかけもなくて、「これを差し上げましょう」と言っているのが本当の誠意である。

②

お伺いさせる。参上させる。▽「遣（や）る」の謙譲語。

「『上渡らせ給（たま）ひて、かかること』など殿に申しにたてまつられたりければ」

[訳] 「天皇様が（女御の所に）おいでになって、これこれのことが（行われています）」と、人々が左大臣殿にお知らせするために（使いを）参上させなさったので。

③

召し上がる。お召しになる。▽「飲む」「食ふ」「着る」の尊敬語。

「一人の天人言ふ、『壺（つぼ）なる御薬たてまつれ』」

[訳] 一人の天人がかぐや姫に言うには「壺にあるお薬を召し上がれ」。

[二]自動詞ラ行四段活用

活用｛ら／り／る／る／れ／れ｝

お乗りになる。▽「乗る」の尊敬語。

[訳] （帝（みかど）は）御輿にお乗りになってから。

[三]他動詞ラ行下二段活用

「君の御許よりは、惟光（これみつ）をたてまつれ給（たま）へり」

[訳] 源氏のおもとからは、従者の惟光を参上させなさった。

[四]補助動詞ラ行四段活用

活用｛ら／り／る／る／れ／れ｝

〔動詞や受身・使役の助動詞の連用形に付いて〕…申し上げる。▽謙譲の意を表す。

[訳] 九月二十日ごろ、ある人に誘われ申し上げて。

参考