ぢゃの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)
助動詞特殊型
《接続》体言、活用語の連体形、接続助詞「て」などに付く。
①
〔断定〕…だ。…である。
出典末広がり 狂言
「すればそなたは仕合せ者ぢゃ」
[訳] それならお前は幸せ者だ。
②
〔資格・続き柄〕…にあたる。…である。▽親族を表す名詞に付いて。
出典武悪 狂言
「親ぢゃ人に逢(あ)うた」
[訳] 親である人に会った。
③
〔疑問〕…か。…なのか。▽疑問・不定を表す語を受けて。
出典生玉心中 浄瑠・近松
「その深い男は誰(たれ)ぢゃ知らぬが」
[訳] その深い(仲の相手の)男はだれか知らないが。
④
〔反語〕…(である)か(いや、そうではない)。▽疑問・不定を表す語を受けて。
出典雁盗人 狂言
「諸侍が何とそのやうなさもしいことをするものぢゃ」
[訳] 侍たる者がどうしてそのようなさもしいことをするものか(いや、だれもしない)。
⑤
〔軽い敬意〕…おいでだ。▽助詞「て」「に」に付いて。
出典冥途飛脚 浄瑠・近松
「おやぢさまはいとしや、早う脱(ぬ)かしてくれよとて、狂乱になってぢゃ」
[訳] おやじ様はかわいそうに、早く逃がしてくれといって、狂乱のようになっておいでだ。
参考
中世末期に「である」が変化してできた語。関東の「だ」に対立する形で関西で用いられ、現代でも関西以西の地方で用いられる。