ての意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

終助詞

《接続》言い切りの形に付く。〔感動をこめて軽く念を押したり、返答をうながしたりする〕…ね。

「しかし見所があるて。此(こ)の番頭はたのもしい」

[訳] しかし、見所があるね。この番頭はたのもしい。◆近世語。


格助詞

《接続》言い切りの形に付く。〔格助詞「と」に相当〕…と。

「父母(ちちはは)が頭(かしら)かき撫(な)で幸(さ)くあれて言ひし言葉(けとば)ぜ忘れかねつる」


接続助詞

〔継起〕…して、それから。▽ある動作・状態から、次の動作・状態に移ることを表す。

「住む館(たち)より出(い)でて船に乗るべき所へ渡る」

[訳] 住んでいる官舎から出て、船に乗ることになっている所へ移る。

〔並行〕…て。…て、そして。▽動作・状態が同時に進行・存在していることを表す。

「六月(みなづき)のころ、あやしき家に夕顔の白く見えて、蚊遣(かや)り火ふすぶるもあはれなり」

[訳] 陰暦六月のころ、粗末な家(の塀)に夕顔の花が白く見えて、そして蚊遣り火がくすぶっているのももの寂しく心ひかれる。

〔順接の確定条件〕…ために。…から。…ので。▽上に述べた事柄が原因・理由になって下の事柄が起こることを表す。

[訳] さしつかえる事があるので、(花見に)参りませんで。

〔逆接の確定条件〕…のに。…ても。…にもかかわらず。

「都の人は言承(ことう)けのみよくて、実(まこと)なし」

[訳] 都の人は口先の返事だけは感じがよくても、誠実味がない。

「ぬばたまの(=枕詞(まくらことば))妹(いも)が乾(ほ)すべくあらなくにわが衣手を濡(ぬ)れていかにせむ」

[訳] 妻が(そばにいて)干してくれるわけでもないのに、私の袖(そで)がぬれたらどうしよう。

[訳] (竹の中に)三寸(=約九センチ)ほどである人が、とてもかわいらしいようすで座っている。

「男もすなる日記(にき)といふものを、女もしてみむとてするなり」

[訳] 男も書くという日記というものを、女(である私)も書いてみようと思って書くのである。

参考

(1)完了の助動詞「つ」の連用形「て」が変化したもの。(2)動詞の撥(はつ)音便形やウ音便形に続いて「掘り食(は)んで」(神楽歌)「夕殿に蛍飛んで」(『源氏物語』)や「呼うで来てくだされ」(『冥途飛脚』)のように、濁音化することもある。(3)副詞の「かく」「など」「さ」に付いて「かくて」「などて」「さて」という副詞を作ったり、格助詞「と」「に」に付いて「とて」「にて」という複合助詞を作る。



て 【手】

名詞

[訳] (裁縫も)織女の腕前にも劣らないに違いなく。

[訳] どのやり方が、早く負けてしまうだろうかと考えて。

[訳] (義経(よしつね)は)宇治の軍勢を攻め落として。

[訳] 自分の体は傷を負って、危ない命を保ちながら。


-て 【手】

接尾語

矢二本を一組として数える語。「的矢(まとや)一て」。


て- 【手】

接頭語

〔形容詞に付いて〕手段・方法などの程度を強める。「て堅し」「て強(ごは)し」