なましの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)
な-・まし
①
〔上に仮定条件を伴って〕…てしまっただろう(に)。きっと…てしまうだろう(に)。▽事実と反する事を仮想する。
「まして竜(たつ)を捕らへたらましかば、また事もなく我は害せられなまし」
[訳] ましてもし竜を捕らえていたなら、また、たやすく私はきっと殺されてしまっただろう。
②
〔上に疑問語を伴って〕(いっそのこと)…たものだろうか。…してしまおうか。▽ためらいの気持ちを表す。
[訳] ここよりも深い山を探し求めて、(いっそのこと)行方をくらましてしまおうか。
③
〔終助詞「ものを」を伴って〕…してしまえばよかった(のに)。▽実現が不可能なことを希望する意を表す。
「白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へてけなましものを」
注意
助動詞「まし」の意味(反実仮想・ためらい・悔恨や希望)に応じて「なまし」にもそれぞれの意味がある。
なりたち
完了(確述)の助動詞「ぬ」の未然形+反実仮想の助動詞「まし」
なま-・し 【生し】
形容詞シク活用
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}