ふとの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

ふ-と

副詞

「急ぎてとらへて折らむとするほどに、ふと過ぎて外れたるこそ、いとくちをしけれ」

[訳] (牛車(ぎつしや)の屋形に入って来た枝を)急いでつかんで折ろうとするときに、すばやく過ぎて(牛車から)外れてしまうのは、とても残念だ。

「この僧の鼻より、氷魚(ひを)の一つ、ふと出(い)でたりければ」

[訳] この僧の鼻から、氷魚(=鮎(あゆ)の稚魚)が一匹、不意に飛び出したので。

[訳] 私の弓の威力は、もし竜がいるならばたやすく射殺して。


ふと- 【太】

接頭語

「りっぱな」「壮大な」「神聖な」などの意を表す。天皇や神道にかかわる儀礼などに関する名詞・動詞に付ける。「ふと襷(たすき)」「ふと祝詞(のりと)・(のりとごと)」「ふと敷く」「ふと知る」


ふと 【浮屠・浮図】

名詞

[訳] 私のために仏塔を造れと言った。◆「ふど」「ぶど」とも。仏教語。