ものの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

もの

接続助詞

《接続》活用語の終止形・連体形に付く。〔順接の確定条件〕…(だ)から。

[訳] 大事な孫だから、どうして悪く思いましょう。


もの

終助詞

「天(あま)飛ぶや(=枕詞(まくらことば))鳥にもがもや都まで送り申して飛び帰るもの」

[訳] 鳥であったらいいなあ。都まで(あなたを)送り申し上げて飛んで帰ってくるのになあ。◇上代語。

[訳] うれしいね、命をかけて思い込んだ男だからなあ。◇近世語。


もの 【物】

名詞

物。衣服・飲食物・楽器など形のある存在。▽前後の関係からそれとわかるので明示せずにいう。

「ものの色、し給(たま)へる様など、いと清らなり」

[訳] 衣服の色、なさっているようすなど、大変すばらしい。

物事。もの。芸能・音楽・行事など形のない存在。▽前後の関係からそれとわかる事柄を明示せずにいう。

[訳] 物事のそれぞれの分野に、物事の(=その道の)師匠がいる。

[訳] いつもよりもものを思っているようすである。

[訳] 竹取の翁という人がいたということだ。◇「者」とも書く。

怨霊(おんりよう)。鬼神。物の怪(け)。超自然的な恐ろしい存在。

「ものにおそはるるやうにて、あひ戦はむ心もなかりけり」

[訳] 何か恐ろしいものに脅かされるような状態で、戦い合おうという気持ちもなくなったのであった。


もの- 【物】

接頭語

〔形容詞・形容動詞などに付いて〕なんとなく…。▽漠然とした様態を表す語を作る。「もの恐ろし」「ものめづらし」「ものはかなし」「もの清げ」「ものまめやか」


物の名

分類文芸

「物名(ぶつめい)」とも。主として和歌の遊戯的な技法の一つ。一首の中に事物の名を詠み込むもので、歌の内容にはかかわりがない。たとえば、「秋近う野はなりにけり白露の置ける草葉も色変はりゆく」(『古今和歌集』)〈野は秋が近くなったなあ。もう白露が置いている草葉も色づきはじめたことであるよ。〉では、「あきちかうのはなりにけり」に「桔梗(きちかう)(=ききょう)の花」を詠み込んでいるなど。『古今和歌集』などでは部立(ぶだ)ての一つとしている。「隠し題」ともいい、その歌は「物の名の歌」「物名歌(ぶつめいか)」という。