もの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

接続助詞

「内裏(うち)へ参らむとおぼしつるも、出(い)で立たれず」

[訳] (薫(かおる)は)宮中へ参上しようとお思いになったのに、出掛けられない。

「来むといふも来ぬ時あるを来じといふを来むとは待たじ」


終助詞

《接続》文末、文節末の種々の語に付く。〔詠嘆〕…なあ。…ね。…ことよ。

「妹(いも)と来(こ)し敏馬(みぬめ)の崎を帰るさに独りして見れば涙ぐましも」


係助詞

《接続》体言、活用語の連用形・連体形、助詞など、種々の語に付く。

[訳] 男も女も互いに恥ずかしがり合っていたけれども。

[訳] (留守中)家に預けておいた人(=家を託してあった留守番の人)の心もまた(この家と同様に)すさんでいたのだ。

「帳(ちやう)の内よりも出(い)ださず、いつき養ふ」

[訳] (翁(おきな)はかぐや姫を)垂れぎぬの中からさえも出さないで、大切に養い育てる。

「家に行きて何を語らむあしひきの(=枕詞(まくらことば))山ほととぎす一声も鳴け」

[訳] 家に帰って何を(土産話として)語ろうか。山ほととぎすよ、せめて一声だけでも鳴いておくれ。

[訳] なんでもかんでも、小さいものは皆かわいらしい。

[訳] この上もなく遠くまでもまあ、来てしまったものだなあ。

語法

係助詞「ぞ」「こそ」が付いた、「もぞ」「もこそ」は不安や懸念の意を表すことが多い。

参考

「も」は、文を言い切る力が文末にかかっていって、文末の述語は終止形となる。このような働きがあるところから、「も」は係助詞とされる(「は」も同様である)。このときの結びは終止形で、普通の文の言い切りの形(終止形)と同じである。この点が、連体形結び・已然形結びになる他の係助詞「ぞ」「なむ」「や」「か」「こそ」とは異なっている。


助動詞特殊型

活用{○/○/も/も/○/○}

…だろう。…(し)よう。

「よそにのみ見てや渡らも難波潟(なにはがた)雲居(くもゐ)に見ゆる島ならなくに」

[訳] (有名な難波潟を)遠くに見るだけで(九州に)わたるのだろうか、難波潟ははるかに離れた所に見える島というわけではないのに。◆推量の助動詞「む」にあたる上代の東国方言。


も 【藻】


も 【裳】

名詞

上代、女性が腰から下を覆うようにまとった衣服。「裙(くん)」とも。◇「裙」とも書く。

平安時代、成人した女性が正装のときに、最後に後ろ腰につけて後方へ長く引き垂らすようにまとった衣服。多くのひだがあり、縫い取りをして装飾とした。

「よき程なる人になりぬれば、…髪上げさせ、も着す」

[訳] (かぐや姫が)一人前の大人になったので、…髪上げをさせ、裳を着せる。

参考

②の用例は、平安時代の貴族の女子の成人の儀式である「髪上(かみあ)げ」と「裳着(もぎ)」をいっている。⇒もぎ


も 【喪】

名詞

人の死後、その人を弔うために、親族が一定の期間家にこもって交際を避け、慎み深く過ごすこと。

[訳] 旅先でもわざわいにあわず、早く帰って来てと。


も 【面】