わたるの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

わた・る 【渡る】

[一]自動詞ラ行四段活用

「渡守(わたしもり)、『はや舟に乗れ、日も暮れぬ』と言ふに、乗りてわたらむとするに」

[訳] 渡し舟の船頭が「早く舟に乗れ、日も暮れてしまう」と言うので、乗って渡ろうとするが。

「住む館(たち)より出(い)でて、船に乗るべき所へわたる」

[訳] 住んでいる官舎から出て、船に乗ることになっている所へ移る。

[訳] 赤ん坊を遊ばせている前を通り過ぎるの(は心がどきどきする)。

(年月が)過ぎる。経過する。(年月を)過ごす。(年月を)送る。暮らす。

「日を消(せう)し、月をわたりて一生を送る、もっとも愚かなり」

[訳] 日を過ごし、月を送って(つまらない)一生を送るのは、実に愚かなことである。

[訳] この訓戒は、すべての場合に広く通じるにちがいない。

〔多く「せ給(たま)ふ」とともに用いて〕いらっしゃる。おられる。▽「あり」の尊敬語。

「高倉の宮の御子(みこ)の宮たちのあまたわたらせ給(たま)ひ候ふなる」

[訳] 高倉の宮のお子様の宮たちが大勢いらっしゃいますそうです。

[二]補助動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

〔動詞の連用形に付いて〕

「女のえ得(う)まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを」

[訳] 女で自分のものにできそうもなかった人を、何年もずっと求婚しつづけていたのを。