下すの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

他動詞サ行四段活用

活用{さ/し/す/す/せ/せ}

おろす。(下流に)流す。

出典竹取物語 かぐや姫の昇天

「かた時のほどとてくだししを」

[訳] ほんのちょっとの間ということで、かぐや姫を天からおろしたのだが。

降らせる。

出典拾遺集 雑秋

「時雨(しぐれ)をくだす雲となりけれ」

[訳] 時雨を降らす雲となるのであったなあ。

(地方に)行かせる。下向させる。

出典平家物語 三・御産

「宰相、京より人をくだして」

[訳] 宰相は、都から人を下向させて。

下賜(かし)する。与える。(命令などを)申し渡す。▽上位の者から下位の者へ物や命令を与える。

出典落窪物語 四

「中納言、大納言に成り給(たま)ふ宣旨(せんじ)くだし給ひつ」

[訳] 中納言が大納言に昇進なさる宣旨をお申し渡しなさった。

(筆を紙の上に)おろす。

出典源氏物語 梅枝

「おもなくくだす筆の程」

[訳] 平然として筆をおろす、その筆跡の程度は。

(程度・価値・調子を)低める。

出典源氏物語 若菜上

「琴の緒(を)もいとゆるに張りて、いたうくだして調べ」

[訳] 琴の糸もとてもゆるやかに張って、ずっと低い音にして演奏し。