世間の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

名詞

俗世。俗人。生き物の住むところ。

出典今昔物語集 五・一二

「生死(しやうじ)の無常を観じ、せけんの受楽(じゆらく)を厭(いと)ひて出家したまふなり」

[訳] 生まれ死ぬという世の無常を悟り、俗世の享楽を嫌って出家なさるのだ。◇仏教語。

世の中。この世。世の中の人々。

出典徒然草 一八八

「せけんの人、なべてこのことあり」

[訳] 世の中の人には、一般的にこのようなことがある。

あたり一面。外界。

出典大鏡 道長下

「にはかに霧立ち、せけんもかい暗がりて侍(はべ)りしに」

[訳] 急に霧が立ちこめ、あたり一面も真っ暗になっておりましたので。

暮らし向き。財産。

出典沙石集 九

「かの地頭(ぢとう)、せけんも衰へ、つひにみまかりぬ」

[訳] その地頭は、暮らし向きも悪くなっていって、とうとう亡くなってしまった。