侘ぶの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

わ・ぶ 【侘ぶ】

[一]自動詞バ行上二段活用

「限りなく遠くも来にけるものかなと、わびあへるに」

[訳] この上もなく遠くまでもまあ来てしまったものだなあと、互いに嘆き合っていると。

「いといたう強(し)ひられて、わびにて侍(はべ)り」

[訳] まったくたいそう(酒を)無理強いされて、困っております。

「わくらばに問ふ人あらば須磨(すま)の浦に藻塩(もしほ)たれつつわぶと答へよ」

[訳] たまたまに(私のことを)尋ねる人があったなら、須磨の浦で藻塩草に潮水をかけながら(涙を流して)せつなく思っていると答えてください。

「あるは、昨日は栄えおごりて、時を失ひ、世にわび」

[訳] ある場合には、昨日(まで)は栄えて思い上がっていたのに、(今日は)時の流れに合わないで勢力がなくなり、世間で落ちぶれて。

[訳] 「ともかく許しをいただきたい」と謝ったので。◇「詫ぶ」とも書く。

静かな境地を楽しむ。わび住まいをする。閑寂な情趣を感じとる。

「ことさらこの須磨の浦に心あらん人は、わざともわびてこそ住むべけれ」

[訳] 特にこの須磨の海岸では、情趣のわかる人は、わざとでもわび住まいをして住みつくであろう。

[二]補助動詞バ行上二段活用

活用{び/び/ぶ/ぶる/ぶれ/びよ}

〔動詞の連用形に付いて〕…しづらくなる。…しかねる。…しきれない。

[訳] (ある男が)都に住みづらくなって東国へ行ったが。