分の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

ぶ 【分】

名詞

程度。割合。

出典椿説弓張月 読本

「力すでに衰へては、弓もまたぶを減ぜしが」

[訳] (為朝(ためとも)は)力がすでに衰え(た今となっ)ては、弓もまた(張りの強さの)程度を低くしたが。


-ぶ 【分】

接尾語

全体の数量を幾つかに等分することを表す。

出典大鏡 時平

「四ぶ一の家」

[訳] (一町の)四分の一の家。

十等分したものの割合を表す単位。

出典世間胸算用 浮世・西鶴

「四ぶ払ひ」

[訳] 四割払い。

長さの単位。寸の十分の一。一分は約三ミリメートル。

重さの単位。匁の十分の一。一分は約〇・三七五グラム。

金銀貨の単位。両の四分の一。◇「歩」とも書く。


-ふん 【分】

接尾語

江戸時代の、銀貨を量るときの単位。一分は一匁(もんめ)の十分の一、一厘(りん)の十倍。「ぷん」とも。


ぶん 【分】

名詞

分け前。割り当て。

程度。(その)くらい。

出典萩大名 狂言

「そのぶんは苦しうござらぬ」

[訳] その程度のことは不都合ではございません。

身の程。分際。

出典徒然草 一三一

「貧しくてぶんを知らざれば盗み」

[訳] 貧しくて身の程を知らなければ盗み(を働いて)。

(限定された)状況・状態。

出典日本永代蔵 浮世・西鶴

「このぶんにて通るべきや」

[訳] この(諸芸に達者であるという)状態で生きていくことができるだろうか。

仮にそういう扱いにすること。名目上の扱い。▽多く、接尾語のように用いる。

出典世間胸算用 浮世・西鶴

「その客死にぶんにして」

[訳] その客は名目上死者扱いにして。

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