初めの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

名詞

起こり。始まり。

出典徒然草 九一

「ありと見るものも存ぜず、はじめある事も終はりなし」

[訳] (すべてが流転し変化するこの世では)あると(思って)見るものも存在せず、始まりがある事柄も終わることがない。

最初。初め。

出典徒然草 九二

「のちの矢を頼みて、はじめの矢になほざりの心あり」

[訳] あとの矢をあてにして、最初の矢(を射ること)にいいかげんな気持ちが生ずる。

(序列の)第一。主要のもの。

出典平家物語 七・火打合戦

「かの城郭にこもる勢(せい)、平泉寺の長吏斎明(さいめい)威儀師・…佐美(さみ)をはじめとして」

[訳] あの(義仲の)城の中にこもっている軍勢は、平泉寺の威儀師(=法会などの指揮をする役僧)斎明・…佐美らを主要のものとして。

以前。前(に)。▽副詞的に用いる。

出典枕草子 関白殿、二月二十一日に

「はじめおりける人、物見えぬべき端に八人ばかりゐにけり」

[訳] (車から)さきにおりた人(=女房たち)が、見物できそうな端の所に、八人ほど出て座っていたのだった。

一部始終。事の次第。

出典好色一代男 浮世・西鶴

「様子を問へば、はじめを語る」

[訳] ようすを尋ねると、一部始終を打ち明ける。