実の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

名詞

事実。真実。「じち」とも。

出典難波土産 発端

「芸といふものはじつと虚(うそ)との皮膜(ひにく)の間(あひだ)にあるものなり」

[訳] 芸というものは事実とうそとの紙一重の間にあるものだ。

実質。本性。

出典海道記

「本尊のじつをたづぬれば観世音と申す」

[訳] 本尊の本性を尋ねると、観世音であるという。

まごころ。誠意。

[一]名詞

真実。事実。本当。

出典徒然草 七三

「世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くはみな虚言(そらごと)なり」

[訳] 世間で語り伝えていることは、真実はつまらないのであろうか、多くはみんなつくりごとである。

誠実。誠意。真心。

出典徒然草 一四一

「あづま人こそ、言ひつることは頼まるれ。都の人は、ことうけのみよくて、まことなし」

[訳] 東国の人は言ったことは頼みになる。都の人は、返事だけがよくて、誠実さがない。

[二]副詞

実に。本当に。

出典万葉集 二四五

「聞くがごとまこと貴(たふと)く奇(くす)しくも神さびをるかこれの水島」

[訳] かねて聞いていたように、本当に貴く不思議に神々しい姿をしていることだよ、この水島は。

[三]感動詞

そうそう。あっ、そうだ。

出典宇治拾遺 八・三

「まことまこと、ありつる鉢を忘れて、取り出でずなりつる」

[訳] そうそう、さきほどの鉢を忘れて、取り出さないままにしてしまった。