往くの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

い・く 【行く・往く】

自動詞カ行四段活用

[訳] 幣では(神様の)お心に満足がいかないから。

参考

(1)「ゆく」のほうが広く用いられたが、中古になって、「いく」「ゆく」が併用されるようになった。(2)和歌では、「限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり」(『源氏物語』)〈⇒かぎりとて…。〉のように、「生く」とかけて用いることが多い。


ゆ・く 【行く・往く】

[一]自動詞カ行四段活用

出かけて行く。去って行く。進んで行く。通りすぎて行く。

「春霞(はるがすみ)立つを見捨ててゆく雁(かり)は花なき里に住みやならへる」

(物事が)思うように進む。はかどる。順調にゆく。

「筆のゆく限りありて、心よりは、事ゆかずなむ、思う給(たま)へられしを」

[訳] 筆が思うように進むには限度があって、心で思うほどには、事がはかどらないと思い申されましたので。

「あしひきの(=枕詞(まくらことば))山縵(やまかづら)の児今日ゆくとわれに告げせば帰り来(こ)ましを」

[訳] 縵児(=娘の名)が今日死ぬと私に知らせてくれたなら、帰って来たものを。

(心が)晴れ晴れする。すっきりする。せいせいする。満足する。

「遣水(やりみづ)の水草(みくさ)も搔(か)きあらためて、いと、心ゆきたる気色(けしき)なり」

[訳] 遣水の中の水草もかき出して、(流れる水も)たいへん、心がせいせいしたようすである。

[二]補助動詞カ行四段活用

活用{か/き/く/く/け/け}

〔動詞の連用形に付いて〕いつまでも…しつづける。ずっと…する。だんだんと…する。▽動作・状態が継続し、進行する意を表す。

[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)の病気が)たいへん、だんだんと重くなってゆき。