故の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

ゆえ 【故】


かれ 【故】

接続詞

「その御手の血を洗ひ給(たま)ひき。かれ、血沼(ちぬ)の海といふ」

[訳] そのお手の血をお洗いになった。それで、(そこを)血沼の海という。

[訳] そして、その国からのぼっておいでになったときに。◆副詞「か」と動詞「あり」の已然形からなる「かあれ」の変化した語。上代語。


け 【故】

名詞

「御手もわななくけにや、的のあたりだに近く寄らず」

[訳] お手もふるえるせいだろうか。(矢は)的の付近にさえ近づかない。


こ- 【故】

接頭語

〔官職名や姓名などに付いて〕(今は)亡き。▽その人がすでに亡くなっていることを表す。「こ殿」「こ大納言」


ゆゑ 【故】

名詞

「もし旧(ふる)き男にてありし人のゆゑなどにてもやおはしますらむと思ひつれば」

[訳] ひょっとしたら昔の夫であった人のゆかりの人などでいらっしゃるのだろうかと思ったので。

「何のつつましき御さまなければ、ゆゑもなく入り給(たま)ひにけり」

[訳] 何の遠慮すべきご様子もないので、支障もなくお入りになってしまった。

(ア)

…によって。…のために。▽順接的に原因・理由を表す。

「子ゆゑにこそ、万(よろづ)のあはれは思ひ知らるれ」

[訳] 子(を持つこと)によってこそ、すべての(人の)情けは思いあたって理解できるものである。

参考

「ゆゑ」と「よし」の違い 「ゆゑ」は本質的な原因・理由を表すが、類義語の「よし(由)」は、物事のよりどころとしての理由を表すことが多い。


から 【柄・故】

名詞

「己(おの)が身のから人の子の言(こと)も尽くさじ」

[訳] 自身のために、人なみにあれこれ言いはしますまい。◆上代語。